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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第2章  勇者の鍛冶屋
42/116

41話 帝英博物館

「別に観光じゃねぇからな」


……………スゥン


この一言でテンションがガタ落ちする2人

「ま……そう…だよね」

「そうで……すね」

明らかすぎる顔の暗転

「まぁ午前に一巡して夜忍び込むから」

「まぁ……1回目は楽しんでも…いいと思う」

パッ

顔が明るくなる

「そうだよね!」

「えぇ!エリックさんも良いこと言います!」

「うん……もう寝ようか」

二つのベッドにリリアヒヨルペアとエリックがそれぞれ就寝する


次の日の朝

朝の支度を終え準備万端の2人をよそに歯を磨くエリック

――朝 5:00頃――

シャカシャカ

「ねぇ、その博物館って大昔にいた生き物の骨があるんでしょ?」

シャカシャカ

「そうみたいですね、なんでも魔王征伐後に地層?の発掘が進み」

「太古の骨が出てきて研究が進んでいるらしいですよ」

「私この恐竜という生物がカッコよくて好きです」

シャカシャカ


ペッ


ガラァガラァ


ペッ

エリックは口を拭う

「あの……うるさい」

「あんたが遅いんじゃない」

バッグを背負い今すぐに出発できる2人

「いやいや、出発は7時だぞ」

「俺はむしろ早い方だと思うんだけど」

「私達は3時に起きたんだけど」

知らん


部屋で準備をするエリック

「じゃあ、今回の説明をする」

「その前にいいですか?」

「なんだ?」

「本当にこれで2番通りにいけるんですか?」

ヒヨルはお腹を指差す


「大丈夫だ、その魔印で検問所はとっぱできる」

昨晩、エリックたちは魔印をエリックが呼んだ魔印術師に書いてもらっていた

「あいつの魔印は1人につき一回らしいが相当な技術だ」

「バレるはずない」

ガチャ

「きたか……アンス」

「よっ…お待たせしちまったか?」

「お〜アンス、その格好の方がいいと思います!」

つなぎを着ていた前回とは異なり、暗めのオレンジ色を基調とした服

所々に黄色い線が入り腰には工具が入るポーチがついている

「これは外行き用の服なんだ」

「師匠が買ってくれたんだが、その時は大きくてきれなかったが」

………

「今はピッタリだな」

「その服に合う活躍を期待してるよ」

「おう!任せとけって」


「よしじゃあ、今回の目的を話すとしようか」

「アンスには事前に言ってあるがおさらいと思って聞いてくれ」


「了解だ」


「今回潜入する2番通り博物館の中には様々な展示物がある」

「狙いはその中の「真紅のアミュレット」を奪うことだ」

「それって何に必要なの?」

ガサガサ

エリックはカバンから取り出す

「この魔道具を作る際に必要な魔石がその展示物にあるからだ」


「なにそれ」


エリックの手には筒状の金属

先端からくだのようなものが三本飛びてており中央に大きなくぼみがある

「これは簡単に言うと洗脳を解く魔道具だ」

「洗脳?」

「あぁ、今回裏で隠れてる奴らがやってる実験が俺の想像通りなら必要になる」

「そう……わかった」

「と、言うわけで午前中に下見に言って午後閉館後にリリア、ヒヨル、アンスで忍び混んでくれ」


エリックを見つめるリリア

「あんたは」

「俺は外から指示を出す」

「その魔石って他の所から持って来れないんですか」


「他にあったらこんな面倒くさいことやらない」

「この国にはそれ以外ないんだろアンス?」


「そうだ…「真紅のアミュレット」に使われている魔石「レリット」

「この魔石は魔力ある生命体が数十年肌身離さず身に付けることで完成する魔石なんだ」

「別に世界で珍しいって訳じゃないが、現状明日までに手に入るのは「真紅のアミュレット」だけだ」


「そう…なんですか」

「じゃあ…仕方がないですね」

「2人が乗り気じゃないのはわかるがここは我慢してくれ」

「この魔石がないと最悪この国の罪なき人が蹂躙されるかもしれない」


「わかった…それだけ必要なら盗もう」

「それですくわれる命があるなら…私頑張るよ」

「あぁ……助かるよ」


「よし!では博物館に行こうぉ!」

エリックは手を掲げる

…………………

「なんだよ人がせっかく元気出してんのに」


「似合わない」

「変です」

「まぁ……無理すんな」



――3番通り 検問所―――

城壁で囲われている中にぽっかりと穴が空いている

両脇に騎士が立っており通る人の手を大きな球体にかざしている


騎士

「では次!」

モジャ毛

「ルーカス・マスカです」

「ではこの魔水晶に手をかざし魔力を込めろ」

手をかざし魔力をかざすと水晶は光る

騎士は門の中にある部屋を見つめる

うん

「よし!では帝域でなにをするか答えよマスカ」

帝都「セクトポリス」では1〜3番通りのことを帝域と呼ぶ


「博物館に行こうと思っています」

「……そうか、では通っていいぞ」


「ありがとうございます」

門を通るエリック

(ザルだなここの検問所は)

