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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第2章  勇者の鍛冶屋
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48話 地下

あぁぁぁぁぁぁ!!

通路をひた走る

他には目もくれずに一心不乱に走る

誰しも得意不得意があるように

出来ないことは出来ない

はぁ……人選をミスったと思った時にはすでにおそかった

振り向くと一つ目の魔生物が口を開けながら走ってくる


あぁ…いつだろう

いつ間違った

この結末は予測できたのか…いやできない

隣で一緒に走る男がこんなにも腑抜けなんて

通路を走る2人……を追いかける魔生物

ここはアトロス帝国帝都「セクトポリス」地下研究所

誰もいない暗い通路、赤く灯るランプが道を記してくれる……訳ではなく

赤く灯るランプは2人の男が浮かべる悲劇の表情を照らし出す

「早くなんとかしろよ!そのためのお前だろうが!」

叫ぶエリック

「フッざけんな!あんな化け物倒せるはずねぇだろ!」

叫ぶアンス

ぬちゃぬちゃ

ドロドロの体を震わせかなりの速度で迫る魔生物

ドドドドドドドドドドド!!


はっはっはっ

「おい!アンス!聞いてくれアンス!」

「なんだよ!今は走ることに集中しろ!」

先がない

はっはっは‥‥‥‥‥あぁぁぁぁぁぁぁ!!!

もっと早く気づいてくれぇぇぇえええ

2人は暗闇に落ちる

落ちる最中エリックは崖の上で見つめる魔生物と眼があう

「………こいつ、追ってこねぇのか」

ヒュゥゥゥゥ

「エリック……俺につかまってくれ」

落下中アンスは両手にトンカチを持つ

「アンス……やれるのか」

「おう…任せとけ」


帝城 皇帝の間

ヴィットウェイは膝をつく

前に座るはアトロス帝国皇帝グラディス・アトロス

「多忙な中、呼び立てに応じたことに感謝を言わせてくれヴィットウェイ」


「もったいないお言葉です陛下」


月光に照らさる皇帝

大きな椅子には似合わず小柄な体

よわい10にして皇帝の座を受け継いだアトロス家の三男

グラディス・アトロス

「それでは皇帝の名において命を下す」

「は!」

危険因子収監所へ行き、ザンパ局長の護衛をせよ

………

「お言葉ですが陛下、内戦の渦中に陛下のそばを離れては騎士たちに示しがつきません」

「陛下の命は絶対とは承知の上ですが……」

騎士団長!

「はっ!」

「そなたの意見は聞いてはおらん」

「騎士団長、今この国では完成しなければならない研究があることは知っているだろう」

「反乱軍、改革軍などに時間はさけん」

「そなたはアトロスの剣として国に貢献して見せよ」

ヴィットウェイは頭を下げる

めいのままに……」

部屋を出るヴィットウェイ


「これで良いのか……ティゲルス議長」

後ろから出てきた男

髭を蓄えた細身の長身

「陛下…今アトロスでは新産業で国益をあげるのが最優先です」

「内戦など騎士位2席以下の奴らに任せておけば勝手に収まりますゆえ……ここはいち早く研究の保護を最優先に」

「あぁわかっている……それがこの国のためになるなら…我は迷わん」

ニッ

ティゲルスは笑う

「あぁそれとこの後に会っていただきたい人物がいるのですがよろしいですか」

「あぁ……そうだな」

通路を歩くヴィットウェイ

ヴヴゥ

「どうしたレスタ」

「これは緊急時以外は使用を控えて欲しいんだがね」

相手は騎士位3席レスタ

「何言ってんですか、国が2分されてんですよ」

「要件は?」

「反乱軍の動きがおかしい…今帝城に向かってるが騎士位1位を国に散らばらせてくれないか」

「ほう……私に指図か」

「随分と偉くなったもんだな…青二才の小僧が」


「冗談言ってる暇ねぇんだよ!」

「状況が読めねぇなら単独行動できる奴らを広範囲に展開し情報を集める」

「あんたから教わったことだぞ」


「お前に言われなくてもわかっている……」

「ではお前に個別の命令を下す」


賊を討て

…………

「了解だ」

「あんたは皇帝陛下を守ってくれよ」

「あぁ…我にとって皇帝陛下は全てだからな」



「隊長…今のは誰ですか」

走るグンダ

「あぁ……ヘタレ師匠に喝を入れたんだよ」

「師匠ですか…」

「どうもアトロス帝国は助けを求めているらしい」

「なる……ほど?」

「もうすぐ帝城だ」

走るレスタ、グンダ、ユルの前に帝城が見える




タッタッタ

地下水道を走るリリアとディッツ

「もう少しで着きますよ」

「えぇ…戦闘になったら真っ先に姿を隠しなさいよ」

「はい…そっちは任せます!」


ディッツの指示に従い道を走る

「そこみ……」

ドガァ!

