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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第2章  勇者の鍛冶屋
64/116

63話 帝都動乱

帝城 通路

ニナは走る

「......たく、どこにいんのよあの黒マントは」

ヴィットウェイからの任務を遂行すべく通路で休んでいる人物を探していた

皇帝の間から出てすでに数分が経過している

はぁ......はぁ

城内を散策するが見つからない

「どこに行ったのよぉぉぉ」




帝城 皇帝の間

「はぁ......くそ......なぜだ!」

息があがるマジュラ

「同じ臨界天なんのに......」


「同じ?」

余裕のヴィットウェイ

「勘違いするなよ青二才」

「臨界天は発現すれば最強だとでも思ったのか...」

「弱い奴ほどすぐに強さを勘違いする」



ボゥ

炎が燃え盛る

「まぁいい......少ない命で強さを噛み締めろ」

ボゥン!

ヴィットウェイが炎に包まれ消える

マジュラは剣を構える

「くそ......いい気になりやがって」

ボボボ

蒼炎で身を固め剣を強化する

ジュ!

「準備はそれでいいのか?」



.........!

マジュラの目の前に突如として現れる

ブォン!

緋炎の剣が行使される

「ふざけんなぁ!」

マジュラも剣を振るう

ブン!

ジュゥゥゥゥ

「......なん......だと」

剣は交差し片方が熱に耐えられず融解(ゆうかい)する

ドロォ

マジュラの剣は溶けて地に落ちる

「あつ!」



ガシャン!

マジュラは熱さに耐えられず剣を手放す

それを見るヴィットウェイ

「おいおい戦闘中に武器を手放しては敗北と同意だ」

く......

下を向くマジュラ

「ふ......ざけんなぁ!」

ボゥ

左手が燃えヴィットウェイに向け放たれる

ボボボボ



ダァァァァァァン!



シュゥゥゥ


「この近距離で無傷は......無理だろ」

笑うマジュラ

.........!

煙が晴れる

「まぁ......それが攻撃ならな」

マジュラの拳を腹で受け止めるヴィットウェイ

傷は無い

「撫でられても傷がつくはずもない」

あぁ.........

マジュラの顔はひきつる

「あぁぁぁぁあぁああぁぁ!!」

ドドドドドド!

マジュラは拳を振るう



ガシ

「もうよせ......」

「惨めに思えてくる」

「貴様はどうしてこのような作戦に加担する」

「何故力を欲し悪の道を進む」


うらぁ!

ブチブチ! 握られた両手をちぎるマジュラ

「はぁ......お前には一生わかんねぇだろ」

「先代皇帝と愛人の間に生まれて...」

「捨てられた俺たちの気持ちがよ!」


ボボボ


両腕は炎の腕を作り出す

「そんで気づいたら 10 歳のガキが皇帝だと......」

「そんなイカれた国......俺がぶっ壊してやるよぉ!」

ボゥ


ダッ!


マジュラは再びヴィットウェイに襲いかかる


ダダダダダ

激しい炎拳がヴィットウェイをなぶる

その拳を全て受け止める

「マジュラよ......それは誰から聞いた話だ」

ボゥ!

「誰でも......いいだろ!」

ヴィン

両手を引っ込める

ダァァン!

羽で勢いをつけ両腕を振り抜く

ジュゥゥゥゥ

「おかしいだろ......」

「なんでこれで倒れねぇんだよあんたは」

片手で止めるヴィットウェイ

「お前の言っていることは全て何者かに騙されている」

バサ

羽を羽ばたかせ距離をとる

「はぁ!この期に及んで俺が騙されてるだと?」

「いいなぁ強者は弱者を憐れむだけじゃなく冗談でイラつかせるなんてなぁ!」



バサ



ビュン

羽で回転し炎の威力をます

――炎回禅(えんかいぜん)――

ボゥボゥボゥ!

マジュラは青い炎輪を通り加速する


ボボボボ

ズドン!

遠心力と加速力を込めた右腕が振り下ろされる

ダァァァァァァン!

