45話 作戦開始
帝英博物館 戦闘跡地
「こちらの展示品異常ありません!」
1階の激しい戦闘による展示品の被害はなかった
「おう、では盗まれたのは2階赤の部屋にあった「真紅のアミュレット」だけか」
アトロス帝国の紋章が刻まれた赤色のマントに灰色の帝服
丸刈りの筋肉質の大男が現場の指揮を取る
「グンダさん…魔力痕調べなくて良いんですか?」
だるそうな男
前髪で目が隠れている
「さっきもそう言ったろ!それは上から禁止されている」
「というかゼノ!お前もしっかり働け」
「あいあい、なんで騎士位3席の俺らがこんなくそ事件に……」
うなだれるゼノ
「ダメよゼノ、そんなこと言っちゃ隊長が上に怒られちゃうんだから」
大きい乳を揺らすお姉さん
グンダ
「そうだ!レスト隊長に良いところを見せるのだ!」
「そして我々「ライゴウ」も最高位「ガイア」を抜かし帝国さいこ…」
2人は別の方向を向いている
………………むし
「聞かんかぁぁぁぁぁ」
「すみませんゼノ騎士、現場検証が終わりましたので次の指示を頂けますか」
「そこぉ!ここの現場指揮は副隊長のグンダが任命され……」
割り込むゼノ
「あぁお疲れ〜随分早かったね」
「何かあったの?」
「いや……魔力痕を調べないとなると物理的な痕跡をカディア(写真を撮る魔道具)に収めるしかないので……」
「…まぁそうだね……じゃもう帰っていいよ」
「はっ!……このあとライゴウの皆様は何をするのでしょうか?」
「さぁね〜ぼちぼち俺らも帰るから…お疲れ」
「では!失礼します!」
現場にはアトロス帝国騎士位3席「ライゴウ」の3人が残る
グンダ
「なぁユル……これはやはり開戦の狼煙だと思うか?」
乳を揺らす
「そうねぇ……何はどうあれアトロスの名の下に帝民を守ることが私達の使命であり責任でしょ?」
座り込むゼノ
「ユルさんはかっこいいですねぇ」
「僕なんてレスト隊長が言ったあの言葉で揺らぎまくってるってのに」
「グンダさんはどう感じました……あの隊長の言葉」
考え込むグンダ
「【帝国の亀裂は内部から起きる】……だったか」
「歪みは最初からあった…だが皆それを黙認したつけがここにきてる」
「そう思わざる負えない程、現状の帝国は危うい」
……………ちっ
「いちいち回りくどいんだよ歩く筋肉がよ」
ボソ
「おい!今悪口言ったろゼノテメェ!」
ピューピュー
「何も言ってませんけど?」
襲いかかる筋肉を止める乳
右にゼノ左に丸刈りを抱える
「まぁ良いじゃん、私達が見失わないよう頑張れば……でしょ?」
「別に私たちは帝国に命を捧げたわけじゃない…救ってくれた人の救いたいもののために戦う、昔も今も変わらないでしょ」
「もちろんですよ、レストさんに受けた恩は一生かけても返せませんから」
「そうだなレスト隊長のため……それだけで十分だ」
「……てか離せ!俺はもう子供じゃない!」
グンダはユルの手をほどく
ふふ
「私からしたらまだまだ子供子供!」
「で……これからどうしますか、レストさんとの待ち合わせももうそろですよね」
「あぁ……ではこれより我らライゴウの任務を隊長に代わり副隊長のグンダより伝令する」
ビシ!
整列する2人
「これより北東7番通りでレスト隊長と合流後8番通りキシュディア大聖堂へ行き」
「反乱軍を撃滅する」
「「はっ!」」
2人は敬礼し行動を開始する
――4番通り 宿「メルティカ」――
4人の顔は一点を見つめる
チャラ
綺麗な装飾が施された首飾り
その中央にある真紅の宝石
カチャカチャ
「は…………」
「あっ…………」
漏れる声
首飾りに工具が差し込まれる
「………………集中できない」
「あんたが集中したいから静かにしろって言うから黙ってんでしょ!」
「そうですよ、文句言われたくないです」
「いや…魔石を取り出す所見たいって言ったから見せてやってんだよ」
「集中を削ぐならどっか行ってくれ」
「自分の集中力のなさを人のせいにしないでほしいわ」
「だから、お前らの「あ……」とか「は……」がうるせぇんだよ」
「それは我慢してくださいよ」
「なんか細かい作業を見るとハラハラしちゃうんですもん」
「ですもんじゃねぇよ、それをやめろって言ってんだよ」
3人の口論を見るアンス
(あの戦いの後で元気だなぁ2人は)
うとうと
緊張と緩和から眠気に襲われるアンス
「アンス、ねたきゃねていいぞ」
「起こしてやっからゆっくり休みな」
「おう……そうさてもらう」
横のベッドに寝転がるアンス
スピースピー
「ねぇ、アンスには本当のこと言わないの?」
「そうですよ、アンスも仲間ですし」
考えるエリック
「まぁ…いっても良いけど、これを共有しちまうとアンスも世界から追われることになるんだぞ」
「その責任は誰がとるんだ、少なくともアンスの意思を確かめてからでも遅くないだろ」
…………………そうだね
「もう寝ろ2人とも、俺は作業しとく……明日が本番だ」
「今回も頼むぞ、さっき言った作戦は忘れてねぇよな」
「うん……おやすみ」
「おやすみなさい」
2人はもう片方のベッドで寝る
カチャカチャ
エリックは1人作業を開始する
――帝都「セクトポリス」地下空間――
小太りの男が悲嘆に苦しむ
「なぜだ!なぜ完成しない」
うぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ
ドン!