角を曲がろうとした時、激しい衝撃波が地下水道を通る

「うわぁ!」


「あ…ありがとうございます」

曲がる瞬間に服を引っ張り後ろに下がったリリア

「ここで待ってて」

フードを被る

「お気をつけて」

リリアは武器を取り出す

(追ってこない……当たりか)

角をまがる

「なんで避けちゃうのさ」

「避けなかったら気絶しただけなのに」


「ごめんなさい……わかりやすい攻撃で」

「避けない方が難しかったの」

地下水道で合間見える両者

「そう……それなら仕方ないね」

灰色髪の縦ロール

お嬢様の気品で不適に微笑む

「私は最高位騎士団「ガイア」ニナ・ヴァロン」

「皇帝陛下の命に従い賊を打ち滅ぼす者です」

瑠璃色の弓を持つニナ

アンスから受け取った剣を構えるリリア

「どうでもいいけど………どいて」

ダッ!

距離を詰める

(遠距離……詰めれば攻撃力は落ちる)

パシュ

矢を打つが擦りもしない

「まぁ…速いですねあなた」


シュ

間合いがなくなる

剣をニナめがけて振り上げる

ブン!

カキン

剣と弓が混じり合う

ガキン

キン

キン

リリアの斬撃は全ていなされる

(こいつ……)

「ふふ……かわいいですね」

「その短絡的な思考は………」

「命取りですよ」

はっ

リリアは背後から気配を感じる

さっきの矢はリリアの後ろを捉えていた

(さっきの……)

グル


キン!

咄嗟に体勢をかえ矢を落とす

と同時に

「おしまい…」

ニナは正面から弓を振り下ろす

ザシュ

血が飛び散る

リリアは胴を切られる

切断部分には傷はない

「あら?おかしいな」

「これもあなたの魔術かな?」

余裕のニナ

「そうだけど…あんたに関係あんの?」

「大アリだっつうの」

キュイ

ビュン!

矢が飛来する

キン!

矢を撃ち落とす

「こうすれば、いいんだよね」

「ま……どうかな」

ギギギ

弓を絞る

ビュン


ダッ

走り出し距離をつめる

キン

弓を構える

「また接近戦…結果は同じだよ!」

奥の影から覗くディッツ

「どうする……このままじゃ」

魔石を握るディッツ

「聞こえますかエリックさん」

ヴヴ

「どうしたディッツ」

「リリアさんが最高位騎士団の人と戦ってて…」

「なんかやばそうなんですけど」

「やばいってどうやばいんだよ」


「防戦一方というか、……そんな感じです」

「そうか……」

「まぁなんとかなんだろ」

「えぇ!そんな適当な」

「いいんだよあいつはそれで」

「心配するだけ無駄無駄…じゃもういいか」

「えぇ……」

ディッツの声は落ち込む

「こっちもこっちで立て込んでんだよ」

「……ですが」

「リリアは大丈夫、お前は影に隠れてなさい!」

「これでいいか」

「まぁ……わかりました」

渋々納得するディッツ

「よし!じゃあ切るぞ」

「はい」

ブツ


上を見るエリック

「まぁよくこの高さから無傷で入れたもんだ」

落ちてきた穴には蜘蛛の巣状の線が張り巡らされている

「なぁアンス」

「お前の魔術なんだろ」

トンカチを回すアンス

「あぁそうとも」

顎に手を添えるエリック

「物体の形を変える魔術か……なかなか使い勝手が良さそうだな」

「それに強度も弾力も変わってるな」

トンカチをしまう

「ははっ、言葉にすれば便利かもしれんがいざやるとなると面倒すぎる」

「対象の性質に対して流す魔力量を調節しないと逆に襲いかかる」

「俺はトンカチで叩くっていう鍛冶屋のスキルを活かしてなんとかやっているが」

アンスはトンカチを見る

「まだしっくりはこないな」

歩き始めるエリック

「まぁ魔術なんて要は使い用だろ」

「慣れれば強くなる」

「お前が言っても説得力に欠けるがな」

「ウルセェ」

「……で目の前の状況をどう説明しようか」

アンスは辺りを見渡す

「これは……死体なのか」

2人の周りには原型をとどめていない何かが転がっている

「死体……か……そうだな、しいていうなら」

バカな奴らの被害者だな


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