部屋が割れていく

ジュゥゥゥゥ

周りの装飾が焼けこげる

煙が晴れる

中央には燃え盛るヴィットウェイと鱗が剥がれていくマジュラ

「はぁ......せめて剣で受け止めろよ」

がばっ

崩れ落ちるマジュラを抱える

「先程の言葉に嘘偽りはない」

「君は誰かに騙されていたんだ」


喋るのがやっとなマジュラ

「はぁ......だから......なんだよ」

「もう......どうでも......いい」


「いや......君にも聞く権利はある」


「先代皇帝は............御子息がお生まれにならなかったんだ」

「医師曰く子供を作れない体......ということだった」



............は

「な.........なんだと......」

「じゃあ......今の皇帝は一体......」


「現皇帝陛下は表向きは先代皇帝の御子息だが......」

「我々「ガイア」が戦地にて保護した名無し人の中から優秀な子を先代と選定した」

「だから君が先代との子というのは...誰かの嘘と断言できる」

「............すまない」



ヒュゥゥゥ



外から夜風が吹き込む

ふっ

マジュラは笑う

「はっはははっははははは」

笑い涙をこぼす

「そうか......そうだったのか」

「ははっは......とんだ茶番じゃねぇか」

「おいおい俺は何年嘘に踊らされたんだよ...」

「………………じゃあ母ちゃんも嘘に踊って死んだのか...」

ははっは......はぁ

「はぁ〜あ、まぁいいさ...どうせくだらねぇ人生だ......いつ死んで.........も」


………

「やめてくれよそんな顔」

「今更……そんな顔されても許せねぇ………よ」



「何を言う」

「つまらない人生など一つもない...形はどうあれ君は我に並んだ強者ではないか」


「誇れ...臨界天は使えるだけで才能なのだ」

「君にも魔術を鍛えれば自身の臨界天が発言したと我は確信しているぞ」



ははは

「最後に......」

パキ

マジュラは魔石を割る

.........シュゥ

マジュラの体が灰と化す

「じゃあな...本当に強すぎてムカつくぜあんたは」



シュゥゥゥゥゥ



ヴィットウェイは立ち上がる

「終幕させなければな......帝国の剣として」





暗い地下通路

歩く5人

先頭に最高位騎士団 団員メイガウス

後ろに騎士位3席「ライゴウ」隊長レスト、副隊長グンダ、ゼノ、ユル、インファ


レスト

「なぁ...どこ行くんだよ」

「帝城からずいぶん離れていってるぞ」


メイガウス

「まぁ着くまでに今回の事の顛末を話させてくれよ」

「ぜひ話して頂きたいな」


「今回でどれほどの騎士が犠牲になったか」



「あぁ......そうだね」

話始めるメイガウス

「最初に今回出てきた改革軍っていたろ」


「あぁ......変な奴が多かったな」


「あれを作ったのはヴィットウェイ騎士団長だ」



えぇ!

驚く一同


レスト

「じゃあ...あいつらが言ってたボスはヴィットウェイさんだったのか」

「でも......」


「元々反乱軍の蛮行を抑制するために別の帝国に不満を持つ健全な組織を作ったんだ」

「そこにはシャンザっていう......まぁ団長が信頼する強気なねぇさんが仕切って運営して たんだ」

「まぁ...人員はぼちぼち増加していったけどとある人物が入って急加速していった」


「ある人物?」


「あぁ、おそらくボスっていうのはそいつだと思う」

「加入して数日で反乱軍にも対抗できる組織力をつけていった」

「それにかなり国の情勢に詳しかった」

「皇帝の秘密も反乱軍と帝国議会の繋がりも」



ゼノ

(へぇ...ヒヨルさんのボスそんな凄かったんだ)


「そいつはシャンザねぇさんの勧めもあって文通から帝城内部や怪しい人物捜索からこの 一件は始まった」

「探せば探すほど根が深くてな......皇帝洗脳やら新皇帝とか団長を殺す計画などなど見れば血の気が引くほど危機が迫ってたんだ」

「そこで反乱軍と議会の計画にあえて乗って反乱分子を根こそぎ表に出して叩こうって策 が考案された」

「俺たち一部の騎士は議会と研究機関が抱えている実験やら計画の詳細を探り、改革軍は反 乱軍の内部調査を行なって進めてたわけ」

「まぁ...ざっとこんなところだな」


...............