次にリリアも検問を突破する

「では次!」

「はい!私です」


――3番通り 門前広場――

エリックとリリアは後から来る2人をまつ

「なんか長くないか?あいつ」

「まぁ…ヒヨルだしね」

「3番通りの検問で引っかかってるようじゃ先が思いやられるな」


「ていうか、アンスは帝民だしバレるんじゃないの?」

「なに言ってんだよ、あいつは…」

「帝民じゃない」


「え……そうなの?」

「実際は帝民であって帝民じゃない……」

「説明するとややこしいが、帝民の権利管理が帝城と1〜4番通りに住んでる奴らと5〜7番通りに住んでる奴らでは管轄が違うんだ」


「管轄?」

「まぁ今は枠組が違うんだな程度の認識で大丈夫だ」

「ふ〜ん」


ねぇエリック


「このままいったら……内戦になっちゃうの?」

……………

「そうだな……そうなる」

「それに乗じて俺たちはこっそり目的を達成する」

リリアはモジモジする

「他に……」

「いやなんでもない」


「お前は嫌か?この進もうとしている道は」

「言ったでしょ…覚悟はできてる」

「別に嫌なら嫌でもいい、ただ分岐点はもう来てることを忘れんなよ」

……………

遠くから2人が歩いてくる

ほっ

「よかった、ヒヨルも無事に通れたんだ」

「だからここで止まってちゃ先がない」

「いいじゃん、心配くらい」


「お待たせしました2人とも!」

「すまんな、少し手間取った」


「ヒヨルが迷惑かけたろ」

「まぁ……な」

はぁ

「まぁ今後の活躍に対する代価だと思ってくれ」

「了解した」



――帝英博物館――

アトロス帝国領内から出土した歴史的遺物や帝国内での価値のある代物を展示している博物館

建物は神殿を思わせる作りになっており、入り口先には大きい支柱が六本並んでいる

上から垂れ幕が下がっておりそれぞれ騎士団、ギルドなどの紋章が刻まれている


「ほわぁ〜大きいですねぇ」

上を見上げるヒヨル

周りには人がごった返している

「はぐれんなよ、そこの上を見上げてるお嬢さん」

すでに距離が空いているエリックからの注意

「わかってますよ、もぉ」

後を追う

「わぁ、これ見てよ!」

「すごいきれい」


中にはいると展示品が並んでいる

大きな骨を組み立てた模型や展示品が透明なガラスケースに囲われており品の下には説明文が記載された紙が置いてある


ルミエスのはごろも

――説明――

大魔導師ユティルカの師であるルミエス・べティアが着ていたはごろも

魔石は組み込まれていないがルミエスの魔術を大幅に向上させていた

魔王大戦にて使用されていた魔道具

現在では製造方法は不明であり伝説の魔道具「ロスト」の中の一つ


見惚れるリリア

「ねぇエリック」

「これって本当に魔石ないの?」

展示品を見るエリック

「あぁ、この服は異常な程に魔力耐性があってな」

「おそらく魔石に頼らない精製方法があると思うんだが…わかってないらしい」


「この「ロスト」って言うのはなんですか?」

横からヒヨル

「魔王大戦時代に魔王、魔人の征伐に貢献した20の武具を冠した名だ」

「へぇ〜じゃあこれを身につければ誰でも強いんですか?」

「それなら、こんな所に飾られないだろ」

「確かに」

エリック

「ロストは適合者を選ぶ、他人が装備してもただの布切れに成り下がる」

「しかも今現在ロスト所有者は確認されてない」

「誰も装備できない伝説の武具ゆえに名はロストってわけだ」


「へぇ〜いいなぁ」

「この服、可愛くて強いって最強じゃないですか」

「なに言ってんだよ、お前はゴリゴリの前衛だろ」

「これきて刀ぶん回してたらこえぇよ」


う〜ん

想像するヒヨル

「確かに怖いですね」


「なぁエリック」

「そろそろ2階に行った方が……」


「あぁそうだな」

……………

「リリアは?」


辺りを見渡すとそこにリリアの姿はなかった




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