型に忠実なラズラと型を知らないエノレア
最近良いペースで投稿できてるので続けたいと思っています(続けるとは言っていない)
「2人の実力は十分すぎるが軍に入りもっと鍛錬を積めば、いくらでも強くなれると思う。本当は俺が直接教えてやりたいけど何せ、教えなきゃ行けない人材が山ほど居てね。君達2人の強さ的にあと回しにしたい所なんだけど良いかな?」
「勿論ですよ、魔王様の意に従いますよ」
「私達は大丈夫ですよーそれよりこれからどうすればいいんですか?」
「その事だけどね、シャルルは第4軍長マーリン、エノレアは第一軍長ラズラの元で鍛錬を積んでもらおうと思ってる。2人合わされば軍長なんか、目では無いけど単体だとまだまだ軍長には勝てないだろうしね、しばらくはその2人の軍長の副官になってもらおうと思うよ」(この2人の戦闘スタイルなら、ラズラとマーリンにも丁度良い刺激になると思うしね)
「承知しました」
「分かりましたーところで魔王様その2人はどのような人物なのですか?」
「今から連れて行ってあげるよ、丁度練兵してる頃だと思うしね」
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あれから3人は第一練兵場へと来ていた。そこでは既にラズラによる槍術指導が行われていた
「ラズラ今大丈夫かい?」
「これはこれはジル様、どうかされましたか?あらルシファー様という恋人が居ながらその双子と浮気ですか?」
ラズラは小悪魔風に笑いながら言った
「ちげーわ、この2人縁あって俺が面倒見ることになったんだけど、ラズラに勝てないにしてもいい勝負する実力でね、俺がもっと鍛えたいところなんだけど、何せやる事が今は山積みだから、ラズラの副官にしようかなって」
「副官ですか?私は良いですが、まだ若いように見えますしそんなに強いのですか?最悪下のものから不満が出ますよ?」
「それについては口で説明するより直接試した方が早そうだね、エノレアもう1回勝負出来る?」
「少し体力が厳しいですがそれでも良ければー」
「ごめんごめん、回復させるの忘れてた
光回復魔法慈愛の光」
シャルルとエノレアの居るところに空から光がさし2人を包んだ
「なんですかこれ、身体中の疲労感が消えてきます」
「なにこれー暖かくて眠くなる」
「これで出来そうかい?」
「はい!ありがとうございます」
「てことでラズラ少し勝負をお願いしていいかい?」
「承りました、皆の者!一旦練兵は中止だ!今後我が軍の副官になる者の実力をしかと目に焼き付けておけ!」
30万程の兵が一斉に敬礼をした
「じゃあ準備はいいかい?ルールは簡単俺が辞めって言うかどちらかが戦闘不能または降参これで終わりね」
「分かりました」
「はい魔王様!そんな事より槍を返して欲しいのですが……」
「あっごめんごめん忘れてた
光魔法全てを吐き出す光」
光の渦が現れジルがそこに手を入れ何かを引き出した。それは間違いなく先ほどエノレアが持っていた槍だった
「ごめんごめんはい返すよ」
「ありがとうございますーじゃあ準備はOKです、あっ先にエンチャントしとこ
闇魔法 付属性闇」
「それじゃあ行くよー始め!」
「エノレアと言ったわね、お手柔らかに頼むわ」
「こちらこそですそれよりそんな甘い構えだと何があっても知りませんよー」
「何を言っているのよ、早くおいグッ何よこれ」
ラズラが視線を落とすと、自分の腹部にエノレアの槍が刺さっている
「あまりにも隙だらけだったので槍投げちゃいました」
「槍使いが武器を投げるだと!?聞いたことないぞそんなの、当たらなかったらどうするつもりだ」
「それはですねー
闇魔法吸い尽くす闇」
ラズラに刺さっていた槍がいつの間にかエノレアの元へと戻っている
「こういう感じですね、先ほど魔王様と戦った時に参考にさせてもらいました。私は魔力のコントロールがまだ下手なので、エンチャントしたものしか吸えませんが」
「そんな簡単に人の魔法をパクらんで欲しいわ」(やっぱりな、槍を投げる。これは型にハマっているラズラには無い発想だ、良い刺激になってくれそうだね)
「どうするラズラ辞める?」
「ご冗談を、こんな状況戦場でいくらでも味わいました。なんて事ないですよ」
「流石だね、じゃあ怪我は後で治すから思う存分やってね」
