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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
3章 勇者の宛名
113/116

112話 分岐ポイント

バサァ

大広間に開く羽

「エゼル君……羽邪魔です」

横にいるほうきを持った女

「ではお前が横にずれればいい事だろミーマ」

「我の羽を余す所なく回帰様に見て頂きたいという無垢な心を否定するきかお前は?」

ふん

ミーマは無視

膝をつき頭を垂れる

大広間奥にかかる金色の布

「よく戻ったな我が英雄達よ」

透き通る声

部屋に響くその声は耳元に直接語りかけるように優しく言葉をつむぐ

布越しに見える人影

エゼル

「回帰様より賜った任務、完遂致しました」

そうか……

「では武を交えていかように感じ取った?エゼル」

スゥ

エゼルは目をゆっくりと開ける

「軟弱………ですね」

………

ふっ

輾転回帰は静かに笑う

「そうであろう…そなたにとって陸人全てが脆い事は至極当然」

「では奴らに海帝王国は任せてはならないか?」

……

「回帰様…奴らは軟弱ですが腑抜けではないと思えます」

「この件、奴らに任せても大丈夫かと私は判断します」

「そうか、ではエゼルお主の意見を受け入れよう」

頭を下げるエゼル

「ありがとうございます」

「してミーマよ」

「はい」

「エリックと話してどう感じた?」

………

「すみません…普通の人間としか」

そうか

輾転回帰は顔を横へ向ける

「回帰様ひとつよろしいでしょうか」

「あぁ、なんだミーマよ」

「エリックと言う人物は回帰様から聞いていた程大層な人物に見えませんでした」

「あの者が分岐点の勝者だとは思えません」

「何があったのかお聞かせ頂けないでしょうか」

……

「我は時代の見届け人故、当事者の快諾なしに過去は語れない決まりなのだ」

「すまないなミーマ」

バッ!

頭を下げるミーマ

「謝るなど!私こそ配慮に欠けた発言を申し訳ございません回帰様」

「ミーマ、一つだけ言えることならあるのだ」

「一つ……ですか?」

あぁ

「エリックが戦えばエゼルだけではなくあの「勇者」にも勝てる可能性があると言う事だ」

!!

エゼルは目を見開く

「回帰様………私にも……ですか」

ふふふ

「エリックは世界の異点……まぁこの話は直接あった時にでもしよう」

「ご苦労だったな2人とも、時が来るまで己が鍛錬に励んでくれ」

はっ!!



霧がかかる海を走る一隻の船

回帰直属の護衛部隊「淑天しゅくてん廻廊かいろう」襲撃から一夜明けた朝

「なんかおっかねぇな」

甲板で椅子にもたれるディクス

「そうかにゃ?」

「私としては太陽のお日様を浴びないと元気が出ないことが心配だにゃ」

横で椅子にあぐらをかくニネット

「太陽のお日様って意味わかんねぇぞバカ」

にゃ〜

目をつむり風を感じるニネット

魔海域最終日午前はディクスとニネットが見張りを受け持つ

「最近船長楽しそうだよな」

……

「そうだにゃ」

揺れるニネット

「やっぱり船長は頼られるより頼り甲斐があるやつと航海したいのかな」

……

「逆にディクスは最近笑顔が少ないにゃ」

「そうだな……」


談話室

「で、お前らの求めてる財宝は目星ついたのか?」

2人は茶を飲みながら語らう

「まぁね、島を転々といて情報を集めてるが成果はイマイチだな」

「『至宝の玉園』はまだまだ私たちの届かない所で輝いてるよ全く」

「まぁいいさ、冒険ははまだまだ途中だしね」

ずず

茶を飲むエリック

「まぁ……お互いだな」

「であの子達の容体はどうなんだい?」

「ディクスから看病を任されてたろ?」

「あぁ‥‥‥‥」

エリックは呆れたように頷く

「うざいくらい元気だよ」

ふふ

「そうか……なら問題ないね」

魔海域3日目

船は平常運行で海を進む


ザパァ

「お天気だにゃ〜!!」

甲板で叫び回るニネット

「あまり走り回るなよ」

「船長も一緒に走るにゃ〜」

「やれやれだね」

ジェルダンは呆れながら笑う

「こっちもお気楽な奴らがいるね」

海の方へ目線を向ける

いっやっふぅぅぅ

ザパァァァ!!

