4話 なにこれ?
2023/10/08
初投稿、初連載開始しました
拙い話で読みにくいかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします
※2話ずつアップの予定は明日までとなります※
「さて…」
初戦闘の開始だ
ウリボウさん(決定)は未だ右前足を擦り蹴り上げながら、威嚇行動をしている
油断をしている訳では無いが、ウリボウさん(決定)のこの行動からしてこちらの勝利は確定だろう
少なくともウリボウさん(決定)が焦っている事は間違いない…と思う
実際に、もし『魔法〈Magic〉』などの攻撃があるのであれば現時点で使っているはず…はずだよね?
もし残存MPとかに支障があったとしても、ここで使ってきていない時点で一度の攻撃しか使えないモノ
つまり確実に油断してはいけないのは、その一度有るか無いかの攻撃のみって事になる
基本はあの突進しか無いのであれば、それについてはもう躱せることは先程実証済みだ
ならば後はタイミングを測って横に回り込み、サッカーボールキックで蹴り上げる
これが最善だろう
実際に武器はないのであるが、あの30~40cm弱の体長に地上高20cm未満って感じのウリボウさん(決定)にはそれが一番有効だと思う
スクワラビットさんもこうして抱えている訳だし、問題は…んん?
「どうした?スクワr…」
「ききゅーっ!」
『スクワラビットさん?』と言い切ろうとしたところで突然の雄叫び
その瞬間に周囲木々やら草からのざわついた感覚が迸る
それから瞬く間に、森の中からいくつもの『蔓』がとんでもない勢いで飛び出してきた
その蔓が一目散に向かう先は、ウリボウ(決定)さん
いくつもの蔓が縛り…では最早ないな?
絡みあげて地面から身体を離す程度の高さに吊し上げていった
「えーっと…なにこれ?」
「きゅ?」
あー…多分これ『なにが?』的なリアクションだよなぁ?
当然のごとく小首傾げてつぶらな瞳で見つめてきてますよ、奥さん?
ふ〜む…とりあえず蔓の原因究明の前に、ここは先にトドメを刺しておくべきか?
「なぁ?トドメ刺しちゃったほうが良いか?」
「き?きゅ!きゅ!」
滅茶滅茶ヘドバンして下さったわ、スクワラビットさん
「という事で…」
「ぴ…ぴぎ…ぴぃ…」
ウリボウさん(決定)に向き直ると、とても苦い顔をして抜け出そうと藻掻いていらっしゃった
正直、オーバーキル味はとても感じるのだが…
ここは異世界、死と隣合わせの環境なのは間違い無いだろう
だからといって『仕方ない』なんて軽率な言葉で誤魔化したくも無いのだが…
「すまんな…」
最低限一言挨拶は残した、いや残したかった
単なる自己満足であるのは分かっているが…
そしてそれを機に、思いっきり足を振り切って喉元から天高くウリボウさん(決定)を絡まった蔓ごと蹴り上げた
「ぽぁ゛ッ゛!」
肺に詰まった空気が全部押し出されたような悲鳴がこだまする
そしてそんなの無関係と言わんばかりに、絡まった蔓も一緒に伸び上がっていった
正直、一撃入れただけでも良い気分ではない
良い気分ではないが…
もう一度覚悟を決め、落下してくるウリボウさん(決定)の眉間に今度は踵を振り下ろした
「ハッ!」
この踵落としによってウリボウさん(決定)は地面と踵でサンドイッチされる事になった
「ぽ゛!ぅ゛…ッ!」
言語化するのがとても難関な悲鳴が響き渡る
だが、これでトドメが刺せたのかはこちらは全く分からない状態である
いまだ微かに動いてる?
これ瀕死なのは間違いないよな?
あ、蔓が森に戻っていった…
もしまだ倒せてなかったら…
どうする?
もう一撃入れるべきか?
分からない、分からないから短時間の間に自問自答が増えていく
「………!…………ッ…!」
この辺りに急に静寂が訪れた気がする
「う、動かなくなった、よな?」
「き…きぅ…」
ドクン!ドクン!いまだ心臓が跳ね上がる
これで終わりなのか…?
近づいても平気なのだろうか…?
「あーもう!これがゲームなら経験値いくつ取得しただの、アイテムが落ちただの、レベルアップしただのって教えてくれるのになぁ?」
「きぅ?」
ウジウジと自問自答しているうちにモヤモヤしてきてしまい、つい途方に暮れてこのような事を叫んでしまった
流石のインデックスさんもそこまでご都合主義ではないだろう
そう、思っていた時期が私にもありました
ピコッ!
えぇ、急にインデックスさんが立ち上がりタグを表示してきました
そして書かれていたのはこのような文面
|戦闘終了後、以下の事象をメッセージとして表示する事が出来ます
|・経験値の取得量、レベルアップ勧告の表示 Y/N
|・共闘者の経験値の取得量、レベルアップ勧告の表示 Y/N
|・取得アイテムの表示 Y/N
YU・U・NO・U!
インデックスさんマジ有能!
とりあえず全て『Y』を選択してみる
ピピ!
|あなたは風水士としての経験値を12得ました
|あなたは風水士としてレベルが2になりました
|共闘者はスクワラビットとして経験値を8得ました
|共闘者はスクワラビットとしてレベルが7になりました
|スキルポイント(SKP)が溜まっているので使用が可能です
ん?なんか微妙にツッコミどころがある感じだな?
最後までお読みいただきありがとうございました
明日の朝6時投稿予定の次話もお読みいただけると幸いです