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15話最悪の再開

 

「リーリィ王女は何処にいる?」

「お、俺は知らないぞ!」


 王城、二階。

 俺はサリーに見張りを任せ、とある兵士を尋問していた。


「そうか、なら質問を変えよう。リーリィ王女の居場所を知ってそうな奴は何処にいる?」

「そ、それは」

「早めに話したほうが、身の為だぜ?」


 左手で壁を殴る。

 破壊音が響いたのち、壁にぽっかりと穴が開いた。

 それを見た兵士は顔を青ざめさせてゆく。


「た、多分、大臣や貴族の連中が……」

「大臣に貴族……か」

「も、もういいだろ⁉︎」


 兵士が早く解放してくれと喚く。


「そうだな、少しだけ眠っててくれ」

「え?」

魔法起動(ゲームスタート)一時中断(スリープ)


 ガクンと兵士が倒れる。

 さっき思いついた魔法、スリープ。

 人を眠らせる魔法だ。

 一々手刀をしていては面倒だからな。


「お兄ちゃん、終わった?」

「ああ。貴族や大臣が知ってるらしい」

「そう……なら、そいつらを」


 見つけるまで。

 サリーに貴族や大臣が居そうな所を教えてもらい、二人して早足に城内を駆け回る。


 途中、数人の兵士と遭遇したが魔法で眠らせた。

 今、俺たちが城に侵入してるとバレるのは面倒だ。


「なあ、サリー」


 貴族達を探す最中、俺は何となく彼女に聞きたくなった。


「リーリィ王女って、どんな人なんだ?」

「お姉ちゃん、ですか?」

「ああ」


 するとサリーは、一瞬だけ目を閉じてから語った。


「お姉ちゃんは、私の憧れです。王女として文句のない作法と気品でーー私が何かいけない事をしてしまった時、お姉ちゃんはお父様よりも早く叱ります、でもその後優しくしてくれて……」


 言葉の一つ一つから分かる。

 サリーが、どれだけ姉を大切に想っているのか。

 そうか、そうだよな。

 大事な家族が捕まっているんだ。

 そりゃ、焦りもする。


「家族、か」


 俺はもう、二度と会えないのかもしれない。

 両親はいなくなった俺を探すのかな?

 だとしたら、申し訳ない。


「お兄ちゃん?」

「あ、ああ、ごめん、何でもない」

「そう、ならいいけど……あ、もうすぐだよ!」


 目の前に、やたら豪華な扉があった。

 サリー曰く、貴族達の会議室の一つらしい。

 今もいるか分からないが、逃げ遅れた奴が一人二人いるかもしれない。


「ふっ!」

「な、誰だ!」


 俺は扉を蹴破る勢いで入る。

 そこには一人だけ、まだ若い青年貴族がいた。

 青年は俺を見て驚くが、その後に入ってきたサリーを見て途端に顔を青ざめさせる。


「ま、まさか本当に賊が……!」

「王族である私を賊扱い、ですか……」

「く……っ、警備兵っ、早く来い!」

「無駄だ、ここらにいた兵士は全員眠らせた」

「ち、役立たず共が!」


 青年は毒を吐きながら、壁に立てかけてあった槍を手に取り無謀にも襲いかかってくる。

 俺はそれを冷静に見切り、槍を掴んでへし折った。


「ば、化物が!」

「おい、お前」

「ぐっ⁉︎」


 青年の首を乱暴に掴み、壁へ叩きつける。


「リーリィ王女は何処にいる?」

「っ、し、知らん!」

「おいおい、嘘を吐くならもう少し上手くやれよ?」

「ぎゃああああ!」


 今のは明らかに何か知ってる様子の反応だった。

 俺は空いていた左手で、青年の左中指を折る。

 拷問はした事ないが仕方ない。


「あ、ああっ、指が、指が!」

「……早く、答えてなさい」


 サリーは冷たい表情で杖を向ける。

 そして何事か呟くと、杖の先が光り始めた。

 答えないと、魔法で撃ち抜くーー言葉にせずとも、その意思はしっかりと青年に伝わったようだ。


「わ、分かった、話す! 話すから殺さないでくれ!」

「さっさと言え」

「り、リーリィ王女は地下の幽閉室だ! 行き方はこの部屋の隠し部屋……か、壁に隠されてる!」

「そうか、ありがとよ」

「がばっ⁉︎」


 思い切り腹を殴り気絶させる。

 そのまま窓を開け、ゴミを捨てるように投げ捨てた。


「お兄ちゃん、本当にあったよ!」

「凄いな、もう見つけたのか」


 ゴゴゴと壁の一部が鈍く動く。

 完全に隠し扉が開くと、真っ暗な闇が広がっていた。

 まるで、冥界への入り口。


「早く行こう。私、嫌な予感がするの……」

「奇遇だな、俺もだ」


 扉の奥は階段になっていてた。

 それを駆け足で降る。

 階段は螺旋状になっていて、ぐるぐると回りながら道を進めて行く。


 下へ進むにつれ、湿気が多くなる。

 灯は一つも無いが、サリーが魔法で光源を作ってくれているおかげで迷わず進めた。


 階段を降って数分。

 遂に、一つの扉へ辿り着いた。

 恐らく、この先が幽閉室。

 サリーの姉、リーリィ王女がいると思われる。


「いくぞ、サリー」

「うん」


 ガラリと鉄の扉を開ける。


 ーー瞬間、心臓が凍りついた。


「……なんだ、これは」

「え……」


 部屋自体は大きく無い。

 だから、一目で分かる、分かってしまう。


 中央に置かれた台座。

 そこに仰向けで寝かされる、一人の女性。

 それに群がる、何人もの男達。


「だ、誰だ貴様達!」

「なんの許可でここへ来た!」

「お、おい、あの後ろの女、まさか……」


 男達が何か言っているが、聴こえない。

 サリーに至っては体そのものが凍りついていた。


「お前ら……」


 自分の心が、酷く冷たくなっていくのが分かる。

 心は冷たいのに、体は熱い。

 その熱で人を焼き殺せそうだ。


「あ、ああっ、あああああああっ⁉︎」


 サリーがその場で吐いた。

 蹲り、げほげほと息を詰まらせる。

 全身が震え、信じられないモノを見たかのようなーー否、事実まだ幼い彼女には、刺激が強すぎた。


 俺は、怒りで震える拳を抑えながら前へ進む。

 突然の乱入者に、男達は動揺していた。

 そんなの御構い無しに、近くにいた男を殴り飛ばし、絶叫するかのように言った。


「お前ら、何やってんだああああああああっ!」

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