海上に姿を現すグレシャに乗るヒヨル

「楽しいですぅぅ!!」

ガチャ!

船内につながる扉が開く

「お昼ですよぉ」

「食べたいやつは机に並べ!」

ゴイツとアンスは大量の海鮮料理を持ってくる

船の各所から集まり昼食を食べる

もぐもぐ

「んで、あとどんくらいで別れんだよメグリ」

ディクスは貪り食う

「……グレシャのいった位置までこのままいけば2時間くらい」

「でも風向きとかあるからもっと早く着くかも」

ガチャガチャ

食事が進む


「ふぅ…食った食った」

甲板に寝転がるエリック

「あんた食べた後によく寝れるわね」

肩に包帯を巻くリリアが見下す

「うるせぇ、怪我人は大人しく寝とけぇ」

うぷ

食事から数分経ち談話室に集められた海帝国家組

「いつもより少ないから広く感じるなここ」

アンスは広々と座っている

「そりゃうちの船はそこらの海賊より広いからな」

満足げなディクス

「ていうか集めた本人であるエリックさんが見当たらないんですが」

「まぁあいつのことだ、何か準備してんだろうぜ」

……

ガチャ

「待たせたな君たち!」

「遅いですよ」

「いやぁすまんすまん……これを持ってきてな」

ゴロォ

机に広げられた風呂敷を見る一同

「これは……なんですか?」

中身は指輪

装飾として丸いガラスの中に何やら石が入っている

「あぁ……これは人魚の指輪か」

ディクシは指輪を手に取りみる

「人魚ですか?」

ヒヨルも指輪を手にとる

「あぁ、伝記にある人魚伝説の中で人間になった人魚が海に戻るときにはめた魔法の指輪から名前をとった魔道具なんだ…そうだろエリック?」

「その通り」

「この指輪をはめると海中の水圧や呼吸といった問題がまるまる無視できる優れものだ」

「前もってジェルダンにいって用意してもらってたんだ」

アンスは指輪を見る

「すごい加工技術だなこれ……相当したんじゃないか?」

「まぁざっと100万エトラだな……」

「えぇ!!」「たか!!」

アンスとヒヨルは驚愕する

「そんなもんだろ」「にゃ」

ディクスとニネットはさも当然のように指輪を持つ

グレシャ

「エリックは我々が来ることを予見してこのような準備をしていたのか?」

「なわけねぇだろ」

「一応海上に出るからな、もしもの時の保険に買ってたんだよ」

皆が一つずつ指輪をとる

「まぁ集まってもらったのは海に潜る前に軽い注意事項を共有したかったんだ」

「注意?」

「まず一つ、海中に入ったら陸上より魔力の消費が激しくなるから今まで見たいなペースで戦ったらすぐ魔力切れを起こす」

「原因は指輪に魔力を吸われてるからだ、まぁこればかりは仕方ないと割り切るしかない」

「次に水の抵抗に戸惑うかもしれないがグレシャがいうには海帝国家ないでは水はあるけど陸とそんな買わないんだってか?」

頷くグレシャ

「私もここ数日船で生活していて海帝国家と遜色はないと思っている」

「少し水の抵抗があると思うがここら辺の海域の水とは性質が違うから戦闘は慣れていけば大丈夫だ」

「食事や生理現象なども海中では不便はないと思う」

1人アンスは不安になる

(こいつの大丈夫は大丈夫じゃないんだよな…)

「あとは海帝王国には水の魔術を扱う輩が結構いるらしい…そこら中に奴らの魔術の種がウヨウヨしてるからな気をつけろよ」

「なるほど…これは燃えてきましたね」

目をぎらつかせるヒヨル

コンコンコン

ドアをノックする音が聞こえる

「じゃあとりあえず……気づいたことは逐一報告してくれ」

「あとはその場で考えるから頼んだぞお前ら」

「まっかせてください!」

「頼りにしてるぜエリック」

「私も全力で戦うにゃ!」

「頼みます…エリック」


「じゃ、海帝国家を助けて俺たちの目的も果たすぞ」

「「おう!!」」

船はそれぞれの分岐ポイントにつく

エリック達は情報収集のために一足早く海帝国家へと潜入する

リリア達は王子とリリアの魔術を見てもらいに魔術仙人がいるケリアヌ山を目指し陸路で登る

それぞれに待ち受ける結末とは



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