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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第1章  勇者の手記
27/116

26話 研究所跡

朝を迎える前に村長宅に戻るリリアとヒヨル

医療箱でヒヨルが応急処置を行い、二人で眠りにつく



チュンチュン

朝が来る


二人が起きてきたのは夕方



「えぇ!どうしたの二人ともその怪我は!」

驚くアエリ


ブイッ!

笑顔のリリア

「昨日の夜、犯人を……やっつけました」

うんうん

横で頷くヒヨル




息をのむアエリ

ドサ

「腰が抜けた」

泣き出すアエリ

「そうかい…そう…だったんだね」

「ありがとう…二人とも」

泣くアエリに介抱するガンガ


トントン


扉からノック音

「突然すみません、昨日助けて頂いたメゼル・ダリュクと申します」

「リリア様とヒヨル様にお礼と伝言を伝えにきました」


ガチャ


席に着くメゼル

「昨日は本当に…本当にありがとうございました」


「助かって何よりだよ」

「でももう歩けるの?」

リリアは嬉しそうに返す


「はい!今日起きたら一番に会いたいと思い全力で!」


ふふっ

笑うリリア



「あの…その腕」

ヒヨルは申し訳なさそうにいう



「あぁこれですか……」

包帯に巻かれた右腕をさする

「申し訳ありません!」

頭を下げるヒヨル


慌てるメゼル

「やめてくださいヒヨル様、こんなのなんでもないですから」

「メゼルがこう言ってんだからさ逆に失礼だよヒヨル」

はっ!

「そっそうですね、回復されて何よりですメゼルさん!」


笑顔のメゼル

「はい……あっそうだエリックさんから伝言を預かっていました」


「「伝言?」」


「今からある場所に案内しますので…ご同行お願いします」


「「はぁ」」



メゼルの案内で村外れの使われていない井戸の中に案内される

「ここです」


いやそうなリリア

「えっ…ここぉ?」


井戸の中にはロープで作られたはしごがかかっている

そこに入るようにメゼルは案内する


グッグ

二人は恐る恐るくだる


下が暗く見えない


カタン

降りると地下水路が続いていた

不思議に思うリリア

「井戸ってこんな通路ないよね」

ヒヨル

「はい、ないはず…です」


カタンカタン

道沿いに歩く二人

「あ!」


通路奥から光が漏れる

カツカツカツ

走る二人

角を曲がると大きいスペースに出る



「やぁいらっしゃい二人さん」

そこには笑うくせっ毛がいた


ヒヨルは興奮気味に

「えぇ!なんですかここ」


エリックは説明する

「まぁあのゲス野郎を操ってた奴の研究所かな?」

「おそらくもう痕跡すらないだろ」




黙るリリア




「どうして私たちをここに呼んだんですか?」


エリック

「まぁ今回の件を説明したくてな」

「まぁ座りな怪我人達」


ガタン


説明を始めるエリック

「で、まず最初に……」

「その前に!」

割り込むリリア

「なんだよ説明しようとした時に」


立ち上がるリリア

…………

もじもじするリリア

「ごめんなさい!」

頭を下げるリリア



「私…訳もわからずその場の感情で酷いこと言っちゃった」

「その…なんでもするから…また…協力してほしい…な」

「ちょっと待ってください!」

ビクッ

驚くリリア


「私も言いたいことがあります」


はぁ

呆れるエリック

「何?」


「リリアちゃんはメゼル君を助けるために下着一枚になったんですよ」

「それを考えるとエリックさんはこの件を許すべきだと思います」

……下着?

