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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
3章 勇者の宛名
99/116

98話 グレシャ・ラーズ・ノマス

ガバ!

「殺される!!」

少年は飛び起きる

………

周りを見渡す

目の前には銃口

「それ以上動くなよクソガキ」

銃を手にするくせっ毛

「何す……」

「喋りも厳禁だ、俺が質問するから答え以外は敵対行動とみなす」

少年の言葉を遮るエリック

「わかったか?」

…………

少年は頷く

「よし」

「その年で頷ける度量は認めてやるよ」

「じゃ質問一つ目」

「なぜ海人が居住海から離れたここにいる?しかも陸地まで上がる理由はなんだ」

少年はエリックの目を見る

「……その前に礼をさせてくれないか」

カチ

引き金を引く

「礼?」

「正直船を見つけてからの記憶がない……だが今こうして生きているということは何者かに介抱されたと推測する」

「おいら達は受けた恩には礼をし返すのが習わしだ…だから…まずは口頭ではあるが礼を言いたい」

少年の目は真っ直ぐエリックを見る

「そうか、良い心がけだがそれは後にしてくれ」

「今船の外には仲間達が海人といつ戦闘になるかわかんねぇんだ」

「わかるなそれは?」

ダダダダダ

!!!

船外から何かが床に叩きつけられたような音が鳴る

「グレシャ……」

パァン!

少年がベッドから身を乗り出すと同時にトリガーを引く

タラー

少年の頬にかすり傷

「あぁ…………あ」

「言ったはずだ、命は取らないと約束できるが四肢は保証できない」

身動きが取れなくなる少年

「ディクス、外の様子を見てきてくれ」

「何かあったらこのガキを連れて魔導小船まどうしょうせんで陸地まで逃げる」

「仲間を見捨てるのかエリック」

「海人は規約により俺たちを殺せない…ならここで無理に戦うより時間を稼いで機をうかがう」

…………

「了解だ」

ガチャ

ディクスは部屋を出る


…………………………

部屋には二人

「じゃあガキ、最初の質問に答えてくれ」

「別に皆殺しにはしねぇから安心して喋れよ…お前達に構ってるほど暇じゃねぇのこっちは」

少年はうつむく

「おいら達は……」

「おいら達は陸人に助けてもらうために来たんだ!」

…………

「正気か?お前は」

エリックは疑いの目を向ける

「理由がわからないな、そんなの海帝兵にでも頼めよ」

「わざわざ危険を冒してまで陸人と接触する根拠がわからん」

ぎゅ

握りしめる拳

「無理なんだ…おいら達が弱いせいで…」

「みんな殺されちゃうんだよ!」

「おいら達って……別にお前がどうこうしなくても海帝王が何とか済んだろ」

「だから!その海帝王が死んだからこうして陸まで来て助けを求めてるんだ!」

「…………」

ガチャ!

エリックは開けられてドアを見る

「どうしたディクス」

慌てている様子のディクス

「はぁ……材料をとり来ただけだ」

「材料?」

ガサガサ

棚から備品を取り出す

「あぁ、そのガキと一緒の症状が出てる海人が甲板でぶっ倒れてる」

「グレシャが倒れたのか!」

少年は叫ぶ

「大丈夫なのか!死んでしまうのか!?」

「安心しろよガキ」

「船長が治せって言ったからには」

「俺が必ず治す、じゃねぇと船長の命令違反になっちまうからな」

ディクスは部屋を後にする

「うぅ……ひぐ」

泣き出す少年

「おいらがもっとしっかりしてれば」

「ごめん…みんな」

それを見るエリック

「なぁガキ」

「さっきの話詳しく聞かせてくれ」

「みんなが集まったらな」

「うん………」

泣きながら頷く少年



ガチャ

「とりあえずあの大男はベッドで寝かせてる」

「症状だけ見れば最初のガキより悪い……ただもう2、3日で起きるだろうよ」

ディクスは談話室に入り経過を報告する

「さぁて…まず坊やの名前を聞かせてくれるかい?」

「できれば身分も教えて欲しいんだが」

円卓のテーブルに座る船団とエリック達、そして海人の少年

少年は頷く

「おいらの名前はウィズラール・デクリシュ・ログナーン」

「海帝王ギィルディス・デクリシュ・ログナーン8世の……」

「後継者になる者です」

え…………

ガタガタガタ!!

