11話 そこ逆手に取って使っちゃうんだ?
2023/10/08
初投稿、初連載開始しました
拙い話で読みにくいかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします
※本日から当分の間《日曜日・火曜日・金曜日》の朝6時に掲載していく予定です※
そんな訳で村に向かって歩き始めたのだが、すぐにそれらしき景色が目に入ってきた
道なりに建てられている3mくらいの高さの大きな木の門
そしてその周りに広がっていく、石と石の間に粘土を入れて積み重ねた壁が村を囲むように広がっているのが見えた
もしかしたら石と石の間の土は『粘土』ではなく『三和土』かもしれないけれどね?
ちなみに『三和土』は『たたき』と読むのだが、簡単に言うと和製コンクリートである
普通のコンクリートと違い、黒っぽい色、そして茶色っぽいものがあるのでその可能性もあると思ったのだ
まぁ『粘土』でも『三和土』でも、時代を感じさせる材料でもあるので、ファンタジー感は損なってないし注視する点でもないだろう
そんな事を耽っている間に、早々と門の近くに辿り着いた
門には一人、門番と言うには些か頼りないような人が槍を持って立っていた
村なので多分、兵士ではなく自警団の人ってところなんだろうけどね?
そう言えば俺、身分証明できるもの無いけど大丈夫なんだろうか?
丁度そう思ったところで、リザードマンさんが自警団の人(予想)に声を掛けた
「よう、オツカレさん」
「おや?今日は戻らない筈だったのでは?」
「その予定だったんだがな?この横に居るツレに会っちまったから戻ってきたんだ」
「そうなのですか…で、その方は?」
「あ〜…『王子様』が興味を持ってるヤツってところなんだが、やっぱまずいか?」
「……ッ!」
リザードマンさん、そこ逆手に取って使っちゃうんだ?
自警団の人(予想)、言葉に詰まって青ざめちゃったけど大丈夫かなぁ?
「そ…そそそ、そうですか!それでしたら問題ありませんのでお入り下さい!」
あ、これ『王子様』の『お忍びの客人』的な勘違いされたな?
リザードマンさんのこれまでの話からして、厳密にはまんざら勘違いにもならなそうだけどさ?
まだ会った事は無いから、なんともは言えない話なのが問題点なだけでね?
とりあえずここは、愛想よく挨拶しておくのが吉だろうな?
「ありがとうございます。ご迷惑はお掛けしませんのでよろしくお願い致します」
「い、いえ!こちらこそよろしくお願いします!」
「あはは、そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ?」
「し、しかし…」
これ、丁重に扱わなくて良いのかって感じだよなぁ?
異世界モノでは確かにこういう場面で『転生or転移者』は丁重に扱われたりするけれど、この場合どうなんだろうな?
『王子様』は『Geomancer』に関心があるみたいだし、そもそも現時点では『転移者』とは知らないはずだ
とは言え俺は『元来』の『変わりもん』の『Geomancer』みたいだしね?
その点が大きなファクターとなれば、ある種の『勇者』的扱いになるのかな?
なんて事に悩んでいると、リザードマンさんからフォローが入った
「大丈夫だよ。ロウには俺から話しておくし、村のみんなには普通の旅人とでも言っておいてくれ」
「それは…!…いえ、確かにそうですね?みなに要らぬ関心を持たせるのもトラブルに繋がりそうですし…えぇ、分かりました」
「おう、よろしく頼むな?」
「はい!」
『ロウ』さんというのは間違いなくこの村で立場のある人なのだろう、村長さんないし在中のお貴族様かな?
その人にはこちらから伝えるから、余計な詮索は無しって事だね
確かに地位のある人が居るのであれば、なにかある時にはその人からみんなに通達すれば良いって話だものね?
うん、ここは無難に挨拶してリザードマンさんに着いていくべきだろう
「じゃ、よろしくな」
「それでは失礼しますね?」
「えぇ、サンツデボ村へようこそ!」
そう言えばそんな名前だったな、この村
しかしなんとも気持ちの良い挨拶だ、とも思った
それから多少門から離れたところで、隣りにいたリザードマンさんが声を掛けてきた
「まぁそんな感じでな?これから村長のところに挨拶に行くから、さっきみたいに合わせてくれな?」
「そういうのは門に付く前の時点で話しておいていただけたら良かったんですけどね?」
「ハハハ、ちげぇねぇ!あぁ、お前らも大人しくしててくれてあんがとな?」
「きぅ!」
「くふ…」
いやいや、笑って納得されてもなぁ?
そりゃこの子達が空気読んでくれたのは、当然褒めるべきところなのは間違いないけどさ?
問題なく通過できたからそれで良い、みたいな感じなのはどうなのよ?
それに次は地位のある人みたいだし、話を合わせるためにも先に聞いておくべき事があるよね?
「ふぅ、それは済んだのでもういいんですけど…」
「ん?」
「あなたはこの村でどんな地位の人なんですか?それは聞いておかないと困りそうです」
「あ〜…俺の話かぁ、俺ぁここに居を構えてる鍛冶師だぞ?」
「え!?鍛冶師!?」
正直、今までで一番『真逆』の回答である
だってそうでしょう?
『霊核』の話から始まり『転移術』を見せられた後での『鍛冶師』ですよ?
噛み合うものが全く無いと言うか、今までの話はどこ捨ててきちゃったんだろうか?
「あ?おかしくねぇだろ?それなりに名が知れててお偉いさんとも繋がりがあるんだぞ?」
「あー、そういう…確かにその点は納得できますけど…」
「じゃあなにが納得できねぇってんだ?」
「『転移術』?」
「あぁ、そこか…そこは後にしてくれねぇか?」
「後ですか…」
確かに泊まる場所の確保はしたいし、ここは我慢するしか無いかぁ…
最後までお読みいただきありがとうございました
金曜日の朝6時投稿予定の次話もお読みいただけると幸いです




