2話テンプレ
すみません、投稿するの忘れてました……
「ダイチさん程の強さなら、冒険者ギルドで冒険者になるのがいいと思います」
「冒険者?」
歩きながらエルナと今後について話す。
とにかく、生きる為には金が必要だ。
なので何か仕事はないかと彼女に相談したら、冒険者という聞いた事のない職業が出てきた。
「どんな仕事なんだ?」
「魔物を討伐したり迷宮を探索したり、時には護衛や土木工事など多岐に渡ります。それらは全て依頼という形でギルド側が冒険者に発布しているのです」
魔物という単語が気になるが、一先ず置いておく。
それだけ種類があれば、俺たちでも出来そうな仕事の一つや二つあるかもしれない。
「よし、じゃあその冒険者ギルドとやらへ行こう」
「はい、案内します」
エルナに連れられながら街中を歩く。
歩いてる途中、嫉妬の視線と不審者を見る眼差しを同時に浴びせかけられた。
あー、エルナな遠目に見ても美少女だからな。
俺みたいな男と仲良く歩いてるのを見て、男共は羨ましそうに俺を睨む。
逆に女は俺を不審者と思ってるのか、エルナに同情気味な視線を向けてから俺を睨んできた。
うーん、歩きにくいなぁ。
「どうしたんです、ダイチさん?」
「いや、何でもないよ」
「そうですか。もし何かあったら私に遠慮無く言ってくださいね、力になりますから!」
そう言いながら満面の笑みを浮かべるエルナ。
確かに可愛いけど、彼女はまだ子供だ。
俺は子供に対して欲情するような性癖の持ち主じゃない、だから恋人でも不審者でもない。
と、周りの人間に大声を出して伝えたいなあ。
「着きました、あそこです」
「へぇ、結構大きい建物だね」
目の前に立派な館が建っていた。
煉瓦造りで三階建て。
屈強な男達が頻繁に出入りしている。
冒険者にはああいうのが多いのか。
「エルナ、俺らが入って大丈夫なのか?」
「一応……大丈夫だと、思います、多分……」
建物の雰囲気を感じ取ったのか、段々と声のトーンを落としていくエルナ。
まあ、子供が出入りするような所じゃない。
「外で待っててもいいぞ?」
「い、いえ、お供させてください!」
怯えていると思っていたが、若干興奮してるようだ。
好奇心旺盛なのは良い事だな。
まあ、何かあっても俺が守れば問題ない。
「行こう」
ギイッと軋む音を立てる扉を開ける。
入ると、先に室内にいた冒険者と思われる人間が、一斉に俺の方へ視線を向けてきた。
その圧力は凄まじく、エルナは肩を震わせいる。
「あ……」
「大丈夫、俺がいるから」
エルナの肩に手を置いて落ち着かせる。
全く、子供を脅かすのは感心しないな。
さっさと登録して出て行こう。
「受付は……あそこかな?」
「は、はい、そうだと思います」
入口から入って右側の方に、ズラッと受付の窓口と職員さんが並んでいた。
出来るだけ親切そうな人に聞こう。
「あのー、すみません」
「はい、本日はどのようなご用件で?」
受付のお姉さんはゆったりとした口調で言う。
よかった、良い人そうだ。
その時である。
「登録したいんですけど」
「はい、ではこちらへーー」
「ぎゃははははっ! 登録だって? やめとけやめとけ!」
突如、男の笑い声が響き渡る。
振り向くと、背中に大剣を背負った筋骨隆々の男が酒を飲みながら笑っていた。
「お前みたいなもやし野郎に務まる程、冒険者稼業は甘くねえんだよ! 冒険者の面汚しになるだけだ、さっさと出て行きやがれ!」
男の言葉に俺は心底呆れた。
本当、こういう奴は何処にでもいるな。
例え世界が変わっても、人間の本質は変わらないのか。
「な、何ですかあの人!」
「エルナ、関わっちゃいけない」
「でも、あんな酷い事をダイチさんに……!」
エルナはキッと男を睨む。
それを見た男は鼻で笑い。
「おいおい、こんなガキまで冒険者になるつもりか?」
「何か問題でもあるのか?」
「あるに決まってんだろ、と言いたいところだが、そうだな……特別に俺が指導してやるよ、勿論ベッドの上でなあ、ギャハハハッ!」
男はニヤニヤと下卑た笑みを浮かべ、エルナを見る。
ジロリと舐め回すような視線にエルナは怯え、俺の背後へ隠れてしまった。
はぁ、冒険者ってのは教育を受けてないのか?
知性の欠片も感じられない。
「い、嫌です!」
「ああ?」
「ひっ!」
ズイッと男が立ち上がる。
それと同時に周りの冒険者が騒ぎ始めた。
「バニッシュ! 程々にしとけよー!」
「お前、連れ込んだ女をすぐダメにするじゃねえか」
「なあ、一発ヤッたら俺に貸してくれ!」
下品な奴らだ。
だいたい、エルナはまだこんなに幼いんだぞ。
こいつら揃いも揃ってロリコンなのか。
それとも、女なら誰でもいいって考えか?
「おら、さっさとこっち来いよ」
「いい加減にしろ!」
ズバッと言いたい事を言ってやる。
「いい年した大人が寄ってたかって、お前ら恥もプライドも捨ててるのか?」
「てめえ……!」
「正直、ここまで低レベルで幼稚な奴らの巣窟なら、俺たちの方から冒険者なんてお断りだ。まさか、こんな学のないロリコン共の集まりとは思わなかった」
「……おい、死ぬ覚悟はあんのか?」
男ーーバニッシュと呼ばれていたか。
バニッシュは背中の大剣を引き抜き、俺へ突き出す。
それを見たギルド職員が小さな悲鳴をあげた。
「ギ、ギルド内での乱闘は罰則ですよ!」
「黙れ、斬られてえのか?」
「ひっ……!」
ブンブンと大剣を振り回すバニッシュ。
ギルド職員も対応に困っている。
仕方ない、俺が何とかするか。
「まてよ、お前の標的は俺だろう?」
「そうだそうだ……黙って死ね!」
言って、バニッシュは何のためらいもなく剣を振り下ろす。
だが俺はそれを難なく避け、大剣を拳で弾き飛ばしてからバニッシュの腹に蹴りを叩き込んだ。
「うげええええええっ⁉︎」
奇怪な叫びをあげながら飛んでいくバニッシュ。
そして俺たちを笑っていた集団の机へ落下し、そいつらを下敷きにして気絶した。
この間、十秒にも満たない。
「「「……え?」」」
呆然とする冒険者と職員達。
唯一エルナだけが目を輝かせ俺を見ていた。
「凄い、流石ダイチさんです!」
「エルナ、ああいう輩と関わっちゃ駄目だよ?」
「はい、以後気をつけます」
さてと、本来の目的である冒険者の登録をしないと。
俺は未だ固まっているお姉さんへ話しかけた。
「すみません、登録の最中に騒いでしまって」
「……はっ! い、いえ! 全く問題ありません!」
登録手続きに取り掛かる。
他の冒険者達は、ただ黙って俺を見ていた。




