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4月1日

作者: 井鷹 冬樹

 久しぶりの短編です。今回は、SFじゃない!! というわけでこの物語はフィクションでございます!!

 4月1日は何の日か?

 

 そう。4月1日は、嘘をついても許されるというエイプリルフールというイベントがある日。果たして誰がそんなイベントを設けたのか知らない人は多く、誰もが喜べるイベントではない。




 4月1日今日もお仕事。



 大男は目の前の報告書と始末書と決済書、書くとキリがないようなくらいの書類を机に座りながら、書きまくっていた。

「なんで4月になるとこんなに書く量が多くなるんだ!?」

 大男の仕事は、裁判を行う際、被告人席から見て、正面に座っている。

 一緒に書類事務を行っている事務官に訊いた。

「なんでこんなに多いんだろうかね? 4月は?」

「なんででしょうかね~? ニューシーズンとかだからですかね?」

「ニュー?」

「違いますよ。漢字の『入』です。ほら、何かと4月って『入』の後につくシーズンがあるじゃないですか~入学シーズンとか、入園、入隊、入信、入監シーズンとか~」

 大男は、事務官の言葉を突っ込んだ。

「入監は余計かな。にしても多いんだよな。書類」

「まぁ、4月ですからね」

「4月かぁ……」

 そんなやりとりをしていると、1人の男性が職場に入ってくる。

「失礼します。4月期の被告罪状の件数表です」

 男性が大男に1つの巻物型書類を手渡した。

「ご苦労様。え~こんなに!? 多くないかい?」

 巻物を開けると絨毯のように無数に広がり、その中に1つだけ、赤く長い線が引かれていた。

「長くないか? これ」

「何か、世間では4月1日がすごいお祝いみたいですね。嘘をついていいとかで……エイプリルフールっていう奴ですかね。ねぇ、閻魔様?」

 事務官の言葉を聞いてでかい体型の閻魔は、やれやれとため息をついて、背伸びをした。

「それで今月多いのか。入獄が……」

「入獄シーズンというやつですね。裁判もほとんどがその日にひどい嘘をついてトラブルを起こし、死んだ者が半数以上入国してますからね」

 事務官は、軽めの笑みをこぼしている。

 そう。地獄では嘘をついても許してくれる事はないと考えられるので気をつけておくべきだろう。今後、楽しい死後生活を送るならばの話だが……


 閻魔はこの状に霹靂して、叫びが地獄中に響き渡った。


「この日だけ誰か代わってくれー! この仕事!」




                     END

ハイ。いかがでしたでしょうか。もし仮にこんな感じだったら、あっちの世界はこの時間、この期間が忙しいということはあるんでしょうかね?



最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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