表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第1章  勇者の手記
19/116

18話  正直者にはわからない

怒るヒヨル

「さっきからなんですか、お父様を調べるって」

「騎士団にでも頼めばいいじゃないですか」



目を合わせる二人

切り出すエリック

「えーと、ヒヨルは勇者って知ってる?」


得意げに

「はいもちろん!世界の救世主ですからね」


「じゃあその娘の名前は知ってるか」



「いえ知りません」


リリアを指差して

「こいつ……」



ヒヨルは目を見開く

「こ…い…つ……!!」


はぐっ


バタン

その場で倒れるヒヨル



上から覗く二人

「どうするこいつ」

「明日にはもう街出たいんですけど」

意見を聞くエリック


「そんなの決まってる‥‥」




チュンチュン

朝日が眩しい

光に反射する黒髪は輝いている

「んっ……」


はっ


ベッドから起きると空の部屋

「私………そっかそうだよね」

辺りを見て察するヒヨル

「ごめ…んね、またドジっちゃった」

下を向き涙を流す





ガチャ

はっ



ドアから昨日見たくせつよ毛がのぞく

「起きたか、支度して隣の部屋来い」


「な…なんで、私置いていかれたと」


「はぁ、俺の依頼者様があんたの話も聞けって」

「内容次第で優先順を変えてもいいってさ」



う……

「う?」



「……んぐっ…本当に……あり…が…とう」

静かに泣くヒヨル


部屋を後にするエリック

「なんか訳ありか……」




―――数分後―――

ガチャ

「あぁ起きたんだねヒヨルさん」


バッ


立膝をつくヒヨル


「わぁ!どうしたの」


「この度は私の度重なる非礼申し訳ありません」

ぽん

ヒヨルの方に手を置く

「いいよそんなの、もっとさ楽でいこうヒヨルさん」

「それにリリアって言ってくれたら嬉しいな」



「ありがとうございます、リリア」

立ち上がるヒヨル

「では私もヒヨルでお願いします」


手を差し出す


ギュ



満面の笑みのリリア

「うん!よろしくヒヨル」



………俺の事忘れてないか?




ぼふっ

ベッドに腰をかけるリリア

「……んで、依頼ってなんなの?」


椅子に座るヒヨル

「…わ」


ためる


「私の家族を救ってほしい」



壁にもたれるエリック

「家族 …ね」



「そう…かじゃあヒヨルの依頼を先にやろう」

「私も手伝うし」


がた

立ちああがるヒヨリ

「え!良いのですか」


足を伸ばし座るリリア

「だ〜て、私のはいつでもいいっていうか」

「まぁ一年以内ならって事だし」

「それに家族が助けられるなら早いに越した事ないでしょ」

ニコッ


う〜

泣く一歩手前のヒヨル

バッ

リリアに抱きつくヒヨル

「もぉリリアはなんで……なんでこう……そうなんですか!」


笑うリリア

「えへへ、わかんないけどなんかうれし」


ぎゅ〜

リリアも抱きつき返す

「ヒヨルもさ、今まで辛かったんでしょ」

「その気持ちわかるからさ、なんとかできるならなんとかしたいってだけ」


う〜


「じゃあ、知ってる情報をくれ」

「俺も情報は提供するから」


エリックの方向を向くヒヨル

「その前に報酬のお話を…エリックさんとリリアにも依頼させてください」


ぴっ

手をあげるリリア

「私は…報酬はいいや」

「しかし!」

「んじゃあ…また会えたら遊ぼっ」


がしっ

「もちろん喜んで!!」



「ていうか報酬は内容聞かないとどうもできん」

「家族救出と言っても絡む奴で危険度が大幅に変わるからな」


こくり

頷くヒヨル

「そうですね、では敵と家族が捕まっている場所を言います…」



ゴクリ



ためる




ためる



「「「わかりません!!!」」」

キリッッ

ピキッッ

「「「「「「「「めんどくせぇなお前ぇぇぇ」」」」」」」」」

声がこだまする

遠いかなたへ響く

もしこの声が聞こえているならばあなたに聞きたい

俺はいつ殴ればいいと……




はぁ

床に座るエリック

「じゃあ何か、場所、敵がわからずとにかく捕まってるから救えだと!」

「無理無理、俺は情報を知っているが全てを司ってるわけじゃない」

「いいか情報がなければ解決しないし、解決しないのは情報がないからだ」


首を傾げる二人

「「……?」」


ドンドン

床を叩くエリック

「だ・か・ら、どんなことでも情報から始まり情報で解決するってこと」

「お前ら脳筋姉妹にはわかんねぇだろうがな!」


リリアとヒヨルは目を合わせる

「‥‥姉妹だなんて」

照れる


今だ!