「......で納得いったか?」


レスト

「いかねぇな」

「そんだけ事前の情報があればもっと救えた命もあったんじゃないのか」


メイガウス

「そうだよな......」

「俺たちもそうだった.........団長以外はな」


「団長以外?」


「あぁ...内戦を仕掛ける時に少しでも救える方法は無いかと提言したんだが......」

「1 人救うと 1000 人死ぬことになるって......」

「団長の目はぶれてなかった......それなら信頼して従うのが俺たちの役目だろ」


「そうだったのか...」


「で...レスト以外は大丈夫かな?」


グンダ

「そうですね......正直まだ理解が及ばない......のが正直なところです」


ゼノ

「僕は別に......それで国が救われるなら文句はない」


ユル

「う〜ん、私も細かいのはわからないね」


インファ

「上の指示なら仕方がない」


ニコ

メイガウスは笑う

「そっか、大丈夫……国は救われるさ」


5人の前に大扉が現れる

「さぁ、皇帝の御前だよ」



ギィィィィィィィ

「.........これは」

眼下に広がるのは大広間

そこにいるのは多くの帝民

それぞれ布をひき座っている


「こんなのどうやって......」

呆気に取られるレスト


壁に沿って通路が引かれており先の階段を降りると帝民がいる大広間へ繋がる

メイガウスが歩き出す

「ここは元々、皇帝陛下が儀式やその他国宝を保管する大広間だったんだ」

「だけど、陛下自ら避難場所にちょうどいいと宝物を別の小さい地上の建物にしまったんだよ」

広間では食物や水を配給する騎士の姿

その中に 1 人の少年がメイガウスに気付き階段へと歩を進める

「よくきたなメイガウス」


「はっ!」

膝をつくメイガウス


......

ダッ

間があき後ろの4人は頭を垂れる

レスト

「これは...皇帝陛下......ご無事で何よりです」


ささっ

メイガウスの耳元に近づく少年

「今は皇帝ではない......皆に気づかれる前にやめてくれ!」

ふっ

笑うメイガウス

「はは......申し訳ありません」

「では」

立ち上がるメイガウス

「現在帝城にてヴィットウェイ騎士団長が敵幹部と交戦中です」

「改革軍の参謀からザンパの最終実験「デモニッション」の起動確認の連絡がありました」

「これより帝域内外の全てを危険地域とし保護と防衛を展開させます」

「帝国議会議長ティゲルス・リットラは我らがガイアの団員が罰を下すとのことです」

ふむ

「そうか......ではメイガウスに任を命ずる」


「はい、何なりと」


スゥ

少年の目が静まる

「アトロスに仇なす魔生物並びに賊の残党を殺すのだ」


「はっ!命のままに」

ダッ!

メイガウスは来た道に戻る


「ではライゴウ諸君」

「はっ!」

隊長レスト

がさ

少年が膝をつく

「まずはこの度の件......不安の中戦い抜いてくれた事に謝意を...」

頭を下げる皇帝

「い......やめてください!陛下」

「先程、メイガウスから事情は聞きましたので」

「陛下こそ、我々を導いてくださり感謝しています」

ニコ

少年は笑う

「レスト......君は本当にかっこいいな」

「この度の作戦、君の戦いは予測が困難であってな...」

「最後まで騎士団長の偽物と相対するのは他の適任がいないか探していたが」

「団長自ら相手ならレストとその仲間で十分だと最後まで聞かなくてね」

「期待通り君たちは役割を全うしてくれた......ありがとう」


首を振るレスト

「いえいえ......私はただ時間稼ぎしかできませんでした」

「まだ余力はあります、次は何をすればよろしいでしょうか」


立ち上がる少年

「そうだね...ここにいる皆を守ってほしい」


「皆ですか......」


ニコ

「もちろん僕もね」


「仰せのままに」

ぽん

手を叩く少年

「あぁそうだ.........ゼノ」


「はい......」


「君は帝城に入り地下水路へと向かってくれ」


「僕だけですか......」


「あぁそうだ......不安かな?」


「いえ......戦果を挙げてきます」


「あぁ期待してるよ」

皇帝は上を向く

「頼んだよアトロスの精鋭達」

「どうかこの国を守り導いてくれ......」



【秘密の部屋】

バチ.........バチバチバチ!

雷が走る

がぁぁぁぁあああああ!

手も足も出ない巨体

ビュンビュン

数多の触手がイルマを追尾する


ザシュ!


ジャキジャキジャキ!


ボトボト!

触手の8割が切り落とされる

剣を振り終えるジェット

「なぁ......このまま力でゴリ押してもいいんじゃねぇか?」


エリック

「おいおい、全力出すなよ...」


「はぁ!?なんでだよ」


「今は学習期間、転移先で吸収した全てを撒き散らす」

遅効型(ちこうがた)の魔生物なんだとよ」

「さっき見た研究資料にそう書いてあった」


......

