高校生漫才
日常/エッセイ。
通勤が満員電車である。滅多に無いが、もう一度会いたい人達がいる。その内の二人が制服の違う高校生コンビなのだ。
同じ中学で違う高校に通う二人、今日の話題は球技祭についてだった。
男子高校生はサッカーに割り振られたのは良いが、自分以外現役のサッカー部員か経験者のようだ。
「周りがガチか即戦力なんだよな……」
彼は続ける。
「まず、どう動いて良いか分からない。とりあえず立ってんじゃん。で、さぼっているって見られるのが嫌だから周りが走り出したら走る。」
「それで」
「ボールが来る」
「それで」
「誰にパスを出して良いか分からない」
すると周りのメンバーが走れーとか、こっちに来い、とか指示を出してくれるという。
「それでそいつらに回せば良くね?」
「最初に言ってほしい」
「は?」
状況は刻々と変わっていくのにである。
「じゃー聞けば?」
「でもーあいつら、やんちゃでイカツイから聞けない」
……そんな球技大会だったようだ。