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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第1章  勇者の手記
24/116

23話  人狼

戦闘跡………ですか」


「あぁこの街には人が殺された形跡がなさすぎる」

「おかしいだろ、殺されたのはどっちも青年だ」

「噴水にも傷が見当たらない」

「それに1週間で二人…その間はなぜ事件は起きなかったのか」



「犯人は複数ってことでしょうか?」



空を見るエリック

「にしても一人も気づかないなんてあるのか?」



「よっと」

ダン

降りるエリックとヒヨル



そこには椅子に座るリリアがいた

「あれ?ダンパさんどこに行った?」


机に頬杖をつくリリア

「なんか警備に行っちゃったよ」


「そっか……じゃあ今夜の作戦を説明するか」


えっ!


立ち上がるリリア

「作戦って…犯人の目星がついたの?」


「いいや全然」


首を傾げるヒヨル

「ではどうやって捕まえるんですか?」



チッチッチ

「犯人なんてわからなくても、捕まえればわかる」


リリア

「だからどうやってよ」


「噴水だ」


ピンとこない二人

「「噴水?」」


「そう噴水、はじめに魔力残滓がないってことは魔術は使っていない」

「街の中には争った形跡がない考えられるのは…」

噴水の中で殺された



噴水!


「あの噴水の噴射口だと行けるし」

「断定はできないが可能性はゼロじゃない」


ダッ

歩き出すリリア

「じゃあ今すぐに行きましょう」

「中にいるやつを早くたたかないと」


「ちょっと待て!」

ビタ

動きを止めるリリア

「なに!」


なだめるエリック

「まぁそう早まるな、可能性はあるが完全じゃない」

「動くだけ損ってことだ」


ドドド

迫るリリア

「人が死んでるのよ!ここまできて損も得もないでしょ!」

ガシッ

「待ってください」

リリアの肩を掴むヒヨル

「エリックさんにも考えがあると思うので反論は全部聞いてからでも遅くはないと思います」


顔を下げるリリア

「………」


「いや…お前の気持ちもわかる」

「だからもう一回村長に話を聞く」


ヒヨル

「さっきも聞いたじゃないですか」


「いや、一番聞きたかったことが残ってる」

「人喰い狼についてだ」


…………



「先ほどは失礼致しました…申し訳ありません」

頭を下げるのはガンガの嫁アエラ


「いえいえ、お気になさらず」


見張り台から帰った三人はガンガ宅に戻り夕食をご馳走してもらっていた


はむはむ

行儀良く食べるリリアとヒヨル

驚くエリック

(こいつら……普通に食べれたのか!)


「美味しいですアエリさん!」

満面の笑みのリリアとヒヨル


食事は進み皿を片付けリリア、ヒヨル

洗うエリック

エリックの横にアエリ

「ねぇあんた、顔に似合わず家庭的なところもあるのね」

洗いながら苦笑いするエリック

「はぁ、そうですね顔に似合ってないのはなんとも言えませんがね」

ばしっ

腰を叩くアエリ

「そういう男はモテるのよ」

満面の笑み

(このおばさん本当に同一人物なのか?)


ふぅ

「じゃ、リリアちゃんヒヨルちゃんおばちゃんはもう寝るから」

「風呂沸かしたから入ってね……本当にありがとうね」

トコトコ 

寝室に入るアエリ


「「おやすみなさい」」



「エリック先入っちゃいなよ私たち後でいいからさ」


「あぁどうも…さっき入ったからお気遣いなく」


「いつの間に!」


がしっ

リリアの肩を鷲掴みするヒヨル

「じゃ、は〜いろ!リリア」

「うん!」


浴室へ向かう二人

リビングには二人


とん

ガンガの前に茶をおくエリック

「あぁすまないね」


ごくっ



……で

「人喰い狼ってなんです?」


スゥ

口に当てたグラスを机に戻すガンガ


「クエスト発注の際言っていた奴ですよ」


「そうだね、」



……………


ガンガは神妙な面持ちで話す

「私は夜中、ふと目を開けると目の前に体長2mを超す狼がたっていた」

「口元には血がついていてな、口を動かして言葉を発していたが聞き取れなかった」



「クエスト表には見たしか書かれなかったのはなんでですか」


頭を抑えるガンガ

「私も信じられなくなって…」




ドン!