水槽に抱きつく小太り
「私はこれを完成させ叡智の頂に立つ存在なのに……なぜだ!」
「この魔術兵器を完成させれば私もあの世界最高峰の叡智「ストーム」に入れるというのに!」
水槽には赤子が浮いている
へそには重々しい管が繋がれている
ウィーン
自動ドアが開く
「はっ!……どうだった、手に入ったか?」
白衣を着た男
「申し訳ありませんザンパ様……試作49号は死に目的も達せられませんでした」
「オーナーが騎士団に圧力をかけましたが次は無いと……」
足を運ぶザンパ
「そうか………なら仕方がない「デモニッション」を始める」
驚く白衣
「なっ……本当にやるのですか……あれを」
「何か問題でもあるのかな?」
「あ………あれは問題という言葉では表せないほど不安定で」
「一歩間違えると……帝都だけではなく世界にも影響を与えかねません」
ザンパ
「だから………なんだね?」
「世界への干渉は…………勇者秩序が出てくるので上層部はまだ早いとの伝令が……」
「なぁに、どっちみち私は死ぬだけだ……なれば私の作品を世界にお披露目して死のう」
「それにヴィットウェイのアホも皇帝のためなら剣を振るうだろう」
「皇帝が傀儡とも知らずにな………」
はははははハッハハハハハはははは
壊れるように笑い崩れ落ちる
「よしっと、これで完成」
エリックは魔道具を完成させる
寝ている3人を見る
「大丈夫さ……上手くいく……」
エリックは虚空を見つめ気持ちを落ち着かせる
「準備は上等、情報も揃ってる、あとは各々が作戦を完遂すればいいだけ」
エリックは窓から帝都「セクトポリス」を眺める
夜が深まり辺りが静まる
セクトポリス 8番通り キシュディア大聖堂
「えーこちら帝国軍騎士位3席「ライゴウ」隊長レスト・ヴァロン」
「これより進軍を開始する」
――ブブ
「司令部より了解」
「ヴィットウェイ騎士団長の名の下、反乱軍に対する戦闘を許可する」
「了解」
「ふぃ、なんだか落ち着かねぇな」
「レスト隊長、俺が先陣を切ります、切らせてください!」
「俺は隊長の命ならどこへでも行きます!」
横目に見るゼノ
「熱いねぇ…グンダさんは」
一括するレスト
「バカか、いいかグンダ」
「命は大切にしとけ」
「先陣は俺がいくよ」
「了解…しました」
ぽん
「良いか、実際偉い立場のやつが一番偉そうにしちゃいけないんだよ」
理解が追いつかないグンダ
「……はぁ」
「だ・か・ら」
「実際に偉い人が偉そうに指示出しても誰も意見できないだろ?」
「そうなれば後は崩壊するのみ、立場が上がったら思考を広く、視野はもっと広くだ」
「お前らもよぉぉく憶えておけよ」
はっ
ビシ
「了解しました」
グンダは敬礼する
それを見てため息をこぼすレスト
「なぁお前、いつになったらもっと砕けて話してくれるの?」
「ゼノなんてもう砕けてるよ」
ゼノ
「まぁ、レストさんは戦う時は頼りになるけど日常生活において抜けすぎてるし」
「それはないだろ!なぁグンダ」
……………無言
「やっぱそう思ってたんだね、俺悲しい」
「すみません……隊長に嘘はつきたくないので」
真面目か!
パン
「はいはい、お遊びはそこまでだよ」
「早いとこ制圧しちゃお?」
ゔゔん
仕切り直すレスト
「じゃあ作戦はいつも通りで」
「俺とゼノが前で応戦、状況に応じてグンダとユルがカバー」
「遠距離からインファが攻撃!」
「「「「了解」」」」
カチ
カチ
カチ
部屋の時計が回る
エリックは部屋から外を眺める
すると
ボォーン
遠くの地8番通り各地から黒煙が上がる
「反撃の狼煙かそれとも終焉の合図か………」
ぎゅ
エリックはディファンを手に持ち呼びかける
「作戦開始」




