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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
第1章  勇者の手記
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11話  魔術

会場は戦場になり辺りは死体で埋まっている

黒服に殺された者、黒服を殺した者で別れつつある

会場から命からがら逃げていく人もいる

「黄金がいるぞぉ!やっちまえ!」



「邪魔だぁ!」



ドン!


黄金はリリアとの戦闘に割り込んできた奴らを瞬殺する


その隙に会場のドアから外通路に逃げるリリア



「ハァ…あそこじゃ間合いも気配も感じづらい」

いそぎあしで通路を走る、先には開けた空間があった

「きた道と違うところに来ちゃったか」


ダッダッ


後ろから気配が迫ってくる


シュッ


背後から拳が飛んでくる

ガシっ

クルン

ダァン!

リリア得意の背負い投げが決まった


「あんた、ほんっと単細胞だね」



瓦礫から見える黄金

「ねぇ、おねえちゃんってさぁ」

いなくなる時あるよねぇ



グッ

剣を構えるリリア

「そりゃあんたがちゃんと見てないだけでしょ」



ズサァー


二人は片足に力をためる


ビュン


ギィィィン


技を出し合う

黄金は全身のあらゆる部位を使いあらゆる角度から攻撃を仕掛ける

「ハッハッアハハハッハハハ、いいねいいよ」


それを受け隙を見計らい反撃を加えるリリア

「こいつ本能の赴くままに攻撃してくる…」



両者一歩も引かない攻防が続く

黄金の体には切り傷が少しずつ刻まれていく

滴る血、下に落ちるのではなく少年の動きに合わせ流れている



刹那……拳がリリアの捌きを超える


メキッ


リリアの左肩に鈍痛が走る

「…………やばっ」



ドォォォォォォォン!


吹き飛ばされ煙で何も見えなくなる



「やった、超えたぞ!あの剣めっちゃ強かったけど超えたぞーー」

両手を高らかにあげ満面の無表情の黄金






──別の通路──

黒服はくせっ毛の男を担いでいる

扉の前に立つと黒服の首に魔力の鎖が繋がれる



「ジェイス様なき世界に未来なし」


ピーキュイン

その言葉と共に鎖は外れ扉は開く


部屋には黒服にハットを被った男がいた

「やぁやぁパーティーは順調かい?」



尋ねられた黒服は淡々と

「会場の半分は殺し、アダム様は狙いの人物と戦っております」



「よいしょっと」

ハット帽は椅子に座ると笑みをこぼす

「そうだね、昨日のディナーでアダム君にあんなに頼まれちゃったら叶えたくなるもんだ…うん」

「……でその男がマスターの名前を知っていた子かな?」



ドサッ


投げ捨てられる

その男の顔を見るハット帽

「へぇ〜コイツは…確かエリック……そう!エリック思い出したよ」

笑いながら喋る

「どうりで知ってるわけだ、ハッハッハッ」



グッ


ハット帽は髪を掴み至近距離で睨みつける

「なんでお前がここにいる…だれの差金だ」

「てか、その黒服も……だろ?」





ビビビビビッビビビ



「アバだjだj……」

倒れるハット帽

背後に頭をくしゃるビビりくせっ毛

「はぁ…ハズレだなコイツも偽物だ」

「目星はここで最後か……もう脱いでいいぞ」

「辺りを調査しろディー、メンション」


黒服は皮膚をちぎる

「あぁ!あっちいし動きずれぇなこれ」

「もっと良いのなかったのかよ」



くせっ毛は状態を起こし

「えぇ〜!俺の最高傑作になんてこと言うんですか」

「ですよねエリックさん!」


あたりの資料を探りながら別の場所を見ることができる魔道具を操作しているエリック

「あぁはいはい、いいから仕事しようねぇ二人共」

「てか早くその顔やめろ」


エリックに瓜二つの顔がにやけながら

「だってこの機会じゃないとエリックさんの顔写してくれないじゃないですか」

「だからほらっエリックさんが絶対しない顔〜」


にやけたり、変顔したりする


「ぶふぅぅぅ、やめろそれ面白すぎるだろ」

爆笑するディー


カタカタカタ

(報酬は半減だなコイツら))



メンションは心臓に手を当てる

すると顔は戻りメチャクチャイケメンの好青年に変化する

「てかさっきの演技どうでしたか!エリックさん」


エリックは棒読みで喋る

「あーうんよかったよ、ステージ上で命乞いはよかったよかった」


ドヤ顔のイケメン

「やっぱあのアドリブは鬼気迫る演技だった」

「おれ劇の役者になろうかな!」




シーン



二人は作業を進めていた

泣くイケメン

「ディーさん、さっき一緒に笑ってたじゃないすか」


本を漁るディー

「あそこで調子乗るから冷めんだよ」


バタン

倒れるイケメン

「辛辣ぅぅ」


ダン!


