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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
3章 勇者の宛名
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115話 海底の動乱

海底 淵海街

グレシャを筆頭に街中を歩く

寂れた廃墟には確かに居住の跡がある、道には転がる海人が複数

歩く一行の真ん中にいるエリックは周りを見渡す

「どこに行っても国が抱える問題は変わらないとは希望もない話だな」

アンス

「そういうなよエリック」

「ここも陸と変わんないなら絶望の中に希望も同様に落ちてるってことだ」

「悲観するくらいなら前を向けばいいって単純な話だろ」

「強いねぇアンス君は」

「止まれ」

ザザ

前に道を阻む3人の海人

「戦闘か?」

構えをとるディクス

「いや…こいつらは俺の部下だ」

海人が近づく

「兵長…思ったより国の動きは速いと右大臣が」

はぁ…

「そうか、では案内を頼めるか」

「はい」

海人の案内で街の建物に案内される

所々の壁が崩れ外の景色が見える

「……よくぞ戻ってきたな兵長」

「右大臣……遅れて申し訳ない」

ベッドに横たわる右大臣の右腕は無くなっていた

「何を言う兵長…」

右大臣は後ろにいるエリック達を見る

「そなた達が…兵長と共来て頂いた方々ですかな?」

「はい、そうです」

エリックは前へと歩き出す

「私は陸地で情報屋をしています、エリックと申します」

「海路の中兵長と出会い貴国の惨状を聞き助力をしこの地へと来ました」

「我々は協力を惜しみません、何なりと…」

ガタ

ベッドから立ち上がり頭を下げる

「これはエリック殿、貴公の助力感謝いたします」

「今我が国は長きに渡る歪みが表面化し国が二分されようとしています」

「我々の不始末…お力添えに感謝し今後ともよろしくお願い致します」

2人のやりとりを見守る一同

「こちらこそ今後ともよろしくお願いする右大臣」

手を差し出すエリック

「全力でお答えしますエリック殿」

ギュ

「では今の情勢を教えて頂けますか?」

「わかりました」

「地図を」

はっ!

バサァ!

海兵が地図の両端を持ち広げる

「我々が敵対している者達は海神族の復興が目的だと思われます」

ピシ

地図に左手を指す右大臣

「奴らは王宮で陛下、アリィナ夫人を殺害した数日後に国民にその悲報を伝えました」

「王殺害の犯人を海帝兵団 兵団長グレシャ・ラーズ・ノマスとし王子誘拐の罪までも兵長として国へ発布しました」

グググ

グレシャの拳が強まる

「その王殺害の計画は反旗を翻した右大臣の先導によるものとし、右大臣は陸人と繋がり裏から海帝王国を牛耳ろうとしていることから右大臣、海底兵団 兵団長グレシャ・ラーズ・ノマスならびに兵団員それを擁護する者達は一様に罪人」

「その発令後、身を隠していた我々は国から追われ腕を切られこちらの主力である海兵団長のネイトは…」

「すまぬグレシャ…我々が不甲斐ないばかりに」

「いいのです右大臣」

「我々は兵団長になったその日から国のために身命を賭す覚悟をしてきました」

「右大臣が生きている限り、奴の魂は消えない」

……

「そうであるな、国を取り戻そう」

「はい」

右大臣は辺りを見渡す

「王子はエリック殿に匿って頂いているのか?」

「はい」

「王子は陸地で別のルートに」

「そうか……」

「大丈夫です右大臣」

「その者達は私などより用心で正義感に溢れる者達」

「王子の身はここに来るより安全だと確信しています」

ふっ

「そなたが言うなら間違いではないな兵長」

「ではこれからの計画を話してもよろしいかな」

「皆様もおすわりになってください」

周りの海人達が岩の椅子を動かす

「お尻が割れそうです」

小声でヒヨルが嘆く

「贅沢言うな」

隣で静かに座るアンス

「話の前にあんたの腕大丈夫なのか?」

ディクスが右大臣の腕をみる

「君は治癒ができるのか?」

「まぁな…診せてくれ」

バサ

右大臣のローブをまくり血に滲んだ包帯をとる

「い……はぁ…はぁ」

息が上がる右大臣

「何でやられたんだ、この傷跡は」

右大臣の腕の断面はズタズタに引きちぎられていた

「敵の海人が使う魔術に強襲されてネイトに庇ってもらったが…腕を持っていかれた」

「その時海中から牙のようなものが私の腕を持っていたように見えた」

傷を見るディクス

「そうか…少し時間いいか」

「このままじゃあんた、傷口から細菌が入って死ぬぞ」

「やはりそうか」

「どうりで体調がすぐれないと思った」

くら…

ドサ

ディクスは倒れる右大臣を抱える

「ちょっと治してくるから待っててくれ」

「右大臣を頼むディクス」

ふっ

「そう深刻そうな顔すんなよ大男」

「大丈夫、俺がいる限り死にはしない」

「ありがとう」

ディクスと右大臣は部屋を後にする

エリックは立ち上がり地図を見る

「グレシャ…思ってたより事態は深刻らしいな」

「そうだな…」

「だがこれより深刻にはなるまい、私がいる限り好きにはさせん」

「私達だろ」

「そうだったなエリック」

「では今の戦況を教えてくれ」

はっ!

「我々海底兵団は各地に潜伏しグレシャ兵団長の帰還を待つと同時に国勢の収集をしていました」

「国に散らばった部隊20の内8部隊との連絡が取れず、捕まった同胞を助けるためネイト兵団長の部隊が王宮へ偵察に行っています」

「ネイト部隊が偵察に行って何日くらい経つんだ?」

………

「3日ほどです…」

海兵の顔は暗くなる

「そうか…ではまだ希望を捨てるには早いな」

「え…」

「あいつの根性は私は1番知っている」

「大丈夫だ、だてに兵団長を名乗っていない」

辺りを見渡すエリック

「エリック、どうかしたか?」

「え、あぁ…何かメモできるものは無いかなと思ってな」

「でしたらこれをお使いください」

海兵がバッグから何かを取り出す

「これは…石なのか?」

渡された物は紙みたいに薄いが肌触りは石に近い

「はい、この石板を指でなぞると文字が書けます」

「消したい時はこの海藻で擦れば消えるのです」

石板をなぞる

「おぉ…すごいな」

「これを」

海兵の手には緑色の物体

ゴシゴシ

石板に集まる一同

「わぁ、すごいですねこの石は」

「お前使う機会ねぇだろ」

「いいじゃないですか!感動したって!」

怒るヒヨル

「よければ皆さんの分もありますのでご活用ください」

「やった!」

それぞれ石紙を渡される

スルスル

エリックはさっき聞いた情報をメモする

「じゃあ右大臣が帰ってくるまでにもう少し聞かせてくれ」

「今この国を脅かしてる奴らの情報を」



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