8話 脅すには愛嬌が大事
「……んぁ」
カーテンからの日差しで目覚めるリリア
「…………あれ?」
そこにエリックの姿はなかった時刻は8時を回っている
身支度を整え街へ繰り出す
朝食を食べ、出店を回る
「このお肉ください」
出店の中で直接焼いてる大きい肉が切って渡される
「はい、20エトラね」
チャリン
フードの下から頬張るリリア
「ん〜うまい!」
ご機嫌なステップのリリア
「いや〜遊園地の周りだけでも一日過ごせそうだなぁ」
ピキン
立ち止まる
何か気配を感じる
あたりを見渡す
「あの路地裏か……はぁ」
ガラの悪い男が3人
「おいお前さ、さっきぶつかっただろ?」
「い…いえ」
素朴な少年が答える
顔には傷だらけで所々出血している
「だからさぁこっちはぶつかられてアクセが壊れたって言ってんだろうがよぉ」
「もう一回殴んないとわかんないかなぁ!」
殴りかかる男
バシッ
腕は掴まれていた
「あぁ?」
「なんだテメェ、顔に布巻きつけてダセェんだよ」
イラッ
「これめっちゃ気に入ってるんですけどぉ」
ダァン!
掴んだ腕を回し一本背負い
「ぐふぁ!」
男は気絶
後ろの有象無象が動き出した
「やってくれたな、仲間に手ェ出すってことはわかってるな?」
手をクイッと動かすリリア
「かかってきなよ、図体だけデカ男」
シャキン
デカ男は刃物を出し襲いかかる
ブン
振り下ろされた刃物は空を切る
「オラァ!」
返す刃で避けたリリアを追撃する
「死ねぇぇぇぇ」
ドォォン
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
男は刃物を離し叫んでいた
刃を返す瞬間にリリアのかかと落としで腕を折られていた
デカ男を見下すリリア
「……であなたって殺していいんだっけ?」
震えるデカ男
「ヒィィィどうか、どうか命だけは!」
ビシッ!
「だったらそこに寝てる男連れて消えろ!」
「はいぃぃすみませんでしたぁぁぁ」
3人のガラわる男達は消えていった
「ほんっとに胸糞悪いったらないわ」
「強いんだね君」
振り返ると少年が立っていた
「えっ、えぇまぁね…うん」
照れるリリア
少年は指を刺し
「今の魔術使ってなかったよね?」
急な指摘に慌てるリリア
「え!うんそうだけど……」
少年は髪をかきあげ笑みをこぼす
「ありがとおねいさん、この恩はきっと返すよ」
少年はトボトボ歩き角に消えた
「ちょ!君傷は大丈夫なの」
追うリリア
角を曲がったがそこに少年はいなかった
「え……」
──メディハ 貨物船格納倉庫の屋根──
タキシードにハットを被った身長が高く細い男が杖をついて立っている
「あぁここは観光区を一望できますねぇ…ん〜実に愉快」
シュタ
男の背後に少年が降りた
「やっときましたかアダム」
アダムと呼ばれた少年
背は高くも低くもなく、白髪の下に輝く金色の瞳
長袖の服に短パン、ボロボロの靴を履いている
「悪い遅れた…でも楽しかった」
文言がたどたどしく抑揚がない
男はアダムの顔を見る
「おや、……これは愉快ではないですね傷だらけだ」
アダムは男を見る
「ロゥキが明日までは誰も殺すなって言うから殺さなかった…ただそれだけだ」
ロゥキはアダムを抱きしめ
「あぁ〜なんという愛らしい子だ、さすが我が息子」
「ではアダム、その暴力を振るったゴミを教えてごらん」
アダムは遠くに指を刺し
「アイツとアイツとアイツ…」
ロゥキはハットを深く被り
「そうか……それには今夜いい夢を見せるとしようか」
ロゥキの袖を引っ張り
「それよりそれより殺したい奴がいるんだ」
輝く目を見たロゥキ
「おぉではディナーの時にゆっくり話そう」
「あっそうだボスも来るからマナーには気を助けるんだぞアダム」
──エルブ・プレジャー入り口──
「……遅い」
カツカツカツ
足をカツカツさせるリリア
すると遠くからクセっ毛の野蛮人がきた
「すまねぇ早速いくか」
フンッ
無言で入場列に並ぶ
(……?)
入場すると乗り物には乗らず案内図を使い隅々までチェックしていった
時間はすぎ、空は暗くなっていた
「よし、こんくらいか」
「さっきからどうしたんだよムスッとして」
そっぽをむくリリア
「別に!」
頭をクシャるエリック
「お前本当に頼むぞ、明日で死ぬかもしんねぇんだぞ」
………………はぁ
「じゃ最後にどれ乗りたい?」
パッと顔が明るくなるリリア
「じゃあこれ!」
二人は丸い乗り物の中へ案内される
「わぁ〜綺麗、ねぇ外見てよ」
「本当に回ってるテッペンまでゆっくり回ってる!」
「これ観覧車って言うんだって!」
「おい!あんま動くなよ落ちたらどうすんだよ!」
ガクブルのエリック
目が輝いているリリア
「たのしぃぃ」
帽子を深く被るエリック
「一望できたからなんだよ……不愉快だ」
不思議そうなリリア
「なんで高いところ嫌なの?こんなに気持ちいいのに」
顔を隠しつつ喋るエリック
「な…なんかこう落ちたらぁとか、足場が崩れたらぁとか……あと何故か飛び降りそうな気がするんだ俺」
不安そうなリリア
「え…大丈夫?話聞こうか?」
「別にそんなんじゃねぇ」
「ただこう……ソワソワすんだよ」
リリアは目線を外に外した
「へぇ……わかんない」
「あんたこそ明日頼むわよ、これが第一歩目なんだから」
顔色が悪いエリック
「お…おう、準備は順調だ」
リリアは思った
……不安
2日目も終了し
いよいよ開かれる闇市場
二人は『勇者の手帳』獲得のため動き出す




