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吸血鬼ちゃんの日常  作者: 夢宮 瑳菓羅
12/16

11日目 再・異世界転生

 再び私は異世界にきた、といっても、街に来ただけなんだけどね

その後、私達は噴水の近くのベンチに座る…


「苺花さん…?」

私は少し、ぼーとしてしまっていた、気がつくと目の前に吸血鬼ちゃんの顔があった

それに驚いてしまい、こけそうになるも、なんとかベンチに捕まって逃れられた

「大丈夫ですか!?」

その声に私は冷静に答えようとする

「うん、大丈夫大丈夫」

「そうですか」

吸血鬼ちゃんは、ほっと、息をはく

「もう、ここの空気にも、慣れていますか?」

---え? 何、その [ここの空気は前の世界とは違いますよ] 的な発言

「ここの空気は前の世界とは違いますけど」

---あ、そうなんだ…うん、なんか分かってた……

「そうですか…」

吸血鬼ちゃんは少し首を傾けた

「そういえば、今まであんまり気にしてなかってけど、その、心を読むのって、自発的なものなの?」

少し考える時間をとって吸血鬼ちゃんは私の方に向く

「そうともいえます、しかし、そうともいえない部分もあります」

そんなあやうい返答に少し困るものの、なんとか理解をしようと試みる

「なんだか、あんまり分かんない能力なんだね」

「そうですね」

吸血鬼ちゃんは自然なトーンで返事をした、自然過ぎて怖いくらいだった

「あ! そうだ、守敷さんと吸血鬼 (仮) の子は?」

頭の中によぎった言葉をそのまま口にしていた

「お二人は、あそこの宿屋に今はいるはずです」

そういって指を指した先に一軒、看板に 宿屋 <ホース> と書かれているのが見える

この世界は一軒一軒、繋がっていて、宿屋は分かりにくい、なんとか看板があったから分かった

「あの、ホースって書かれてる所?」

「……ああ、苺花さん、あれはホースでは無く、スカルド、と書かれてるんですよ」

と、いって訂正(ていせい)されても、アルファベットで明らかに、ホース、と書かれているので

あまり、その言葉を飲み込めない

「スカルド? ホースではないの?」

「はい、でも、なぜホースと読んだんです?」

「アルファベットで…うん」

そういうと、吸血鬼ちゃんは不思議そうな顔をした

「 “アルファベット” って何ですか?」

まさかのアルファベットを知ってなかった

「アルファベットは…えっと、う~ん…?」

---アルファベットを上手く説明できない、どうしよう

「アルファベットとは?」

「日本語で言うと、外国語、かな?」

「外国語? さっきから何をいってるんですか?」

---またまた、厄介な事になってきた、しかし、どうしよう

「日本とは違う言葉を使う、違う国、かな~…?」

ぎこちない感じでいってしまったけれど、なんとか伝わったよう

「……?」

仕草を見ると、まだ理解が出来ていないよう

「どうかな? 分かった?」

「そっちの世界は言葉に種類があるんですか?」

思いもよらない質問に少しフリーズする

「ヴェ?」

---ついつい変な言葉を口に出してしまった

気をとりなおす為に、いったん深呼吸をした

「こっちの世界は世界共通なの?」

「はい」

即答だった、何の迷いも無く、真っ直ぐな目で私を見ている

---可愛い…

気が緩んで、そんな事を思ってしまった

「ええ!? 私が…可愛い……なんて……苺花さんの…口から…………」

吸血鬼ちゃんは顔を両手で押さえて、明らかに恥ずかしがっている

「なにか言った? 声が小さくて聞き取れなかった」

「何でもありませんよ~」

顔を両手で押さえながらそういった

---気を取り直して

「私達の世界は、国一つ一つの間隔で言語があった、例えば、日本語はその国々の中の一つ、そして、アルファベットは日本とはちがう国の言語で、英語、という物の、文字」

説明を長々としてしまったが、自分でもなかなか上手く説明を出来たと実感した

「ということは、苺花さんの世界には、複数の言語があって、その言語の中の一つが英語もといアルファベット、ということですね」

吸血鬼ちゃんは少し、合間合間に空間を空けつつ、理解の出来たように私の説明の内容を問いただした

「まあ、そんなかんじかな」

「そうですか、なんとなく分かりました」

なんとか分かってくれたようで、私は、ほっと息をついた

「こっちの世界の文字は苺花さんの世界での アルファベット に似ているんですね」

「うん、そうそう」

「どうしますか?」

唐突に質問を投げられた

「どうする…て?」

「もういっそのこと、こっちの世界の文字も覚えてみませんか?」

「それは、ちょっと気が引けるかな~…」

「そうですか」

吸血鬼ちゃんが明らかに落ち込んでいる、私の中に罪悪感が残る

「でも、少しずつなら覚えていけるかも」

そういうと吸血鬼ちゃんは明るい笑顔になった

---とても、単純で純粋な子なんだな~


     ※


私は吸血鬼ちゃんと一緒に噴水のそばのベンチに腰を掛け、話に夢中になっていた時

向こうの方から私を呼ぶ声が聞こえてきた

「せんぱ~い」

この、無駄に元気のいいような、声の主は、私にはすぐに分かった

---守敷さんだ

声がする方に目を向けると案の定守敷さんだった

彼女は私達のいる方に走って来るのが見える

そして、私達のそばに着いた時、息を荒くして、姿勢からして、走って疲れている事が分かる

「ハァ、ハァ、ハァ」

守敷さんの呼吸はずいぶん疲れているように思える

「大丈夫?」

「は、はい、大丈夫、です、」

上手く話せていない

すると、守敷さんは深く空気をはく

「やっと見つけましたよ」

「やっと、て?」

守敷さんは私のほうに指をたてた

「もう、ず~と、探してたんですからね」

「どのくらい?」

「えっと~、大体三時間ですね」

三時間という驚愕の事実に唖然とした

「そ、そんなに!?」

「そうですよ!!」

強い口調で言った、その声が私の耳に響く

「とりあえず、もう少しゆっくりと出来る場所に行きます」

「うん」

守敷さんの言われるがままに私達は動いた

ベンチから立ち上がり、守敷さんの行く方向に私達も着いていく

目と鼻の先にあった、さっき吸血鬼ちゃんがいっていた宿屋の中に入っていく

入ってすぐにレストランのような内装であった、そこを通って行き奥にあった階段を上る

その後、何回か階段をあがって、多分、三階と思われる場所に着いた

その三階の廊下を進んでいき 306 と書かれた部屋の前に止まった

---まるで、ホテルのような内装

「ここです、入って下さい」

少し怒っているような感じで言っているように私は思った

そうして、恐る恐るドアを開ける

中には、もうすでに吸血鬼 (仮) が寝ている

「何で寝てるの?」

「まあ、良いから、入って下さい」

そうして私達はその部屋に入っていく

中はとてもきれいにしてある、部屋にあるテーブルのそばに一つ一つ置かれてある椅子にみんな座る

「で、守敷さん、ここで、何をするの?」

「それは当然、そこの吸血鬼ちゃんとやらに、この世界について、く、わ、し、く、説明をしてもらおうとおもって、です」

「ちょっと、なんですかその、吸血鬼ちゃんとやらって!」

「まあ、落ち着いて、吸血鬼ちゃん」

「あ、はい」

「さて、この世界ついて、教えて下さいね」

「分かりました…」


そうして、その後、吸血鬼ちゃんは、この世界について語る事となった

その間の時間、シーンと空気が妙に静かになった

何となくというか、何とか書けました。

次回も頑張って行きます

ヨロシクオネガイシマス (^^ゞ

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