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【一発ネタ】 危険な男シリーズ

【一発ネタ】危険な男 2

作者: まい

 変な趣味を持つ男が、変なモノ・瞬間を目撃する話。

 とある中途半端な田舎によくある、年々田畑が減り続ける中で住宅もアパートも商店も飲食店も、スーパーもチェーン店もホームセンターもカーディーラーも町工場も混在する町。


 そんな町のとある住宅に、変な趣味をいくつも持つ男がいた。



 その男の職種は不規則な就業時間であり、平日が休日になる日もちょくちょくだ。


 そんな男の変な趣味の1つなのだが、冬の平日に住んでいる家の縁側(えんがわ)に座り、外をのんびり眺める事だ。


 この趣味が発揮されるのは冬の日中で、しかも風が強い日に限られる。




〜〜〜〜〜〜




 男は縁側に座っていた。



 そして暴風とも言える強風が吹き荒すさぶ屋外で、のんびりと文字通りの風景を楽しんでいた。


 その顔には期待の色が強くでていて、風によって発生する出来事を心待ちにしているのが、ありありと読み取れる。




 ついさっき13時(ごごいちじ)を過ぎたところ。


 会社ならボチボチ昼休みが終わって、午後の仕事が始まる頃。


 男の住む家のそばにある所も例に漏れず、ひどい風の音以外は聞こえない昼の静けさが嘘だったように騒がしくなってきた。




 それと同時に。


 ガコンガコンと、普段は聞かない音も鳴りだした。


 これは風が強い日特有の音だ。


 男の家の近所で、縁側に座って見渡せる範囲の中に町工場がある。


 そこと取引のある会社がコレに入れて運んでくれと用意する通函(かよいばこ)が、風で飛んでしまうのだ。


「あ゛ー!! またかよー!!」


 風が強いとこういう事もよくある。



 が、今日はそんなモノでは済まなかった。


「…………は?」


 主に屋内で使う省スペース型フォークリフトに乗った男が、吹き続ける強い風で飛んでしまった通函を拾いにフォーク(リフト)から降りて、通函を集めていた時に素っ頓狂(すっとんきょう)な声を出した。


「は?」


 ついでに縁側に座っていた男も一緒に素っ頓狂な声を出した。


 通函を拾いに降りたフォークが強い風に(あお)られて、男の方に倒れてきたのだ。



 省スペース型のフォークリフトは、人が立ち乗りするタイプで車体の面積が小さく、しかし車高は高いので通常の物よりはバランスが悪い。


 それで本来屋内用なのに、いつもは大丈夫だからと油断しきった心で、強い風が吹き荒れる屋外でも使ってしまった。



「ヤバっ……!!」


 両者とも風に煽られたわけであり、通函が飛ぶのとフォークが倒れるのは同じ方向なのは自明の理。


 このままでは倒れてくるフォークに押しつぶされてしまう、又は押しつぶされずとも大きな怪我を負ってしまうかも知れない。


 などと縁側に座った男が固唾(かたず)を飲んだ瞬間――――



 ――――その時、不思議なことが起こった。


 強さは維持されたまま、急に風の向きが変わる。


 正反対の方向に。



 ……ずん。


「…………………あ」


「……あ」


 フォークに乗っていた男は気付くのに時間をかけつつ。 縁側の男は変化に驚いて。


 フォークの傾きが0になり、男の方へ倒れるのが回避された。


「……ああぁっ!?」


「あ〜……」


 が、フォークの男はその後にやって来た悲劇を想像して悲鳴を上げ、縁側の男は惨状を想像して感嘆を漏らす。



 どおおおん!!


 フォークは逆方向に倒れた。


 これは明らかに事故であり、問題が起きた証明でもある。



大事(おおごと)になるな、こりゃ」


 縁側の男は面倒事を感じ、今日は家に引っ込むことを決めた。

 今回は見てる先の男が危険な目に()う話。


 工場勤務でフォークに乗られる方。


 フォークは屋外用だろうがなんだろうが、操作や安全確認でミスがあると途端に凶器へ変わる危険物です。


 常に安全に気を配り、毎日ゼロ災で行きましょう。 ヨシッ!

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― 新着の感想 ―
あー、そうなんですよね。 フォークリフトって本来は資格があって、無いと乗っちゃいけないとは言えないけど基本凶器ですからね。 立ち乗りだと電動フォークかな? それでも500キロ以上はありますからね、軽自…
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