ジル敗北!?
今回は双子とのガチバトルですよー
「それはですねー、五歳の頃からシャル姉と毎日二人で鍛錬を積んでたからですかね」
「なるほど」(いやいやそれだけでこんなに強くならないでしょ)
「びっくりしましたか魔王様?父は私達を溺愛してたので何かあっては、と鍛錬を積むことを禁止してましたが、こっそり両親の目を盗み二人でやってたのです。母は恐らく気付いてたでしょうけど。禁止されると余計にやりたくなるんですよ。魔王様にも経験はありませんか?」
「その気持ちは分からなくもないな」(いやいやだとしてもどうやったらたった10年でここまで強くなれるのよ、これが生まれ持った才能なのか?)
「さぁて終わりとは言われてませんし行っちゃいますよー」
エノレアは距離を取ったジルの元へ駆けてきた。
「ちょっ流石に丸腰は厳しい
闇魔法妖刀村正」
ジルは慌てて村正を出現させたがそんなのをエノレアが待ってくれるはずもなくジルに突きを放った
シュン空気を切り裂く音が辺りに響く。間一髪の所で突きを躱した
「やってくれるじゃないの、俺も少し全力で行くよ
闇魔法全てを吸い尽くす闇」
「えっ私の槍が、なんて魔法なんですか!」
魔法を唱えると、ジルの左手周辺に闇の空間が出現し、エノレアの槍を吸い取ってしまった
「この魔法はな、俺の体に1度触れた物質を自由自在に吸引できるんだよ。どんなもんだい」
「そんなの、ズルいです!」
「勝ったやつが正義なんだよ、エノレア残念だったね」
「もうーこうなったら奥の手です!シャル姉あれをやろう!」
「たく人使いの荒い妹だこと
水魔法海人の槍」
シャルが魔法を発動させると、非常に澄んだ水で出来た三叉の矛が現れた。そしてそれをエノレアへと投げ渡した
「ありがとシャル姉、さぁて第2ラウンドですよ、おっと忘れてました
闇魔法付属性闇」
三叉の矛を禍々しい闇で覆った
「これは面白い魔法だね、俺の次元飛斬みたいなものか」
エノレアはジルが分析してることなど気にもとめずに、高速突きを放っている、がそれを難なくジルは躱し続けている
「突きだけの攻撃じゃ俺には当たらないよグハッ今たしかに避けたはずなのに」
ジルが脇腹へと視線を落とすと、矛先が曲がりジルへと刺さっていた
ジルは上空へと跳び上がった
「なるほどそういうことか、シャルルが魔法操作で、エノレアの動きに合わせて矛を曲げてるのか双子だからこそ出来る芸当だな、取り敢えず回復しよう
闇回復魔法不死の呪縛」
ジルの患部を闇が覆い先程のように回復するはずだった
「えっちょちょちょ、なんで回復しないのさそれは想定外だね」
するといつの間にかエノレアが跳び上がって来ておりジルに攻撃を加えながら説明した
「それは私の魔法の効果ですねー、エンチャントした闇がジル様の傷を覆い邪魔して回復できないのです」
「それは……ご丁寧にぜつめいありがと」(曲がる武器のせいで避けるのも至難の業だな、村正でガードするにも右脇腹がこんなんだし取り敢えずシャルルを倒しに行くか)
ジルはそう考え、エノレアの攻撃を躱しながらやっとの思いで、蹴りを当てた。エノレアは地面へと叩き落とされた
(よしじゃあシャルルを倒しに行くか)
ジルがシャルルの元へと向かおうとした時背中にとてつもない衝撃を受けジルは地面へと体を打った
「誰だ!」
「魔王様ー私が転移魔法使えるのお忘れですか?蹴られた瞬間私はあなたの真上にテレポートしたんですよ、それで慣性を使って逆に吹っ飛ばしたんですよー、残念ながら姉さんの元へは行かせませんよー」
「やってくれるね、これは絶体絶命だね、魔王としての威厳のためにも降参は出来ないし、はてどうしよう」
「どうです私達二人?強いでしょ」
「それは認めるけど、魔王として勝ちだけは渡す訳には行かないんだよ」(1式にギアを上げるか?いや腹がこんな状態じゃ意味ねぇな、あのエンチャントさえ解除出来ればどうにかなるんだがな、そうだ!忘れてた俺にはあれがある)
「さぁてどうします?魔王様万策尽きてるように私は見えますよ」
「甘いなエノレア、相手が悪かったな
光魔法聖剣エクスカリバー」
ジルの左手に神々しい光で出来た、片手剣が現れる
「属性変えたり武器の形を変えても無駄ですよー」
エノレアはが斬りつけを放つ、がそれはエクスカリバーにより防がれていた
「防戦一方ですか、それじゃ勝てませんよー」
「残念だったなエノレア矛を見てみろ」
「そんなー見ても何もえっ」
エノレアが見た矛は水で出来た矛へと戻っていた
「え?なんでエンチャントどこ行ったの!?」
「まぁそれは後で説明してあげるよ、それはそうと
闇魔法全てを吸い尽くす闇」
三叉の矛の先ほどと同じように闇に飲まれて行った
「エノレアは格闘術にはなれてないみたいだから後回しとして」
シャルルの元へと掛けて行き首元にエクスカリバーを当てた
「どうだ、これで参っただろ」
「そうですねこれが普通の戦いなら私は死んでます普通の戦いならですが」
エノレアがそう言い終わるとジルの周りを球体の水が覆った。ジルは身動きを取れずにいる
「水罠魔法ウォータードーム、この魔法は一定の地点に足を着いたら発動する仕様なんですよ、こうなるとは思って居ませんでしたが、一応の保険です。掛けといて良かったですえ?」
「そんな事は魔力感知でいくらでも分かるのさ、まだなんかあるの?」
ジルは再度首元へと剣を突きつけ言い放った
「これは打つ手なしです、降参です」
「私たちが10年間考え続けた戦闘プランが崩されちゃったねー」
「いや正直何回か負けたかと思った。軍長達とステータス自体は同じぐらいだけど、何より2人の息がぴったりだったから苦戦したよ」
「魔王様そんな事より傷口の手当は良いのですか?エノレア闇魔法解いて」
「いやいや大丈夫よ、ほら見て」
2人がジルの脇腹を見ると、何事も無かったかのように元通り修復している
「えっなんで私のエンチャントまで効かないんですか?」
「仕方ないね、説明しようこれは罠から抜け出せた理由とも繋がるんだけど、エノレアのエンチャント、エクスカリバーとぶつけた時取れたでしょ?」
「はい、とても驚きました」
「あれで闇魔法と光魔法は相殺できるって確信したんだよ、エクスカリバーの方が使用魔力高かったから消えなくて済んだけど、それで俺はあそこに言った瞬間罠がある事に気づいたから咄嗟に体を光魔法で覆ったのよ、そしたら案の定闇魔法は解けて無事回復できたって訳、体を光魔法で覆ったおかげでトラップの効果も受けずに済んで脱出出来たのさ」
「これはとても勉強になります、もう少しだったのに悔しいですね」
「いやいや勉強になったのはこっちだよ、まさか1度魔法で作った矛を魔法操作で変形させるなんて考えても見なかったよ。正直エクスカリバーでエンチャント外すまでは冷や汗ダラダラだった」
「魔王様をここまで追い詰められたのはとっても嬉しいですー」
「そりゃ光栄だね、2人の実力も分かったし、2人のこれからを話すね」
これはまた強キャラ誕生しちゃいましたねー、さぁて2人の処遇はどうなるのでしょうか、お楽しみに!




