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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第1章  勇者の手記
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5話 問題山積みの衣装選び

シリュウは机に布を広げる

「リリアちゃんはこれかぶりな」

「その見た目じゃすぐバレるだろ」


リリアは布をかぶり鏡の前に立つ

「……かっこいい」

頭に布を巻き付けリリアの赤色の目だけが出ている



それをみるエリック

(……ださ)



服はそのまま小綺麗な格好であり

首からの上下違和感が尋常じゃなくダサかった



シリュウは奥の部屋に2人を手招きする

「そんな格好で私の代理は行かせらんないよ」



2人は招かれるまま部屋に入る


そこは衣装部屋にしては物騒な武器も並んでいる部屋だった


「ここでセンス、武力共に最上の服を見繕ってあげる」



パンパン

シリュウが手を叩くと

入口に眼鏡をかけたおそらくリリアと同年代であろう少年が立っていた



その少年を指さし

「こいつはリュカ、私お気に入りの防具職人だ」


リュカはお辞儀をする

「はじめまして!リュカって言います」

「いまおふたりは微妙にダサいので僕がバシッと見繕いますね」



2人は鼻についた



がしかし、少年の曇りなき眼に2人は怒る事が出来なかった



エリックは曇りなき眼に必死に抵抗した




「……かっこよくたのむよぉリュカくん」

抵抗虚しく流される



隣でリリアがこいつダサっと言いたげな目で見つめた

「ダサっ」

声に出ていた



リュカは作業に取り掛かった

初めは2人の動きの範囲を調べ、サイズ、戦闘スタイルなどかなり細かく調べあげた



「じゃあくつろいで待っていてください」




1時間後



出来上がった服を着る2人


「おぉこれはいい、動きやすいしかっこいい」

エリックは上下青黒いスーツスタイル、ハット帽をかぶり清潔感のある風貌に変化した



それをまじまじと見るリリア

「……なんか学校の先生みたい、」


エリックは得意げに

「 フンッ、知性が溢れるこの感じ、まさに俺特注の服だ」


その言葉を聞き、すかさずリュカが水をさす

「あぁそれ、王都に売ってある服です」




「………はい?」




「エリックさんは戦わないので市販品でいいかなと」

「さっきのゴミ切れよりいいでしょ?」

リュカの顔には満点の笑顔


エリックは落胆し、リリアは爆笑する



リュカは悪びれもせずに次の話題へ

「そんなことより見てくださいよ、リリアさんの服!結構自信ありますよ!」



ストライプ柄の長袖、袖には金属のリングが両腕にあり装飾されている。

下は短パンにももに届くストッキング、膝下に届くブーツをはいている



リリアは満足げに

「うん!めっちゃ動きやすいよこれ」



うしろでリュカが服の解説をしている



「はいはいそこまでだよリュカ」



「すみません!シリュウ様」

リュカはシリュウのそばにつき言葉を待つ

「どうだい?リュカのセンスは」



興奮気味にリリアが

「すっごくいいです!動きやすいし可愛い」



エリックは不満そうに

「これなら周りにも溶け込めそうだね…みんな着てるだろうし」


ペラ


シリュウは2枚の紙をエリックに渡した

「はいこれ」

「なにこれ」



「決まってるでしょう、『エルブ・プレジャー』のチケット」


リリアはチケットを手にとる

「入場券………これ日付あってます?」

「明日、明後日になってるけど…市場は三日後だよね?」



呆れた顔のシリュウ

「いいかい、せりに注力するのも結構だが非常時の逃走ルート、全体のマッピングは自分の足で見つけな」

「それに………」

「少しは息抜かないと倒れるよ」

「1日目は普通に楽しんで、二日目は遊園地各部の調査で三日目は裏口…本番って所だね」



リリア

「‥‥‥‥ありぃがぁとぉぉぉぉぉ」


テンションが爆上がりのリリア、テンションがダダ下がりのエリック

「本当に行くのかお前」


「うん!私、遊園地行ったことないからすっっごい楽しみ!」


シリュウは笑顔で鉄筒を吸っている

リリアは跳ねながら笑っている

エリックは心から笑えなかった


「リュカ、この二人を部屋に案内してあげな」


「はい!では先にエリックの部屋から案内しますね」


リリアはエリックの裾を引っ張り

「ここで泊まる?」

「まぁ…変なところより安全だろ」


リュカとエリックは部屋を後にした



シリュウはリリアに近づき

「意外……って思ってるでしょ」


「えぇ…てっきり「こんな所でねれるか!」って言うかと」


「まぁ、あいつは一人で勝手に完結するからこっちは困惑するんだけど……まぁ信頼できるから安心してついていきな」


「二人の関係性がいまだに不明ですよ」


シリュウはクスッと笑い

「まぁ…話すまでもないくだらない過去話だよ」



シリュウの顔をチラチラ見るリリア

「やっぱ気になるかい?」



驚くリリア

「え!あの……すみません」



「いいってことだよ、そういう視線は慣れてるから」

「あの‥‥」



「リリアさーん、来てくださーい」



「ほら行ってきな」



「はい、今日は色々とありがとうございました」

お辞儀をするリリア


「まぁくれぐれも条件……を忘れないことだよ」


「はい、おやすみなさい」


「あぁ、おやすみ」



決意の家出から協力者を得て勇者の死に一歩近づいた

緊張の解放と安堵からベッドにダイブしたままリリアは就寝した







「本当にシリュウ様は人が悪いですね」

不適な笑みのリュカ




「なに、嘘は言ってないよ」

「手記はアレスティアにあって闇市場に売り出される‥‥ただ誰が売るかは言いそびれただけだろ」

「しかも闇市には出品者の情報は完全秘匿される」



「さっすがシリュウ様!ちょーかっこいいです」


シリュウは窓を見る

「出てきな、ウリガ、ジェスト」



瞬間、シリュウの前に二人の姿

「あの娘に気取られてないだろうね」



 包帯に全身覆われた二人

一人は、右手以外が包まれており、もう片方は左手以外包まれている

「はいシリュウ様」

皮膚があらわになっている右手を胸に当て背を屈めるウリガ


「逆にあそこまで離れて感知されたらもう人間じゃねぇ、神だ神!」

左手を高く上げ陽気に動くジェスト




フゥゥゥぅぅ



「で、『バウンディハンド』が闇市に介入してるって情報、裏は取れたかい?」


「闇市支配人ガルウダ様が『勇者の手記』と交換条件で頭の中を見ましたので確かかと」




「あのガルウダが共有魔術を受け入れるなんて…さすが勇者の手記♡」

「よくやったね二人とも」




ジェストは不満そうに

「でもさぁでもさぁシリュウ様ぁ、やっとこ手に入れた『勇者の手記』を手放してよかったのかよぉ」



「バカねジェスト、情報は私物化するもんじゃない、より良い情報のための餌にしてこそ真価出るもんだよ」

「それに手記一つで二つの価値が見出せたからもう用済み……」

「加えて、勇者娘様にバウンディハンド殺してもらえれば、……ふふふ」




シリュウは窓辺に立ち

「信頼してるよ、二人とも…」




寝室の窓辺に灰色の鳥が止まる

「じゃ、よろしく」

鳥に手紙を巻きつけ放つ



「……はぁ、問題は山積みだな」

椅子に寄っ掛かるエリック


「まぁ…最悪……………かな」



それぞれの思惑が絡み合い、次の目的地『エルブ・プレジャー』へと進む

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