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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第2章  勇者の鍛冶屋
47/116

46話 奇襲

暗がりの部屋

「始まったな」

後ろから黒マントを羽織ったアンス

「あぁ、じゃ俺らもいくか」

「おう」

各地で争う帝国軍と反乱軍

帝国軍の奇襲により戦況は有利に進むと思われたが


8番通り南西 エクバノ

「エクバノから伝令!」

帝国軍の騎士が叫ぶ

「司令部!ここは罠だ…奇襲作戦失っぱ………ぶつ」


司令部

「各地より奇襲失敗の伝令が来ています!」

「各地ということはすべてではないのだな」

司令室で鎮座する騎士

「はい……おそらくリーク情報の中に偽の情報が混じっていたと思われます」

「奇襲失敗の班、8割の通信が消えました…残りは席をおいている騎士隊のみです」


「なるほど…伝令を頼む」

「はっ!」

「我らガイアも帝城から馳せ参じると」

「…しかし皇帝陛下を守るために帝城から離れてしまっては…」

「何をいう…」

男は立ち上がる

「この騎士団長ヴィットウェイだけでは皇帝の剣は務まらぬというのか」

ギロ


ぶるるる

「そっそんなことありません!」

「このアトロス帝国はヴィットウェイ様の剣に加護を受けています」

「その御方おんかたの力を軽んじる気などありえません!」


「では、先ほどの伝令を頼めるかな…」

「はい!」


キシュディア大聖堂 騎士隊 ライゴウ

戦況は拮抗していた

隊長レストは斧を振る

「くそ……何なんだこいつら」

レストを囲む充血した人間

ザシュザシュ

大鎌が振り払う

「わかんないっすよ…でも同じ人間とは思いたくないですね」

「しかも奇襲バレてたっぽいっすよ」

充血した人間はうなだれよだれを垂らして本能のままに襲い狂う

「たく…作戦もズタズタだな」

くそ

カチャ

ゼノは鎌を背に回し上体を低くする

「いきます」

「おう」

シュンシュンシュン

2人の周りに黒い線

シャキシャキ

ザクザクザクザク

「あぐぁ……ガァ!」

切り刻まれる輪が広がっていく

前髪から覗く目

「逃げない方が身のためだよ」


――黒い死線(ネロ・モルテ)――


次々と倒れ視界が開ける

「ふぅ、まるで話に聞くゾンビですね」

切られた死体は小刻みに動く

「何言ってんだ……これは紛れもなく」

「人間だ」

隊長ぉーーー!!

勢いよく走ってくるグンダ

「ご無事ですか」

「そっちも片付いたか」

ユルが杖を振り回す

「痛いとこはない?」

「癒してあげるよ」

「僕は大丈夫です」

「俺もだ……」

むぅ

むくれるユル

…………!

シュン


キン!

レストが何かを弾く

「初対面でそれは失礼じゃないか」

4人は大聖堂の奥

ステンドグラス下を見る

「悪い悪い、こっちからは一方的に知ってるもんで……」

「ついちょっかい出したくなったわ」

オールバックの男

手には魔道具がはめてある

「……殺そう」

静かに言葉を発する女


「まぁ待てよせっかくの騎士様だ……最初は前座だろ」

オールバックは口に手を当てる


ピュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

口笛を吹く

ドドドドド!!

ガタァゴタァ

地面から身長3mを超える巨人が現れる

「さぁ騎士様、まずはこいつを相手にしてくれ」

レストは斧を構える

「そのすました顔を叩き直してやるよ」

各々武器を構え臨戦態勢をとる

「んじゃ武勲をあげるぞ!」

「「「「おう!!」」」」



8番通り 某所

「ねぇカイナさん、こいつらどうします…殺しましょう!」

男は血まみれの騎士の顔を掴む

「まだよ……拷問がまだでしょう」


「あは!そうだった」

「ねぇ〜今どんな気持ち?」

「今までカスだと思ってた奴らにこうやってさぁ」

「ゴミみたいに扱われる気持ちはぁ!」

ごふ……ごふ

男は騎士の顔面を殴る

「はぁ……殺さないでよ」

呆れるカイナ

死にそうな騎士

「はぁ……お前らなどに屈しない」

「必ずヴィットウェイ騎士団長のてっつ……」

がふっ


バタ

騎士は殴られ地に落ちる

睨むカイナ

「大丈夫だって〜こんなんじゃ死なないって」

「それに他の捉えた騎士もいるんだし」

走ってくる反乱軍

「カイナ様…騎士の拘束完了しました」


「そう…じゃあ1人1人お話ししましょうか…」


ボト


…………え?

話していた男の頭が落ちる

「敵襲!敵襲!」

くそ

ガチャ

キュイーーーーーン

カイナは背負っていた魔道具を起動させ空に飛ぶ

(いつ…そんなんことよりどうやって首を切ったの!)

上空から見下ろすカイナ

「ここは破棄かな」

カイナは魔石を握る

展開されている羽は光線を描く


――光の矢(ライト・アロー)――


がしっ

「なっ……」

発射する直前にカイナの足は鎖に繋がれる

ギィィィィン


ヒューン


ドォガァン!!

カイナは鎖に引きづられ地に撃墜する

「なっ何が起きた」

状況が読めていない騎士

「なぁに心配するな騎士どの」

声は太くおっとりとしている


「我々………」

     改革軍が援護する!