はよ言え!

バチン!

「おっと」

ツッコんでいる最中に触手が襲いかかる

後ろへ飛ぶ

「じゃあ今、こっちは何の時間だよ」


ピョンピョン

ジェットは触手を避けながら剣を振るう


う〜ん

ビュン!

考えているエリックに触手が飛来する


「おい!避けろ!」


ダァァァン!

「ナイス!」


バチバチィィ!!

触手は雷で押し返される

ピタ 巨体が動きを止める


「やっときたか」

「イルマ!怪盗!俺の所まで離れろ」


ビリ

シュタ

「なぁエリック...こいつはどこまで成長すると思う」


「そうだな......まあイルマは魔術使ってないし」

「怪盗の魔術を真似してあとは......速さがさっきのイルマくらいになるかな」


バキ

指を鳴らすイルマ

「なら楽勝だ」


「頼もしぃ〜ねぇ〜」

「でも魔力循環が数倍早くなるから回復処理も桁違いになるよ」


............

イルマは黙る

「......それは僕の考える事じゃない...エリックが考えて」


ニンマリするエリック

「なんだ可愛いやつめ......いいよ俺が何とかするよ」

ばちばち

「あばあばばばばば」

エリックが電気でビリビリする


プシュー

焦げるエリック

「何やってんだテメェ!」

ふん!

「エリックが意地悪するからだ!」


「なぁいいか」

「ふざけるのもいいが......あれどうなってんの」

ジェットは前を指差す



グリュグリュ

デモニッションはみるみる小さく液状になる


「よっと」

ヒョイ

エリックが何かを投げる



ヒュー

ぽちゃん


ジェット

「今......何入れたんだ」


エリック

「何って.........魔石?」


ジェットはデモニッションを見る

「そんな無防備なのかあれは」


指をくるくるさせるエリック

「無防備っていうか...まぁ無害なものには無反応ってのが正しいかな」


ふぅぅ

液体が球体になり浮遊する

ぼこぼこぼこぼこぼこ!


「うわぁ!」

あまりの奇妙さに声をあげるジェット


球体は全方面から気泡が噴き出る

ビシャ!

球体を輪が囲み回転する

グルングルン


輪は4つになり高速で回転する

グルングルンビシャシャシャシャ!!

輪が回転し残像が見え始める

ギィィィィィィィ!!!


うっ...

突然の轟音に耳を塞ぐ3人



キィィィィィィィィィィィィィィィィィ!

球体が光だす

ピュン

轟音と光は球体と共に消えた

「よし」

エリックはポケットから翡翠色の魔石を取り出す


「化け物が地上に出ました...頼みます」

ビキ!

空間に切れ目が入る

ミシミシ!

ドパァ!

空間が裂ける

「やぁエリック、首尾は順調かな」

空間の裂け目からお姉さん


「はい、シャンザさん」

「これもみんなのおかげです」


ジェットは目を丸くする

「あの......どなたですか?」


お姉さん

「あぁ......君が怪盗の......顔が見れないのが残念だね」


エリック

「まぁ手短に説明すると」

お姉さんに手を向ける

「こちらはアトロス帝国最高位騎士団「元」団長シャンザ・ガーネッドさん」

「俺たちを地上に送り届けてくれる人だ」


バサ

シャンザはローブを脱ぐ

裾がない黒色のタンクトップ

「私も助力するから期待しておいてね♡」


ガシ!

両手を握る

「じゃあ行くか」


バキバキ

シャンザの両腕に血管が浮かび出る

ドクドクドク!

血管が赤く変色する

グググ

手を離すと両手の間に黒い何かが浮かび出る

ふぅぅ

シャンザは目を閉じる

ふん!

ブォン!

バキ!

両手で黒い何かを叩き割る



――新天地(アヴァロン)――



バキバキバキ!!

黒い何かは線となり空間を切り裂く


「あ......」

言葉を失うジェット

シャンザは汗を拭う

「ふぅ...じゃあ行こうか英雄達」

ウィンク

「おし!」


エリック、イルマ、ジェットはシャンザの魔術により戦場へ赴く

帝国内乱は終盤となり最大の魔生物が帝国に放たれる

回復力、攻撃力ともに上位生物となったデモニッションにどう立ち向かう

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