「ありがとうございます、では先程のように油断はしないわよ、行くよ」
ラズラがエノレアとの距離を詰めた。距離が詰まるや否や、ラズラは高速突きを繰り出した。エノレアはそれを自分のやりでいなすしたり、交わしたりしている
「流石っ軍長さんですね、反撃する暇がないです」
「これは私の得意なことだからな」
「ですがこれはどうでしょう」
エノレアは突きの軌道を下へと向かせた、そのままラズラの槍は地面に突き刺さってしまった
「ぐっ抜けないか、流石だな。昨日までの私ならこれで負けていた」
ラズラは不敵な笑みを浮かべた
「なんでそんなに余裕なんです?」
「それはね、こうよ!」
ラズラは槍を棒高跳びの棒のように使いエノレアの真上へと跳び上がった
「闇魔法付属性闇」
ラズラの右拳が闇に染まる、そしてそのままエノレアを殴りつけた。エノレアは咄嗟に槍でガードしたが、槍は折れてしまいラズラの拳が直撃して地面に体を打った
「これは痛いです、もう立てません降参です」
「勝負あり、勝者軍長ラズラ
しかしラズラ、まさか君があんな戦い方をするとはね」
「ジル様との戦いで槍を取られ何も出来ずにいましたからね、それが悔しかったので昨日の晩色々考えたんですよ、これも思いついた内の1つですね。そして先ほど見たエノレアの魔法をお借りしました」
「流石軍長まで上り詰めた者って感じだね」(いやね君たち糸も簡単に人の魔法をパクらないの)
ジルはそんなことを心で思いながら回復魔法を発動させ2人を回復させた
「負けた上に槍折れちゃいましたよーどうしましょ」
「それぐらいは軍で支給するよ、ところでその槍いくらぐらいだったの?」
「この槍は確かー10年前に貯めたお小遣いで買ったので3000G位ですかね?」
「ラズラ、お前下手したら負けてたな」
「ですね、槍がしっかりしたものでしたら多分折れずに私の拳が砕けていたでしょうね」
「えっ?皆さんの使ってるのもそれぐらいの値段じゃないんですか?」
「私の使ってる槍はもう30年ほど使っているけど、値段は100万G程だったわよ、日々貯めた給料で買ったのよ」
「そんなに高価なものつかってるんですか!?」
「そら武器使いにとって武器は命に直接影響するからね、戦場で折れようもんなら大変だよ、だから基本的に俺たち魔王は武器は魔法で作るんだよ。まぁ莫大な魔力を吸われる上に、緻密な魔力コントロールを求められるから、大体の人はみんな少し高いのを買うんだよ。少なくとも軍で3000Gの槍を使う人間は居ないかな」
「そうだったんですか、でも私そんなお金ありませんよ」
「大丈夫大丈夫、そこら辺は俺がどうにかするから、流石に100万Gは無理だけどそれなりのを支給するよ」
「ジル様私がどうにかしますよ、エノレアの事気に入りました、私が予備として持っている槍を上げるわ」
「えっ良いんですか!?」
「私の副官となる者だもの、それぐらいの事はしてあげるわ。その代わりビシバシ働いて貰うわよ」
「良かったねエノレア、これからはラズラを頼りな。多分面倒見は良いから」
「はい!じゃあ私はここで一緒に練兵しますのでお姉ちゃんとは一旦お別れですね」
「また夜会えるわ、何も心配はしてないわよ。エノレアをよろしく頼みます、この子少し抜けてて、駄々っ子なんでご迷惑をお掛けしますが何卒お願いします」
「大丈夫よ、私が責任もって面倒見るわ」
「なんか、俺お母さんに嘘ついちゃったみたいになってるな」
「それは恐らく大丈夫ですよ、あの時魔王様は私達の実力を知らなかったからの発言でしょうから。と言うより母は恐らくこうなることを分かっているでしょうしね」
「それもそうかな、じゃあエノレアをドルイド軍第一軍副軍長兼、同軍軍長ラズラの副官に任命する」
「ありがとうございます、これで暴れられます」
「あまり暴れられちゃ困っちゃうんだけどね、じゃあ行こうかシャルル、あっそうだラズラ、今日の夜軍長とナギとシャルル、エノレアで少し会議を兼ねた歓迎会をしようと思うからよろしくね」
「分かりました、ではまた後ほど」
「じゃあシャルル行こうか」
戦闘シーン続きですいません
次回が終われば少しは減ると思います
とは言っても数話はジルの練兵シーンを描く予定なのでもう暫し続くと思います