「ヒィ!」

ウィズラールの目の前にクローと刀が迫る

「な……何だ!いきなり!」

クローを構えるニネット

「嘘をつくとはいい度胸にゃねぇ」

刀を構えるヒヨル

「王の後継者なんて嘘で騙せると思ってるとは舐められてますね」

「エリックさん…こいつやっても?」

バシバシ

「いて!」「にゃ!」

エリックとジェルダンのチョップが当たる

「落ち着けバカども」

「まずはそのお子様の話を聞いてからだよ」

席に着く

「で……海人の王子がどうしてここにいるんだい?」

ウィズラールは口を開く

「おいら達が住む海帝国家「ラティス」は数ヶ月前に滅ぼされた」

「滅ぼされた……」

「さっきお前は海底王は殺されたって言ってたけど」

「どうやって滅ぼされたんだラティスは」

………

「わからない」

「わからない?」

「おいらは……ただ起きたら外が騒がしくて…」

「いつもの通路にはみんなが……死んでて……知らない人がおいらを…見つけて襲ってきて」

「おいら…はただ突っ立ってて…そこでグレシャがきて」

「逃げる途中で王城が崩れるのを見ながら……おいらは……おいらは何も……うぅ」

「もういい……すまない配慮が足りなかったよ」

「いや……いいんだ…おいらには話すことしかできないから」

ガン!

ウィズラールはテーブルに頭をつける

「おねがいします…おいら達をお助けてください」

「見返りなら海帝国家にある財宝を全て差し上げます!」

「あなた達に懇願するのは間違ってることはわかってる…だけど!」

「魔海域に進むあなた達なら………どうかおいら達の故郷を助けてください」

………………

ガチャ!

「王子ぃ!」

扉が開くと傷だらけの戦士が談話室へと飛び込む

「グレシャ!」

ダダダ

バッ

戦士はウィズラールの元で膝をおる

「よくぞご無事で……この不甲斐なき男に何なりと罰をお与えください」

「何をいう…お前がいなければここまで来れなかったんだ」

「顔を上げてくれ…今は生きていることに感謝しよう」

「王子……」

二人は泣きながら抱き合う

「すみません……すみません」

「私がついていながら寂しい思いをさせてしまい」

「何をいうんだ、お前がいるから寂しくないと言っているだろ」

二人を見るリリア

エリックはディクスに近づく

「おい…あの大男は2、3日で目覚めるんじゃなかったのか?」

「あぁ…そのはずだが」

二人を見るエリック

「ウィズラール」

「……なんだ」

「お前は寝室で寝とけ…あとはその傷だらけの泣き虫に聞くから」

「王子……私にお任せください」

「いいのかグレシャ」

頷くグレシャ


ドン

「あんた……大きいな」

グレシャの隣に座るアンスは見上げる

「そうか?私は海人の中では平均の身長だと思うのだが」

「はははーそうかい」

棒読み

グレシャは2mを超える

「じゃ早速話してくれよ傷だらけの大男」

「協力はできないが」

「話次第じゃ協力するやつを見つける協力ならできるかもしれない」

「あぁ感謝する」

頭を下げるグレシャ

「話す前にあなた方に最大の敬意を」

ガタ

席を立つ

グッ

拳を握り頭を垂れる

「この度は我々をお救い頂き感謝申し上げる」

「窮地より頂いたこの恩、ラティス海帝兵団 兵長グレシャ・ラーズ・ノマスの名において必ずお返しさせていただきます」

「別にあたしらは何もしてないよ」

「いうならウチの船医ディクスにいいな」

ギロ

目線はディクスへ向けられる

「ありがとう、ディクス殿」

「本当はまだ寝てて欲しいんだがな」

「すまないどうも落ち着かなくてな」

席に座るグレシャ

「では話を聞いていただきましょう」

「私が目にした海帝国ラティスの末路を………」




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