表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第1章  勇者の手記
8/116

7話  エルブ・プレジャー

──観光区リスロタ──

ここ観光区は遊園地だけではなく繁華街やお土産屋など多種多様な店が揃っている

遊園地、公園などが点在する街リスロタ、貿易船からの荷物や国内生産されている魔道具の搬入など遊園地を運営している組織がある街メディハ、この二つの街で構成されている。



二人は観光区最大の遊園地『エルブ・プレジャー』を目指しリスロタについた


馬車預かり所により馬車を預けた二人は昼食を取る


テーブルには美味しそうな魚が焼かれている

「ねぇエリックさっきの人顔が真っ白で目の周りが赤かったんだけど…なに?」


「あぁあれは仮装だな、ここら辺じゃよくあることだ」


目をキラキラさせ

「私もやりたい!」

「だめ」


不機嫌なリリア

「なんでよ、お金は私が払うんだし」

「はぁこれだからくせっ毛は…」



「おい」

「あのなぁ顔を隠してどうやってメイクするの、あと忘れてぇよな……メルティちゃん?」


「わかってるし、てかここでは隠す意味あんの?」


顔を近づけ

「当たり前だ、このリスロタは闇市場の一部なんだよどこで誰が聞いてるかわかんねぇ」

「もうここから…てか入る前から偽名で登録してんだよこのばか」



フンっ

そっぽを向き魚を完食するリリア



店を出る二人

道には仮装をしている人、出店で物を買う人、大きなカバンを持つ商人など人が横行していた

……はぁ

「じゃいくかメルティ」

「……どこに?」

「そりゃ……エルブ・プレジャーだろ」


ハッ!

「もちろんでございます!」



エルブ・プレジャー入り口には列が並んでいる

並ぶ二人、ワクワクするリリア

「ねぇこんなに人いるんだね、さすが遊園地!」


「いやこれでも少ない方だろ、オフシーズンだし」

「オフシーズンってなになに!」



エリックは得意げに

「遊園地の客層は貴族と平民の間「ブルジョワ層」が大半を占めているという、ということは今の時期で農作で一番売価が高い「ミスリタの葉」が大量に取れる」

「ということで今入場者は多い時の三分の一くらいになっているということ、それがオフシーズン」



リリアは前を見つめ

「へぇ……わかんない」



エリックは拳に全身の力を込めるが

「まぁいい」

心の中で舌打ちをする



入場ゲートには横並び5人の人が立っていた

「ようこそ!森林の楽園『エルブ・プレジャー』へ」

「チケットをお願いします」



エリックはチケットを見せると



「では、こちらをどうぞ」

案内人の手には2枚の案内図があった



中に入ると大きな広場があり奥の大通りから乗り物や建物があるメイン広場へと行ける



広場を歩く二人

「ねぇここってエルフの王国って設定なんだって」


エリックは地図を広げ

「エルフねぇ伝記でしか見たことねぇがいるのかねぇあってみたいもんだ」



エリックの腕を掴み

「じゃ早速乗りに行こっ、最初はあの丸い回るやつからで!」

その瞬間


バッ!!



手を振り払うエリック


驚いたリリア

「え…ごめんなんか嫌なことした?」



エリックは重々しく口をひらく

「俺……高いところ苦手」



は?

「じゃあ何がのれるの」


「何も……」


テンションが下がるリリア

「そっか嫌なら仕方ないね……じゃあ何か売店で買おうよ」


「あぁ……悪い」


大通りには遊園地限定の商品が売られていた

ぬいぐるみ、筆ケース、魔導本のカバーなど種類は数えられないほどあった


場内を歩く二人

「ねぇエリック、私ここ好きになったよ」


「まぁ楽園ってだけあって退屈はしなさそうだな」


「違うよ、そういう意味じゃなくて…」

「すれ違う人みんな心から笑ってる……」

「私もその一部になれるような気がしてくるよほんとに」


ズズー

エリックは限定パグィ酢風味のサイダーを一気に飲み干し

「まぁ一回だけなら付き合ってもいい……かな」


「えっ……いいの!」

「一回だけな!一回!」


「じゃああれ乗りたい!」

リリアが指差したものは……






「では皆様!今エルフの王様が可愛がっている幻蝶が逃げたので浮遊魔術でおいかけますよ!」

そのアナウンスとともに座っている乗り物についてある魔石が起動した


ギュィィィィィィィン


「では快適な空の旅を!」



発射



「いっやっほぉぉぉぉぉぉぉ」

声高らかに叫ぶリリア



「……………………………………あぐっ」

死にかけのエリック


レールを異常な速度で走る機体に振り回される

景色が変わり続け、天地がひっくり返る

エリックの思いは一つ、早く終われ……それのみ



「あばアババババ……」

椅子に倒れ込むエリック

「いっやぁ最高!最高!」

「じゃ宿いこっか!」

(悪魔かこいつは……)




宿は馬車を預けた際に申し込んでいた

エルブ・プレジャーから徒歩数十分にある来園者限定の二十階建ての宿泊施設



見上げるエリック

「さっすがに国営だとたっけぇな……足が震える」



建物内に入る二人

「悪いな一室しか取れなくて」



「いいよ別に、泊まれるだけでも感謝しないと!」



部屋に入ると早速スケジュールを確認する

部屋の四角、天井などを調べエリックは案内図を広げる

「よし、ざっと今後の事を確認するぞ」

「明後日に開かれる闇市場はオークション形式で行われる」

「まぁ商品が見えたら札あげて金額を言うってところだ」



不安そうなリリア

「でも手帳が誰かに取られちゃったら……どうしよう」


チッチッチ

「いいか、予算は500万エトラでいく」

「えぇ!もっと使っていいよ」

頑なにエリックは

「いや500万以上は諦める」

「えっここまで来たのに」


「諦めるって言っても「獲得」は諦めるだけだ」

「どゆこと?」


「オークションは商品を落とすだけが全てじゃない」

「この闇市は落札者側は身分保証のため代表者の名前が支配人に渡されている」

「その名簿を見れば落札者番号も割れる」

「それを辿れば会いに行けるってこと」


困惑するリリア

「えぇでもやばい人が落札してたら……」


得意げになるエリック

「俺の人脈を甘く見るなよ……フンッ」



「おぉ……」

輝く目でエリックを見る


「まぁそんなとこか、はいこれ」

エリックは用紙を渡す

「何これ」


紙には案内図と簡単なメモ書きがあった

「これ闇市への入場ルートと簡単な逃走経路、もしバラバラになった時の集合場所のメモ」

「いつの間に!」


「まぁこれは仮…というか明日細かい所詰めていくから午後に入り口で待ち合わせな」

「じゃおやすみ」


慌てるリリア

「ちょ、明日の午前は何する?」

眠そうなエリック

「俺は別件あるから、適当に遊ぶなら先入っててもいいぞ」



「別件て何?」


…………


エリックは寝た



「はぁ、お風呂入って私も寝よ」



風呂を上がり窓から景色を見るリリア

そこには夜とは思えないほど煌びやかな景色が広がっていた

「…すごい、本当に楽園みたい」

「いいな、いつか私も…………」




夜が深まり、辺りは静けさを帯びる

そこに人影が数人、地下へと進む

楽園の地下に広がるのは地獄かそれとも……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