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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第2章  勇者の鍛冶屋
70/116

69話 氷風

地下水路


パキパキ!



ブゥン!



ボチャ!

風と氷の応戦

氷化した瓦礫が地面へと落ちる

武器を交えず魔術の応酬


水路に立つヒヨルとフィンネル

魔力の消耗戦


ヒヨルの額に汗が垂れる


後ろで屈むゼノ

(ヒヨルさんは連戦で魔力が尽きかけてる)

(ここは手数で魔力差を埋めないと)


「大丈夫ですよゼノ」


…!


ヒヨルは手を突き出し前を向く

「魔力の心配なら無用です」

「私を気遣う余裕なら他に使ってください」


下を向くゼノ

「何言ってんですか」

「戦果を挙げると陛下に約束してしまったので」

「死者0の完勝しないと自分の功績に傷がつくと考えていた所ですのでヒヨルさんが僕に向けた心配も他に使ってください」


ニコ

「では……お互いに目的は一緒……心配は無用ですね」


「えぇ…その通りです」

ビシ

ゼノの足から影が飛び出る


ビュルルルル

地面を這うかげ



ビシャ

後ろへ下がるフィンネル

「……邪魔」


ガキガキガキン!

影の行手に氷塊が隆起する



ヒュルヒュル

氷をつたう影



ビュン!

氷から飛び出る影



グサ……


影に串刺しになるフィンネル



ヒヨル

「やった…………?」



パキ

!!

フィンネルが砕ける



「上!」

ユイラの叫び声


は……

上を見るヒヨル

天井の氷化した部分から体が生えている

フィンネルの手にはチェンソー

ヴヴゥゥゥン!

回る刃



「やば……」

ヒヨルは後ろを取られる




フッ

ニヤつくフィンネル


パキィン!

フィンネルは鎌で粉砕される


「死角なんて逆にわかりやすい」

ダッ!

地面に鎌が落ちる


「ゼノ!」

ヒヨルは思わず声を挙げる


鎌には黒い鎖が繋がれていた

その端をもつゼノ

グイ


ジャラジャラ

引き寄せ鎌を手にする


パキパキ

前方に現れる氷塊のフィンネル


黒い鎖は消える

「鎖の操作は熱い上司から嫌って程習ったから」

「どこまでも届くからね……あんたの命を狩るまでは」

「っとその前に……」

ピシャ

ゼノは体を横にそらす



……!

フィンネルの目の前には三叉の槍を投げる女の姿

(いつの間に…………)



「死ぬのはあんたよ」

ブゥン!


ーー槍線上ランス・ラインーー


ビュゥゥゥゥン!


「うぅ!」

横にいるヒヨルは風に押されながら風魔術で槍の回転を底上げする



回転する槍

遠心力と速度で空間を切り裂く




パキ


パキパキパキ

フィンネルを包むように高純度の氷結石



バキィィィィィ!

衝突する槍と氷



ジリジリと氷を削る



バシャバシャ

ヒヨルとゼノはサイドから攻撃を仕掛ける


バッ

両手を広げるフィンネル


ガキガキガキガキン

水路から氷の巨人が現れる

ビシャ

ダァン!

巨人の拳をかわす両者


ブン!


パキン

ヒヨルは風魔術で氷巨人を削る

(この巨人を壊せばあいつの魔力を削げる)

ジリリリリリ!

槍は止まらない

正面を向くフィンネル

パキィ

氷中のフィンネルが崩壊する

ガキン!

氷巨人と交戦するゼノ

「全方位注意!」

………なっ

ゼノの視界には辺りを埋め尽くすフィンネル

ザサ!

フィンネルの軍団が3人に襲いかかる

ヒュン

ザシュ!

巨人とフィンネルを相手にするゼノ

(一つ一つに魔力が練り込まれてる……)

(本体がわかんない……)


パキパキパキ

ユイラのトライデントは宙を舞い分身を次々に粉砕する

「片っ端から壊せばいつかは出てくるでしょ」

ニッ

帽子から笑みをこぼすフィンネル

バキバキバキ!

壊された跡から新たな分身が生成される

「むだ………ここは私の狩場かりば

ガゴォン!

何かが瓦解する

「では……とっとと死んでください」

「ここは私たちの戦場せんじょうですから」

黒髪から覗く眼光

ウヒ

顔を上げるフィンネル

パキパキパキ

分身が瓦解

「いいねその顔………殺したくなるよ…ほんとに」


バキバキバキ!

フィンネルの服が氷のドレスに変わる


ーーー結界零度ゼロ・ネーヴェーーー


ふぅ

ヒヨル白息をはく

「もう少し厚着してればよかったですかね……」

ゼノ

「大丈夫……動けば暑くなるよ」

「そうだね……まぁ……動かなくても暑くなるよ……」

ブシャ!

………………えっ

ゼノの腹部にはトライデントが刺さっている

後ろを向くゼノ

「な………ユイ……ラ」

トライデントを持つユイラの顔は笑っていた


バシャ

水路に混じる赤い血液

ふふ

ニヤつくフィンネル

(あとは……あの小娘………)

ぱち

まばたきをするフィンネル


ブシャ

眼前に飛び散る血飛沫と宙に舞うユイラの右腕

「…………は?」

ユイラ本人も気づくのが遅れる

「やば…………」

ザシュザシュザシュ!

見えない斬撃

ガキガキガキン!

氷の壁

「下がって……」

ユイラを庇うフィンネル

「すみません……フィンネル様」

切られた右腕を押さえ下がる


ヒュゥ

地下に風が吹く

ガキィン!

氷塊

クイッ

指を下す

パキィィン!

氷塊はフィンネル上部で崩壊する

パラパラ

氷の結晶が通路に降り注ぐ

カチャ

刀を鞘に収める

「もう凄惨な殺し方しか思い浮かばない……」

肩で息をするヒヨル

両手で氷を作るフィンネル

「私………も」

「同じ………だね」

「それに………そいつ死んでやっと」

「1人をなぶり殺せる!」

キュイィィィ

回転する氷塊

ビュン!

二つの大きな氷塊がヒヨルを襲う

「ふぅ………」

刀に手を置く

ガシ!

刀を握る

シュン

バキバキバキバキ!

氷塊は氷粉と化す

……………!

驚くフィンネル

(なにを………)

「ゼノは死んでない……死なせないよ私が」

顔を上げるヒヨル

「あなたを殺して私達が生き残る……」

「だから死んでくださいね」


ウヒ

笑うフィンネル

「そう……命のやり取りは………」

「こうでなくちゃ!」

氷と風が相対する


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