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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第1章  勇者の手記
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6話 道中につき過去のお話

夜が明ける



昨夜シリュウと交渉した部屋に集合した

「おはよう二人とも、昨夜は寝れたかい?」


昨日見繕った服を綺麗に着ているリリア

「うん!すっごく寝れたよ」

「あのベッドふかふかで気持ちよかったぁ」



暗い顔をしているエリック

「あぁ俺のベッドもふかふかで…あんま落ち着かなかったよ」



部屋の出口に歩を進めるシリュウ

「じゃあ二人は体調万全だね、支度したら裏口に降りておいでいいもの見せてあげるよ」

「あぁそうだ、朝食はこの部屋で食べなね今持ってこさせるよ」



二人は用意された朝食を食べる

「なぁリリア」

ベーコンを頬張りながら

「んぇ、なぁにぃ?」

「悪いな急に……お前『血統種族』って知ってるか?」


ゴクン


「知ってる、今世界で保護されてる人達でしょ?」


スープを飲むエリック

「そう、常人より内蔵魔力が高く、魔術じゃなく体そのものに異変が生じている種族の総称だ」


「どうしたのいきなり、それくらい知ってる」


「いやただお前がどれくらいの認知度か知りたかっただけだ」

「深い意味はない」




朝食を食べ終わった後、身支度を済ませエリック案内のもと裏口へ行く

扉を開けるとシリュウとリュカがいた

「お、きたね」

「これで会場までいきな、徒歩じゃへばるだろ…特にそこのだらしないの」

シリュウの後ろには立派な馬車が用意されていた

荷台大人5人は余裕で座れるスペースが確保されていた


リリアはお礼を言うと馬車に駆け込んだ


「いいのかこんなの借りちまって」


「構わないよ、それにあまりに手を加えただけだし金はかかってない…あげるよ」

「しかも外装も平凡で悪目立ちしないようにあえてセンスを落とす徹底ぶり」



「はいはい、ありがとな」

適当に流すエリック



荷台から顔をだすリリア

「そういえば私馬車動かしたことないんだけど……大丈夫?」



笑うシリュウ、頭をくしゃるエリック

「俺がやるから後ろに座っとけ」



準備が揃い、いざ出発!

「では行ってきます!じゃあねシリュウさんリュカ君」



「あぁ楽しんでおいで」

「頑張ってきてください~」


馬車の操馬席から無言で手を振る


馬車は進み小さくなっていく



「シリュウ様はあの二人にやれると思いますか?」



シリュウの顔は穏やかだった

「なに、できなきゃそこまで以上も以下もなし」




馬車は観光区に進んでいる

馬車は大きいため馬車専用の通路とルールがある

二人はスラム街を抜け交易区専用通路を通っている、エリックは疑問に思ってた

「あのさぁ……なんで横にいんの?」


操馬席は横3人座れるスペースがある

「荷台に行けよ邪魔だから」



不機嫌そうに

「だってもしもの時守れないじゃん私」


「いやいいよ、観光区入ったら言うから寝とけ、てか寝てください」

リリアをまじまじと見る

「てかそのフード暑くないのか?」


かぶってる布を触るリリア

「そう思うでしょ、でもね実際被るとそこまで暑くないし邪魔じゃないの」

「そこまでってことは多少は思うんだな」

横目でエリックを見るリリア

「こまか」


交易区を抜け観光区まで後少し

雲ひとつない快晴、風は心地よく眠気を誘う




馬車が行き交う中、エリックは空を見る

「なぁお前って、どう生きてきたんだ?」



不意の質問に驚くリリア

「急にどうしたの?」

「いや、昨日観光区初めてだって言ってたから…言いたくなければいい」



「そっか…いいよ別に、てか聞いてほしい」

「なんかの手がかり……にはならないかもだけど今後の参考に」



「あぁ」



リリアが口をひらく

「お父様がいなくなったのは私が2歳の時だったらしい、今じゃ記憶もないし本当かもわからない」

「死んだって聞いたのは5歳の時……」



「物心ついた時からお父様のことはすごい聞かされた」

「でも興味がわかなかった、私はお父様がなにをしたかよりどんな人かを知りたかったから」


「いつか……多分7か8の時、お母様にお父様はなんでいなくなったのかを聞いたら‥」

怒られて、手をあげられた


「お母様が言うにはそれを知ることは【お父様の覚悟を踏み躙り辱める事】だって」

「それから勇者の試練が課せられた…達成するまで王城と学校以外出歩くなってお母様と先生が…」


勇者の試練

・魔術学院を主席で卒業

・在学中に魔術を5つ取得する

・複合魔術は2つ取得する

・A級依頼を一人で完遂させる


それを聞いたエリック

「ひでぇな、試練というより縛りだな」

頷くリリア

「後からアグノバに聞いたんだけど、それに加えて【臨界天】の取得もあったんだって」



エリックは呆れた声で

「はは……そこまできたら素直に監禁って言われた方がマシだな」

「臨界天なんて使えんの、今世界で5人しか確認されてねぇってのに」



「でも私は逆に燃えた、そっちがその気なら全部黙らせてやるってね」



ポン


エリックはリリアの肩に手を置き

「素直にすごいよお前は」



一瞬の間をおき

「え…………エリックってそんなこと言えるの」



カチン


手をどかし

「もう言わん」


エリックに絡むリリア

「ねぇもっと言ってよぉねぇほらほら早く〜」

(……ウゼェ)



──観光区──

魔王征伐の際、国交が盛んになり入国者が世界全体で増加していった

それに伴い貿易や商業だけではなく娯楽も外向けに開発が進んだ

そこで魔導兵器を転用した魔道具を導入した遊園地が一斉を風靡した

世界各国では遊園地の建設ラッシュが起き、ここアレスティアも観光区を作り国内外からの収入獲得に動いた




観光区が近づくにつれてリリアのテンションも上がっていく

「ねぇねぇ見てあれ大きい丸いのが回ってるよぉぉ」


「隣にいるんだからわざわざ大きな声を出すな」



「だってだってすごいんだもん!」



そこは闇市場が開かれているとは思えない夢の風景

老若男女を受け入れ日常を忘れ非日常を提供する


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