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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第2章  勇者の鍛冶屋
51/116

50話 皇帝  

アトロス城 謁見の間

玉座に座る皇帝その横に議長ティゲルス


ガチャ

大扉が開き3人の人影が歩を進める


ティゲルスが階段をおり皇帝の前に座する

「陛下これより謁見致しますは我らが有志」

「アトロス帝国の再建……いや国政復古への礎となる者たちでございます」

みな陛下に平伏せよ」


ティゲルスの合図で3人同時に地に頭を垂れる


「面をあげよ……して、そなたらは何者だ」


ティゲルスは顔を上げる

「はい陛下…この者達は反乱軍の中核達…」

「陛下に自己を説明せよ」


「「「はっ!」」」


先頭の1人が頭をあげる

「お初にお目にかかります、グラディス皇帝陛下」

「私は反乱軍の頭目を務めています…マジュラ・ディグノーと言います」

此度こたびの帝国再興への一助としてこの命!…投げ打つ所存であります」

「後ろには私の側近、ダーニャとハイジャがおります」


「一つ良いかティゲルス」


「はい何なりと」


「こやつらは帝国に反旗をひるがえした賊ではなかったのか…」

「ヴィットウェイの話では騎士達は今この時…こ奴らと対峙していると聞いているのだが」


「はい…この度の戦は私どもが売国者を炙り出すためのいわば罠を張っていたのです」


「……罠?」


「はい……ヴィットウェイ騎士団長は己の力を流布るふすることで新たな国………武力で支配する帝国を作ろうと画策していました」


「それは……真か」

「いくら議長でも…それが虚偽であれば罪は免れないぞ」



顔を伏せるティゲルス

「証拠ならあります」

「入れ」


大扉から2人の騎士

2人は大袋を担いでいた


立ち上がるティゲルス

「これを見てください」


ドサァ

2人の騎士は大袋を広げる


「なっ……………」

皇帝は息をのむ


袋から出てきたのは武装を身につけた男の死体


「アクンラ隊長……ではないか」

皇帝はその死体の名を呼ぶ


「そうです」

「この者は騎士位2席隊長アクンラ…本人です」


「その者は……誰に殺されたのだ」



「ヴィットウェイ騎士団長です」


「…………」

言葉を失う皇帝


間髪入れずに説明を続けるティゲルス

「証人を連れてきています……入れ」


かちゃ


がた


扉に現れたのは片腕を失っている騎士


皇帝の目が揺れる

「そなたは…メグレス…か」


片腕の騎士は死体の近き膝をつく

「騎士位2席副隊長メグレス……只今見参致しました」


「そなたの腕は……どうしたのだ」



鎧は下半身のみに武装

包帯で巻かれた右肩は血が滲んでいる


ぎゅ

右肩を掴む

「申し訳ありません!」

涙をこぼすメグレス

「我ら騎士位2席……健闘虚しく……私以外全滅しました」

「我らを切り落とした人物は……」


「最高位騎士団 団長 ヴィットウェイ・ダリルダンカーその人です!」


呆然とする皇帝

「待つのだメグレス……あやつは……いつ………そなたらと交戦をしたのだ」

「ずっと司令部にいたのであろう」


ティゲルスが前に出る

「そのことですが……我々は反乱軍を使い内戦を引き起こしました」

「それは…ヴィットウェイがこの帝国を守る剣となるかはたまた帝国を滅ぼす剣となるかを見定めるためであります」


「反乱軍には帝国に革命を起こすと帝民に呼びかけ、真に帝国を滅ぼす思想を炙り出すという作戦でありました」

「その戦いの中ヴィットウェイはどのような作戦を打ち出すか…国を守るなら良し、ですがそれ以外の作戦なら調査をする必要があると考えたのです」

「案の定、偽のリーク情報を流し騎士を数減らししようとしました」


「待て、ティゲルス」

話に割ってはいる皇帝

「おかしいではないか、なぜわざわざ仲間の騎士達を見殺すような真似をするのだ」


「陛下はわかっていないのです」


「……何がだ」


「いいですか陛下……やつはあの「臨界天」を使えるのですよ」

「それに仲間と言っても最高位騎士団「ガイア」のメンバーがいれば武力として申し分なし」

「それを踏まえると相反する思想を持つ騎士など邪魔以外の何者でもありません」

「懐柔など不毛……であれば作戦を口実に殺すのが易いでしょう」


「その証拠に今現在、ガイアのメンバーは安全な帝城付近に位置しています」

「帝城にはやつ自身がいたというのに…」


「そして我々が進めていたヴィットウェイ反目の証拠が上がったのです」

「メグレス…お前の口から陛下に告げよ」


「はい」

「我々は反乱軍の主戦力が集まるとされた場所へと奇襲しました」

「……ですが、そこに反乱軍はおらず……そこにいたのは」

「ヴィットウェイとガイアの面々でした」


………………


「交戦虚しく破れ……私は仲間の転移魔術で命からがら抜け出し」

「その道中に敵だと思っていた…このマジュラ達に助けられ今に至ります」

「言葉だけでは信じることはできないでしょう」

ペラ

包帯をとるメグレス


皇帝

「…………それは」


「はい……」

メグレスの切断部分は食いちぎられたような跡

周りには焼き焦げた皮膚

「これは間違いなくヴィットウェイの魔術「竜喚」の跡です」


目を振り絞る皇帝

「それは……間違いなく…やつの竜喚」


「おそらく奴らは帝城に魔道具「転移門」を開き帝城を行き来していたと思われます」

「実際地下水道には門が確認されています」


グラディス皇帝陛下!

ティゲルスは大声を出す

「即刻ヴィットウェイ並びにガイアを指名手配し、騎士と反乱軍全勢力を持って打ち滅ぼしましょう!」

「このアトロス帝国を守り抜くために!」


ドッ!

「帝国のために!」

後ろの3人は立ち上がり勇ましい声をあげる


「どうか…ご決断ください皇帝陛下」

泣きながら懇願するメグレス

「我々はもう……やつの新国家はもう完成する間近なのです」

「あとは陛下を拘束…もしくは何かを口実に殺害すれば奴の悲願は達せられてしまいます」

「どうか無念に散った仲間のために……どうか」


皇帝は目の前にいる者達を見る

「………だが」





「ヴィットウェイをそなたらは討てるのか」



顔を伏せるティゲルス


ニチャ

顔を歪ませる




「もちろんでございます」



「そのために奴に危険因子収監所に行ってもらったのですから」


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