アトロス帝国 司令部

「騎士団長殿!」


「落ち着け…何があった」

「はい!ただいま連絡が断たれていた騎士隊から連絡が来ました」

「ほう…で?」

「改革軍の援軍により形成は逆転、反乱軍各所は制圧したと……」

おぉ!

司令部は湧き上がる

ふむ

考え込むヴィットウェイ

「その連絡は奇襲失敗した隊だけだったのかな?」

「はい‥‥あとは騎士位3席の「ライゴウ」からはありません」


「ほぉ…これは天が味方したと考えるかそれとも…」

「さらなる脅威が出現したか」

ヴィットウェイは伝令機を手に取る

「全体につぐ、改革軍と共闘し直ちに帝城へ帰還せよ!」

「帰還命令……まだ反乱軍の残党がいると思いますがよろしいのですか」

「あぁ、残党より本陣を迎え撃たねばならん」

「本陣ですか……」

「そうだ、この状況から推察するに我々の首元には刃が突き付けられていると思った方が良さそうだな」


キシュディア大聖堂

「行くぞ!みんな!」

「はい!」

ユルは詠唱する


――身体上昇コルポ・サリーレ――


レストとゼノに付与魔術がかかる

グンダは地面に手をつき

グググ……

ジャリジャリジャリ

巨人の足元から鎖が出現し拘束する

「お願いします!」


クルクル

鎌を回すゼノ

「お膳立てはしますよ、レストさん!」

タタタタ 

巨人めがけて走る

「よっ」

ズサァ

スライディングし鎌をふるう

シャキン

「よし……まぁ90点ってとこだね」

ザクザクザク!

巨人の関節が切り刻まれ膝が折れる

ドサァ!

巨人は前屈みに倒れる


「お前ら本当にいいチームだぜ」

正面にレストが構える

ガァ

巨人は手を伸ばしレストを潰そうとする

ニヤつくレスト

「届かねぇよ、そんなんじゃ」

ヒュン


ギュイン!

「ガァああああああ!」

巨人の腕は遠方から来た光に粉砕される


ヒュオン

巨人の目の前に力を貯めるレスト

「じゃあな巨人」

ドッ


ジュュュュキィィン!

巨人の体を包み込む閃光

眩い光が辺りを照らす


――白い希望(ルーノ・スペランツァ)――


巨人は消え失せる


巨人の跡地に斧を担ぐレスト

「光は全てを浄化するんだぜ」

「お前らもどうか…安らかにな」


「やりましたね!レストさん」

「隊長ぉぉ!」

集まる隊員

「まぁまだ前哨戦みたいだな」

辺りを見渡すレスト

「さっきの連中はどっかいっちまうし」

「巨人は異様に強いし」

「そこに変な奴らはいるしな」

ザザ

岩陰に隠れた黒マントが2人姿を表す

「さっきからコソコソしてたが……なんのつもりだ?」

ヒソヒソ

黒マントが耳打ちをする

慌てる黒マント


それを見る4人

「レストさん……もう攻撃して良くないですか?」

「早まるなゼノ……まぁ気持ちはわかるが」

…………

「お……なんか決まったようだぜ」

黒マントの片方が前へ出る

「我々はあなた達の味方です」

………………

「なんか言ってください」

レストは呆れた表情

「えーと、あんたさ味方ですって本当の味方は言わないんだが」

慌てる黒マント

「それは知らなかったです」

もう一方が前へ出る

「すまない…色々と取り乱してしまった」

「いえいえ……どちら様ですか?」

仕切り直すレスト

「我々は……君たちと共にあるものだ」


……………シャキン

「こいつら切りましょう」

ゼノが鎌を取り出す

「待て待て待て」

抑えるレスト

「でもレストさん!あいつらおちょくってますよ!」

「こんな非常時に構ってられませんて!」


「わかるお前の気持ちはよーくわかるが」

「殺しは最低限にするべきだろ」

…………ふぅ

「そうですね……すみません」

よしよし

ゼノを撫でるユル


黒マント

「あぁ言い忘れていたことがあります」

「なんだよ…最後まで聞いてやるよほら」

「我々は改革軍という組織で帝国を反乱軍から守りたいんです」

「改革軍って……さっき伝令があった奴らか」

4人は顔を合わせる

レスト

「なぁあんた……それ最初に言えって上から言われなかったか」

黒マント

「そうでしたエリ……ボスからそれだけは先に言えと言われてました」

……………

「そうか……ボスも可哀想だな」


「ボスを憐れむのはやめてください」

「ボスは頭が切れて優しい人なんですから」

ね?

問いにもう片方の黒マントが頭の上下運動で反応する


「いや……そういう意味ではなく……まぁいいや」

「えぇ…これより伝令に従い帝城に帰還する」

「こいつらも連れて行く異論はあるか?」

ゼノ

「こいつらが足手纏いになるけど僕らがカバーすればいいんですよね?」

あぁそうだ

グンダ

「隊長の意に従います」

おぉ

ユル

「まぁ、あの2人絶妙に可愛くないですか?」

それは…………思わん


…………


よしじゃあ帝城に行くぞ

おう!(おう!!)

黒マント達が両手をあげ同調する

それを見るレスト

(本当にボスの気苦労が心配になるぜ)


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