16話 宿場町メティス
静まる場
「おい…もっとリアクションくれよ俺が間違ってると思われる」
「誰にだ」
「別に間違ってるとかじゃなくて」
「会えると思う?」
…………
うゔん!
咳払いをする
「鳥報局からリリア名義で手紙を送る」
「内容はこうだ」
以下手紙の内容
お父様について尋ねたい事があります
セイントエルダに向かいギルドへ赴きます
不都合であればそのまま追い払ってください
リリア・グレイブ
「この文章をセイントエルダに着く日の前日に届くように送る」
「そんで、本部に行き衛兵に繋いでもらう」
呆れるリリア
「ほぼ押しかけじゃない」
悪い顔のエリック
「なぁに、勇者様の娘だ……むげには出来まい」
引くリリア
「あんた、いつか刺されるわよ」
頭をくしゃるくせっ毛
「ふん…今更だな」
リリアから冷たい視線を感じるが無視するエリック
「出立は明後日、それまで安静にしとけ」
「俺は買い出しやら準備整えとく」
リリアは頷く
「うん……ありがとう」
出口で足を止めるエリック
「ギルドにも王政の手が回ってるかも知れないから、気を抜くなよ」
「まぁ何もしなければ問題はないだろうがな」
「うん」
二日間の間、各々準備や傷を癒やし観光区を後にする
―――王都への道路―――
王都への道路は全ての区に通じている
早いところは半日もせずに行く事ができる
観光区から王都までは1日半かかる
王都へ行く道の途中には宿場町がある
二人は宿場町「メティス」で一泊する
宿屋
「はぁ〜疲れた」
部屋に荷物を置くリリア
「馬の世話と操縦は俺がしてるんですけどね」
嫌味を言うエリック
ばたっ
ベッドに寝転ぶリリア
「本当にいいの?一緒の部屋じゃなくて?」
「お守りなしで寝れるの?」
返すエリック
「お前こそ大丈夫か?」
「まぁ今度も守ってあげるから安心して寝なよお嬢様」
「うっさい!」
ぶん
「おっと」
どん
枕を投げるが閉められた扉に阻まれる
ガチャ
「今晩は一人で食べてくれ、寂しかったら名前を大声で呼んでもいいけどね」
「もういい!」
どん
扉に飛び蹴りをするリリア
メティスの街を歩くリリア
フードから覗く赤色の瞳はキョロキョロしていた
(初めてくるけどここって道ゆく人ほとんど炭鉱夫なんだ)
ここメティスは近くにあるエレネー山から取れる魔石「ユガリス」を主な産業としている
街の運営などにあてる金は7割ユガリスの利益でやりくりしている非常に珍しい魔石依存の街としても有名である
炭鉱夫達は日中は山にこもり魔石採掘をしている
夜中は欲望のおもむくままに酒屋、風俗の店へと通っている
そのためメティスは「泊まらない宿場町」としての異名もある
メティス歓楽通り 「世界の極楽」
ここは指名制で女の子をテーブルまでよび金額に応じて様々サービスが提供される店
店は広く大テーブルが15個ありそれぞれ囲むようにソファが設置されている
大テーブルの中の一つに鎮座するくせっ毛変態
両手に華
美女がお酒を飲みそれを見る
「うむ……非常にいい」
右の美女がねだるように
「ねぇお兄さんも一緒にのも?」
上目遣いにドキドキするくせっ毛野郎
「えっいや…その…今日は気分じゃないんだよ」
「えぇ〜つまんないよ」
左の美女
「じゃあぁ、私がお兄さんの分まで飲んであげようか?」
ぽん
太ももには美女の手が乗せられた
…………!
バッ!
手をあげるくせっ毛
「テュキュール一本お願いします!」(一本20万エトラ)
むにっ
「お兄さんかっこいい!」
「え?そうかな」
「まぁ俺の分まで飲んでよ」
すまし顔で決める
ふぁ!
辺りを見渡すくせっ毛
「ねぇどうしたのお兄さん?」
「え!いっいやぁなんか視線を感じて」
ぎゅ
腕を掴まれる
「多分それってお兄さんの事狙ってる娘だよ〜」
「どこにも行かないでほしいな?」
ウィンク
興奮するくせっ毛
「もちろんだ…」
リ○ア「あいつ宿に戻ったらお金のありがたみを痛みでわからせてやろう」
店を出るくせっ毛の人
「いやぁやっぱいいな」
……
「待ち合わせ前に歓楽に浸るとは余裕だね」
スッ
エリックの顔が少し冷静さを帯びる
「まぁ難しい話の前は気楽でいたいもんでね」
「じゃ行こうか」
エリックは黒ずくめの人物を誘導する
メティスの一角
ガチャ
「ここは安全かな?」
パチっ
明かりがつく
「俺がセットしたんだ安全性は保証するよ」
「では」
ばさっ
フードを外す
緑髪が肩まで降りている
耳は少し尖って目は大きく丸い
顔は幼いが雰囲気は大人びている
「じゃあ聞かせてくれティルガ」
「手記がどうやって出回っていたか」
「なぜ3年前、レシキと言う街が危険地区として閉鎖され今は地図から消えているのか」
「あぁ…」
………………
考えるエリック
「なるほど…ありがとう良い情報だ」
ティルガはフードを被り出口に向かう
「じゃまた何かわかったら連絡する」
見送るエリック
「おう、頼りにしてる」
ガチャ
「あっそういえば」
振り返るティルガ
「最近、お前について聞き回っている奴を見かけた」
「へぇ…それは物好きもいるもんだな」
「あぁ私も聞かれた」
え
「お前に?」
「そいつ相当頭悪いだろ」
フンっ
ティルガは微笑する
「いやっそうでもないさ」
「私に聞くのが実際一番早いし、最善の手ではある」
「おまっ、言ったのか?」
……ククククプッ
「言うわけないだろ」
「だけど用心するに越したことはない」
「後先考えずに殺してくる奴もいるって事だ」
「そういう頭の悪い奴は己の欲望のためなら全てを犠牲にする」
「まっ頑張れよ」
バタン
部屋で立ち尽くすエリック
「はは……いやまさかね」
まさかだよな?