「えっなにお前下着になったの……あの状況で?どゆこと?」

リリアは赤面し目をそらす

「……まぁね」


頭をくしゃるエリック

「まぁお前が下着になったことはどうでもいいが、許す許さないじゃなくて」

「俺怒ってないから」


得意げなヒヨル

「そうですエリックさんは怒ってないんです……怒ってないの?」

パチン

手を叩くエリック

「もういいか?そろそろ説明させてくれ」


席に着く二人

「「はい」」



エリック

「最初に俺があの場で逃げるって言ったのは警備ゴリラが気になることを言ったからだ」


「気になること?」


「あぁ、あいつは「実験の被験者」ってメゼルに言った」

「てことは何かの実験があの村で起きていた」

「それに伴い結界魔術なんてお高い術式も広げている」


………

間をおく



「そこで!俺様は閃いた、実験はこの村を主軸にされているのではと考えた」

「それにガンガが狼にあっても殺されなかったという情報から」

「村人は無作為に虐殺ではなく意図的な選別があると考えたぁ!」


「あの一ついい?」

手をあげるリリア


「おう?どうしたリリア」


「その得意げな説明やめてくれない?」

冷静につっこむリリア


「え…あ…うん」

「まぁそうだよな…メゼルから聞いたけど」

「胸糞悪い経験したんだよな……空気よめてなくてすまん」

謝罪するエリック



…………………

あわあわするヒヨル



リリアは撤回する

「いやっ……やっぱ続けていいよ」

「うん…ちゃんと伝わるし…うん!」



ニヤッ

エリックはニヤつく

(やっぱ…この方法か)

「じゃぁあ!続きを言います!」

「それに二人の青年は噴水に倒れていた」


ビシ

腕を上に上げるエリック

「ちょうどこの上な」


バッっ

上を向く二人

「この上があの噴水………」


天井は閉ざされていた


「そう、噴水の中で殺されたと思っていたけど」

「そもそも青年二人は殺されたんじゃなくて自害したと思ってる」



自害………


「そう…殺して噴水に置いてったんじゃなく」

「死に際に残された人達にメッセージを残してたんじゃないかってな」

「不完全な人体実験は皮膚をズタズタする」

「これを見ろ」


エリックは周り大きい水槽や小瓶が並んでいる棚たちを指差す

「ここでは魔獣と人間の合成種実験が行われていた…」



はっ

リリアはダンパの言葉を思い出す


「予想は最悪の形で的中した…それに捕まったメゼルを見たらもう実験後だってわかった」



はい!

手をあげるヒヨル

「なぜわかったんですか!」


「うん元気でいいね君は」

「人体合成には過度なストレスと腕に斑点のあざが出るのが特徴…」

(まぁ他にも判別方法あるけど言っても無駄か…)


「でも人体合成は投与された薬さえわかればワクチンも作れるってこと」



リリア

「それであの時………」


エリック

「あぁそういう事だ、あの場にいても出来ることないし」

「それなら村駆け回って、研究所と結界の軸探した方が効率的だろ?」



顔を下に向けるリリア

「そう…だったんだね」


腰に手を当てるエリック

「はぁ…何度も言うがやれる事をやっただけだ」

「それにお前らがあの化け物を抑えてくれたおかげでワクチンが作れたしここも見つけれた」

「それ以上に何も望むな…現状に満足しとけよリリア」

「てことでまぁ……ひとまずこの村にはもう怪事件はおこらねぇってことだ」


ヒヨル

「そうですよリリア、出来なかった事よりも出来たことを考えましょう」

「お互い補うことができるって素晴らしいチームだと私は思いますよ」


「うん……ありがと」



エリック

「はぁ…お前といるとクエスト達成してるのに失敗したように思える」


ガタン

リリアは立ち上がる

「ふん!何言ってんの、私はぜんっぜん失敗だなんて思ってにないんだからね!」

笑顔のリリア



井戸の方へ向かうエリック

「ったりめぇだ、俺が直々にやってたってんだ失敗なんてありえない」


ふふ

笑顔のヒヨル


「何カッコつけてんのよぉ!」

追いかけるリリア


「ちょっと置いてかないでください〜」

走るヒヨル




三人は村長宅へと帰る




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