机を叩く

「だってそうでしょ!息子は殺されてるのに私は…」

「私は狼に会っているのに目を開けるとベッドで寝ていたんだ!」

「わかりますかこの意味が!」

「私は……私は息子が殺されている間寝ていたんですよ!」



はぁはぁ

息が荒くなるガンガ

「子を守らず何が親だ…はは…自分で自分を殺したくなる」

はっ

……すみません、取り乱しました



考えるエリック


「どうですエリックさん、犯人わかりましたか?」



「一つお聞きしてもいいですか?」


「えぇ」


「最近変わったことはありますか?」


考えるガンガ

「そう言われましても…なんとも」


「本当に些細なことでもいいんです、最近のちょっとした変化でも」

「さっき狼に会ったけど気づいたら寝てたみたいな」


「そういえば、昔は頻繁にアエリのいびきで起きていましたが」

「今ではめっきり起きなくなりました」


「睡眠が深くなってる……」

「しかも……」

ダッ

席を立つエリック


「どうしました!」


「ちょっと心当たりがありまして!」


ダダダ

ガララララララ


「聞こえるか二人とも!」


浴室には布1枚が貼られており脱衣所と風呂場が分かれている

キャャァァァァァァァァァァ


「聞いてく……」

「何してんのあんた!」

布の向こうからリリアの怒号が飛び交う

「ほんっとに最低!後でぶち殴るからぁ!」


「最悪ですねエリックさん」

静かに怒るヒヨル


エリックは急ぎ口調で話す

「そんなこと言ってる場合じゃねぇんだよ」


「なにがそんなことよ!」


「この街には結界魔術が貼られてるかもしれねぇんだよ!」


「結界……て……ウソでしょ」

絶句するリリア


「だから早く着替えて行くぞ!」



……………


「あんたがいると着替えられないんだけど」


あっすまん



タッタッタッ

村を走る三人

村人はそれぞれ店じまいする人、家に帰る人、買い物をする人など様々


「はぁ…それでどこに向かってんの」


エリック

「見張り台」


ヒヨル

「あそこならさっきも行ったじゃないですか」


エリックはカバンから何かを取り出す

「あぁでも今度はこれを使う」

手には複数の魔石が埋め込まれた道具


ヒヨル

「それって…魔力残滓を検査するやつですか?」

「でも魔力残滓は一致しなかったのでは?」


エリック

「それは死体の話だろ、結界魔術の場合は効果範囲の軸になった場所にしか残らない」


リリア

「だけどなんで見張り台なの?」

「村を見渡せるから?」


エリック

「それもあるが、あいつが一番うろついても怪しまれない」

「警備と言えばどこへでもいけるし結界の軸を設置できるだろ」

「そもそもこんな辺境の村になんで結界魔術なんて高い術式広げてんだよ」



見張り台についた三人

「俺が開けるから準備を‥」

ドッダァン!

扉を蹴破るリリア

「出てきなさい、反抗的な意思を示したら即刻切る!」

二振りの剣を構えるリリア

はしごは壊されそこに机がある

「あぁ……さっきの君たちか」

「さすがにもうバレるとは思わなかったよ」

不敵な笑みを浮かべるダンパ

「ギルドのバカ連中は死体を調べてさっさと帰ってくれたのになぁ」


ギロ

「どうしてわかったんだ勇者の娘よ」


ブン

剣をふるリリア

「そんなのはどうでもいい…」

「早く止めて捕まって…それとも」

「殺されたいの?」



ゾワゾワ

身震いするダンパ

「いやいいねぇその顔、本物だよ……」

「やっぱりこの研究のお披露目を君に決めたのは間違いじゃなかった」

「さぁきなさい」

ダンパの声に反応するように奥から手を縛られ全身あざだらけの青年が歩いてくる



「な……」

絶句するリリア

「ひどい」

手で口を覆うヒヨル




青年は涙ながらに言う

「もう…殺して…くれ」


はっはっは

笑うダンパ

「何言ってんの君は」

「栄光ある実験の被験者になれたんだよもっと喜ばなくちゃ」

ぐっ

歩き出そうとするリリア

「おぉ〜と」

ザッ


「ぐあぁ!」

青年の腕に剣が刺さる


「こうなる…わかるか?」


カツカツカツ

出口へ向かうエリック


「おい待て」

止まるエリック

「なんだよ」

ダンパ

「どこへ行くんだ君は」

エリック

「どこって帰るに決まってんだろ」

「こんな状況で出来ることないし…ならそいつ見捨てて自分を守るだろ」


笑うダンパ

「いいねぇ君、そうだよ誰しも自分が大事だ…」


グググ

剣を握りしめるリリア

「もういい…」


ダンパ

「なんだお前なんて言った」


ブンッ

振り返るリリア

「そんな人とは思わなかった…」

「薄情者………」

目には少量の涙

「もう二度とあんたに頼らないから…」


無言で去るエリック


「わかるよ」



振り向くリリア

「あんたに何がわかるの」


ダンパ

「仲間とのお別れは辛いよね……うん」


手を広げるダンパ

「さぁ!ここでこの青年を救えるチャンスをあげよう」


「チャンス?」


「そうだよ、俺の要求を飲めば青年を解放するしこの村から手をひく」


「そんな事、間に受けると思いますか?」

刀を構えるヒヨル


「おっと…いいのかな」


ざくっ

「ゔ…」

青年から血が垂れる


「やめてヒヨル」


「ゔ…ごめん…なさい」

青年は泣きながら何かを訴える

「僕たちが村長の言うことを真剣に聞いとけば…」


ハハハ

「オラァ!」

ドフゥ!

ダンパは青年の腹に蹴りを入れる


「話が違うじゃない!」


ダンパ

「いやいや、今のは当然の報いだろよ」

「この村は殺人事件を揉み消そうとしたんだよ」


……え?


「最初に事件が起きた時村人のほとんどは事件を隠蔽して自分たちで解決しようとした」

「殺された奴の親は別でね…」

「そんで次に殺されたのは村長の息子、それまで隠蔽に賛成の村長は独断でギルドに依頼した」

「本当に気持ち悪いよな、最初に隠蔽を言い出したのは村長だったのに」

ま……

「だから、息子をころしてやったんだけどねぇ!」


はやく……


ダンパ

「どうした?リリア・グレイブ」



「いいから早く要求を言いなさい」


うひっ

「そうだな……では」

服を脱いで俺にひざまずけ



え……


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