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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第2章  勇者の鍛冶屋
38/116

37話 宿メルティカ

次の日

3人はエリックに指定された宿メルティカへむかう

帝都セクトポリスでは1から3番通りに入る際通行許可証を有するがそれより下は基本誰でも利用できる

ここ4番通りには出店や宿が多く展開されている


「そういえばお前らと会ったのもここだったな」


「何昔話しみたいに喋ってんのよ…一昨日おとといでしょ」


「いやいや、俺にとっては濃い2日だったんだよ」

「ここ数年はずっと一人だったし…」


「そんな辛気臭い話私たちにしないで師匠にでもしてなさい」


「え……あぁそうだなすまん」


二人の会話にあわあわするヒヨル

「アンス……」

小声で呼びかける

「きっとリリアは師匠に会えばそういった事も楽に話せるという意味で言っているので」

「決して嫌味ではないと思うので悪く思わないでください」


リリアは恥ずかしそうにヒヨルを睨む

そっとアンスの影に隠れるヒヨル

「ふっ……はっはっは」

笑うアンス

「ありがとう…大丈夫だよしっかりと伝わってる」

「それにリリアは人を傷つけたりおとしめたりするような子じゃない」


ふん

そっぽをむくリリア

「あんたになにがわかんのよ」

「わかるさ……目を見ればその人の性格は、はっきりとわかるさ」


目的の宿へつく3人


リリア

「………で」

「あのモジャモジャはどこにいるのかしら?」


「受付に聞けばわかるだろうぜ」


「そもそもエリックさんがわざわざここに泊まった理由はなんでしょうか?」


それは……なぜでしょう


ゾワァ

ヒヨルの背後に人影

反射的にヒヨルは体を回し拳を振るう

ブン!


がしっ

「な……」

ヒヨルの拳は途中で止められた


ググググ

止めていたのはリリアだった

「あんたいつから殴られることが大好きな変態になったの?」


はっ

後ろに立っていたのはエリックだった

「なっ何してるんですか!エリックさん!」

拳を下ろす


「何って質問に答えただけだろ」


「そうじゃなくて!」

エリックは目をそらす

「わかってるよ、悪かったって」

「まさか後ろに立っただけで殴られるとは思わなくてな」

アンスも振り返る

「で、ここに来た理由を教えてくれないかエリック」

「あぁ、とりあえず中に入ろう」


「ヒヨル」

「はい?」


「もうちょっと気を抜いとけ」

「それじゃあ本番で本気が出せなくなるぞ」


「……はい」


「前回みたいに即解決は無理みたいだからな…最後まで戦い抜けよ」

「……はい、大丈夫です」

中へと案内される

至って普通の宿屋、3階にある部屋へと進む


ガチャ


「ここでこれからの作戦を詰めるぞ」


部屋に入ると3人は共通の疑問が浮かび上がった


「「「あんた誰!」」」


部屋は広く帝都を望める窓に書斎しょさい

右の壁にはベッドが2つと大きなクローゼット

中央に大きなテーブルと椅子とそれに座る男


「初めましてリリアさん、ヒヨルさん、アンスさん」

「私はエリックさんに命を頂き、命を預けた者…名をべネスっ!と言います」

「どうぞこき使ってください」

男は一礼する


…………

口を開いたのはリリアだった

「ごめんなさい」

「言ってること全部わかんない」


「えぇ!」

「今の私の説明がわからない……」

「すみません…どうかもう一度説明する機会をください!」

迫真の顔で迫るべネス


ヒヨルとアンスは目を合わせ何かを察知する

「お……俺はすっごいわかりやすかったぜ」

「だから…俺はもう理解したから……な!」

べネスの顔は明るくなる

「そうでしたか」

「ではリリアさんとヒヨ……」

すかさず割り込むヒヨル

「わっ私もわかってますので!」

「先ほどの丁寧な説明で十分ですので大丈夫ですベネルさん!」


「……私」

べネスという名なんです


はっ!!