ヒヨルの頭にチョップを叩き込むチャンス


エリックは立ち上がると同時に右手を挙げる

中腰からの最短距離!

(これは……行ける!)

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

ガシッ

くるん

ググググ

(な…何が起きた!)


リリアが腕を掴みエリックの背中に回し固めている

「あんた、ヒヨルに触ろうとしたでしょ」


驚くエリック

(なぜそれを!)


「昨日のお姉さん二人じゃ満足できなかったのかな?」

(なぜそれも!)



「やめてくださいリリア」


パッ

手を離す


エリックを指差し

「だってこいつがやらしいめでヒヨルを」


ふんふん

首を横にふるヒヨル



「家族を助けるためなら、この身もいとわない!」

決意の眼

軽蔑の眼

困惑の目

3人の目にはそれぞれ感情がのっている

特に軽蔑


「はぁ…悪かった、でもそう言う意味じゃないから」


はぁ

そっと肩を撫で下ろすヒヨル

「よかった…私エリックさん好みじゃないんですよ」



「えっ」

絶句するリリア



…………………………



バッ

トコトコトコ 

ガチャ

「俺もお前なんて興味ねぇぇつぅぅのぉぉ!!」

バタン!!



困惑するヒヨル

「え!どうしたのでしょうかエリックさん」

ぽん

「まぁ依頼は受けてくれるからさ」

「後で謝りいこう……ね」





昼下がり王都へ向け馬車へと向かうリリアとヒヨル


メティスの通りを歩く二人

「ごめんなさいリリア」

「フード切ってしまって」


リリアはメティスで買ったターバンと口に布を身につけていた

「いやいいよ、気にしないで」


ヒヨルはキョロキョロする

「エリックさん…どこ行ったのでしょうか?」

(誰のせいだよ!)と言いたかったが心にしまった



馬車預かり所

カウンターで手続きをするリリア

「こんにちは、はいこれ」

預けた時にもらった番号札を渡すと馬車まで案内される


おっちゃんが不思議そうに

「あぁ、あと兄ちゃんなら先に来てたよ」

「なんか「今は人間が嫌いだ」…とか言ってたよ、大丈夫か?」


慌てるリリア

「あぁ気にしないでこっちの問題だから」



馬車は用意されていた

荷台の中に入る二人

中には毛布にくるまるくせっ毛の抜け殻


それと対峙するリリア

「何してんの…もう出発だから…元気出して?」

「ほらヒヨルも」


座るヒヨル

「先ほど申したのは、エリックさんがカッコよくない……」

ぴくん

動く抜け殻

「のではなく、私の殿方への好意がえ〜と薄いという表現でして」

「エリックさんはかっこいいと思います」



バッ

立ち上がり生気を取り戻す元抜け殻

「まぁ……ならいいけどさ」


(めんどくさっ)

リリアは言おうとしたが件が件だけに心にしまった


エリックは操縦席に行こうとする

「でもさヒヨル、思ってることでも相手のことを考えて正直を隠すってのも覚えろよ」

「今回は俺だったから許すけど、他の人だったら最悪口聞かないことだってありえるからな」



忠告を受けるヒヨル

「申し訳ないです、そうですね先程みたいに正直に言ってはいけない……覚えました」

ぴくっ



「さぁさぁまずは王都へ行こう!」

何もなかったように振る舞うリリア



「あぁそうだね」

エリックの背中はひどく怯えていた




宿場町メティスにより仲間?が加わった旅路

これより行くは王都【セイントエルダ】のギルド本部

言葉は凶器になる…正直者は美徳だけど度を超えると狂気になると思うエリックであった

旅はまだ途中………


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