「良いから黙って作業しろぉ!」

激怒するエリック



黙々と作業をする二人

「それにしてもエリックさんいつになくピリピリしてますね」


となりで作業をするディー

「今、相棒ちゃんが黄金と殺りあってるんだと」


驚くイケメン

「え!マジすか、かわいそうに」


「だからあいつはやることやって早く助けに行きてぇんだよ」


「やっぱ……男っすね!エリックさん」


クルン

椅子を半回転させるエリック

「変な誤解はやめてくれ…俺はただ」

「ただやる事やって、依頼主に情報を提供するだけだ」

「それに‥‥」



再び画面を見るエリック

そこには殺伐とした会場

「それにあいつは心配する程、やわな奴じゃねぇ」





ガラン、ゴト

壁には無数のヒビが入り辺りは煙で視界が悪い

その中に人影

興奮する黄金



「アハ、なんでなんで?確実に左腕はもげてると思った」


ヒュンヒュンヒュン

投げられる剣


キン

黄金は容易く弾く

「武器捨てちゃあおしまいだよ、おねえちゃん……?」



煙から出たリリアの両手には刀身が細い短剣が構えられていた

「私はこっちの方がやりやすいんだよ」

顔から血が流れているが左腕は無傷

「もっとおねえちゃんと遊ぼう」



イヒッ

ニヤつく黄金


ビュン


カキン、カキン

二刀流のリリアは速さが増すがリーチが届かない

「どうしたのおねえちゃん?さっきの方が当たってたよっ!」

ドッ、キィン!

回し蹴りを二振りで止める

ギュイン

黄金は軸足を回転させ


ドン!

逆回し蹴りでリリアを吹っ飛ばす



ズサァァァ



黄金は構える

手をクイッと動かし

「ねぇ遊びにもなんないんだけど」



ふぅ

リリアは口元の血を袖でぬぐう

「もう良いかな」

小声で呟くとおもむろに歩き出す



トコトコ

異様な間の詰めかたに様子を見る少年

その瞬間!


視界からリリアが消える

(これだ!気配を完全に消してる)

(でもこれは攻撃する瞬間に……)


背後に気配を感じる

「バレバレだよっ」

ブゥン!



パキッ


拳で砕いたのは……小石だった


「石?」



ブシュュュュ



黄金の首から血が吹き出す

「…………は?」

横には剣を振った後のリリアがいた

…………!!

「オラァ!」



ブゥン

空を切る蹴り

首に力を加えて強制的に止血をする



「すごいねその魔術、私もそういう正面の力が欲しかったな」

また姿が見えない






…………………







耳元で

まぁこれも悪くないけど


!!!

振り返り側に拳を繰り出す

パキン

またしても小石

今度は切られた痕跡はない

「なら正面から戦おうよ!好きなんでしょ」

黄金はそう言うと



正面にリリアが現れる

「うん、じゃあ正面からやろう」

間合いを詰める

ダッダッダッ

今度は黄金から詰める


「……ふん!」

拳を振り抜く



パキン

小石


横にリリアがいる

「オラァ!」

パキン

小石



「オラァオラァオラァ!」

パキン

パキン

パキン



全ての方位に拳を出すがかすりもしない

正面のリリアはニヤリと笑う

「正面で戦おうって言ったのそっちでしょ?」

「ごめん君みたいな直感で戦う人とは……」

相性最悪みたい



ドクッドクッ

「ごほぉ…」

黄金は血を吐き出し下をむく

左胸には無数の刺した跡があった




ドサァ




黄金は倒れる


それを後目にリリアは地下通路に向かう

一刻も早くエリックを探すために…




数刻後






そこには倒れる黄金と見つめる男

「おやおや、アダムこれは愉快……と言っていいものかな?」

杖をつく男はアダムに問いかける



──ドクン、ドクン──


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