「やはりエリックさんのお仲間、私のミスを受け止める寛大な心……」

「ありがたいのですが!完全に理解して頂きたい…どうか私にもう一度説明をさせてください!」


「べネス」

「はいなんでしょうエリックさん」


「俺とアンスは外で買い出しに行くから」

「ゆっくりと説明してやれ……な」


「「えぇ!!」」


そそくさと部屋を出る二人、リリアとヒヨルは男の曇なき眼に断るすべを一切封じられていた


部屋を出る二人

「いいのかエリック…あいつの説明にさく時間ないだろ」


「いいいよ別に、俺もあいつの説明聞かされたしそれに…」

「最初は俺とお前で話したかったし」

「んまぁ……飯でも食いに行くか」



――4番通り 食事処しょくじどこ――

エリックとアンスは同じ野菜料理を食べる

店内には人はいなく貸切状態

もぐもぐ

「うん……うまい」


「なぁ、話があるなら話してくれないか」


「まぁそんな焦んなよ、わざわざ貸し切ったんだ」

「あと数時間は余裕がある」

「まぁ…それならいいけど」


カチャ


もぐもぐ



2人の食事音だけが店内に響き渡る



……………



もぐもぐ



ごくん

なぁ

「俺らについてる嘘はなんだ?」


ピタッ

手が止まるアンス

「きゅ……急になんだよエリック」


「別に変なこと聞いてないだろ」

「アンス……お前は何かを隠してる」

「それは俺たちを思っての事かどうかは知らないが俺は…」

「知れる情報なら全部知りたい」

「それで全てが終わるとしても全て知りたい」


「す…全てが終わる?はっ、大袈裟がすぎるな」


「大袈裟じゃない、この世には知るだけで人生が終わる情報なんてそこら中に転がってる」

「お前も知ってるだろ?そういう迷惑極まりない情報を……」

ふぅ

大きく息を吐くアンス

「はぁぁ、やっぱ隠すのは得意じゃねぇな俺は」

「そうだよあるよ、でも勘違いしてほしくないのは別に騙そうってわけじゃないんだ」

「お前たちには関係があんまないからどっちでもいいかなってだけだ」

ごくっ

水を飲むエリック

「ぷはぁ」

「関係性は聞いた本人にしか決められない、情報はそういうもんだろ」


「まぁそうだな……」

「しかし、どっから俺が嘘ついてるって思ったんだあんた?」

「まぁ、些細な違和感だよ」

「お前が師匠の生きてるかもって聞かされた時、「生きてたんだな」って言ったろ?」

「死が確定されてる人に対して生きてたんだなって言うなら…」

「元々生きてる可能性があるって知ってたんじゃないかなって思ったんだ」


「はぁ…それだけで俺が嘘をついてるって見破ったのか……はは、恐れ入るよ」


「まぁ、死んだと思ってた人が生きてる可能性があるなら生きてたんだなって言うより」

「死んでなかったのかって言うと思う…しな」


「はは、それはその人次第だろ」

笑うアンス

「それもそうだな」

「……で何を隠してんだ」


「あぁ、さっきも言ったが別にやましいことがあるわけじゃないんだぜ」

「これは本当だ……それでも聞くのか?」


「まぁ、さっきも言ったが知れる情報は知るに越したことはない」

「それで全てが終わってもだ」


「ならこれ以上問うのは失礼ってやつだな」

「まず先に言っておくが、言われた通り俺は師匠は生きてるかもって噂は聞いてた」

「それに最初からシグナリアの事知ってたりであんた達は師匠に会いに来たんじゃないかとも思ってた」

「だからあんた達に工房の話とか師匠が死んだって話したら何か情報をくれるんじゃないかって……思ってた」


「はぁ……一つ聞いていいか?」

「思ってたってことは確定されてない状況でお前はヤバめな情報を餌にしたってわけか?」

「いやいや、餌じゃない餌じゃない」

「別に何も出てこなくても、お前らなら提供していいと思ってだな」


「最初から気になってたが、見る目があんのか知らないがそんな曖昧な事で大事なものを餌にすんなよ…いつか痛い目に遭うぞ」


「はは……肝に銘じとくよ」



………………

「で結局なんだ?」


「あぁそうだな……どれから話せばいいのか」

「別にどっからでもいい、わからなかったら質問する」


「わかったよ」

「少し長くなるが聞いてくれ」

「師匠がいなくなってから俺が1人になるまでの話を…」


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