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勇者が死んだ罪と罰  作者: 吉
3章 勇者の宛名
104/116

103話 海の争い

…………

黙る一同

エリック

「そりゃ一体……どう言うことだ?」

「どうもこうも話した通りだ」

「王と王妃は息絶えていた、そこにいたのは王子とフードをかぶる謎の人物」

「それに加え城前からの異様な魔力は王子から発せられていた…王子には返り血がついていた」

ジェルダン

「その謎の人物に見当はついているのか?」

グレシャは首を横にふる

ディクス

「でその後どうしたんだ…その王子は俺の医務室でグースカ寝てるが」

「危険はねぇのか?」

苦悶の表情を浮かべるグレシャ

「危険はない……とは言えまないが」

「ただあの時の王子は様子がいつもと違っていた」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「王子!そやつから離れてください!危険です」

トン

謎の人物は王子の肩を叩く

「おやおや人を見て危険視するとは……」

「どっちが危険かわかっていないねぇ海人もどきが」

トン


トン

王子は歩き出しグレシャに向かい指をさす

「お前…………誰だ?」

………王子

「私です!海帝兵団のグレシャ、グレシャ・ラーズ・ノマスでございます!」

「我々は異常を察知し助けに参りました!こちらへきてください王子!」

「おう……」

ビュン


ガキィン!!

「な……」

グレシャの前には鋭い爪を受け止める湾曲した剣

「グレシャ!!臨戦体制!!」

ザァン!

ネイトは剣を振り上げるがかすりもしない

パシャ

「な……んで……王子」

目の前の王子はいつもと違う表情と体格

筋骨隆々で手先には鋭い爪と夥しい魔力

「国家転覆の罪により、そこにいる人物と王子ウィズラール・デクリシュ・ログナーンを……」

「ここで始末する!」


「なぜです………王子」

ビュン!


ガキィン


ガキィン!

爪と剣が混じり合う

「そんな強かったとは知りませんでしたよ」

ザシュ!

剣はウィズラールの胸を切り裂く

「うぅ……ヴァアア!」

グサ!

王子の顔は険しくなる

ジュゥ

ウィズラールの傷は煙と共に消える

ははは

苦笑いのネイト

「早いとこ手ェかしてくれよグレシャ」


「お前は……なぜ王子に剣を振れる」

呆然と立ち尽くすグレシャ

「あの王子が我々に敵対行動するわけないだろ!」

「あんな優しく慈愛に満ちた子なのだぞ!」

「何かの間違いだ…あの男が操っているに違いない!」

ビュン!

ウィズラールが襲いかかる

「王子!……おやめください!」

「バカが…」

グシャ!

「うぐ……」

ポタ

ネイトの腹部に貫通する爪

ピキピキ

ウィズラールの体には碧い色の鱗が浮かび上がる

グチュ

ネイトの傷口を動かす爪

爪は動かずネイトは笑う

「力比べで俺に勝てる思ってんですかい…ウィズ!」

ブゥン!

「ぐふぁ…」

ウィズラールの腹に拳が入る


ダァァァァァァン!

吹き飛ぶウィズラール


ジュゥ

手の甲から煙が出るネイト

「なぜ王子に剣を振れるかって……そりゃよグレシャ」

「王子を一刻も早く解放してやることが唯一救う方法だからだよ」

「もうそれしかねぇだろグレシャ!」

パチパチ

フードは拍手を送る

「なめてんのかオメェは」

剣を構えるネイト

「いやいやすまないね」

「即座に死による解放が救いと思えるその心に賛辞を送りたくてね」

「つい手が動いてしまった」

「だが……」

ガタ

壁から落ちるウィズラール

「この子が全力を出したら君たちなんて一瞬で解放しちゃうからね」

ニヤける謎の人物

「さぁウィズラール、見せてあげな」

原始の世界(オリジン・バース)

「オリジン・バース……」


ガタァ!!

「おわ!……何よ急に」

リリアの後ろで突然立ち上がるエリック

「どうしたエリック、顔色悪いぞ」

アンスはエリックを見上げる

「いや……悪い」

「続けてくれ、少し驚いただけだ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


原始の世界(オリジン・バース)と言われた王子はひどく苦しんでいた

「うぐ………」

ドサ

ウィズラールは膝から崩れ落ちる

はぁ

フードの男はため息を吐き倒れるウィズラールに近づく

「王子に近づくなぁぁあ!」


ガキィン!

「同じ種族だと思えないな……恥を知れ」

グレシャの槍を素手で止める

「はぁぁああ!」

槍の連撃

ガキガキガキン!

「つまらん」

左手で全てを受け止める

ヒュイ

フードは右手で横に線を刻む

………

ブシャ!

胸を切り裂かれ血が噴き出る

ボタボタ

後ろへよろめく

「はぁ……おう……じ」

ぐっ

腹に力を入れる

「ウィズラール・デクリシュ・ログナーン九世!」

「あなたの手でこの国を救うのです!父が守った気高き王国を!」

ガッ

フードはグレシャに向かい前進する

「半人は黙れ」

ジャキン!


宙に舞う腕

ボタ

「だからガキは嫌いなんだ」

フードの右腕は根こそぎ切断されていた

はぁ………はぁ

「グレ………シャ」

「王子!ご無事で」

ふら

ウィズラールは虚な顔で意識を失う

ダッ!

ギィン!

ぶつかり合う拳と剣

ネイトはフードに交戦を仕掛ける

「グレシャ!」

腹から血を流すネイト

「王子を連れて国を出ろ!」

「ここではもう誰も信用してはならん!こいつらの狙いは王子だ」

「今は時を待ち気を伺うのだ、我々には変えがいる……だが王子だけは我々の唯一の希望だ!」

「ソード様に会い、我々の国を救ってくれ!」

そうはさせん

パリィン!

天井のガラスが割れ何かが降り立つ

「王を渡せグレシャ」

尾ひれがついた海人

グレシャは目を見開く

「デスト……助けに来てくれたのか?」

グレシャと同じ海帝兵団兵団長デスト

「当たり前だろ……さぁ渡せ」

はぁ……

グレシャは息を荒くする

「では……その返り血はなんだ」

あぁ

デストは服につく血を見る

「あぁ……これは城の周りにいた敵の残党を殺した時についたんだ」

な………

グレシャは目を見開く

「城を囲んでいたのは我々の仲間だぞ!」

ピュン

「がはぁ……」

デストの指から圧縮された水鉄砲が肩を貫通する

「うるせぇ………半人風情が」

「生きがんなよ、はやい所死んでくれ」

グググ

グレシャは拳にぎる

「デスト……兵士の誇りを忘れたのかぁ!!」

バザァン!

グレシャの周りを水が取り囲む

ニヤつくデスト

「忘れてねぇよ……王の為、種族のために身命を賭して戦う」

「今もやってる最中だろうが」

水はみるみるグレシャを取り囲み大きな人型へと変貌する

「ならばデスト…………ここで王国のために死ね」

水壁から見える眼力の影

「王子……ここで待っていてください」

そっと横に置く

ふっは

デストは手に水を纏わせる

「協力してやろうか?デスト」

後ろで戦っているフードとネイト

「いやいい」

「そろそろこいつを殺しとかねぇとと思ってたんだよ」

「グレシャ……お前は正義と実力が釣り合いすぎてんだよ」

「だからお前はダメなんだ…お前の正義は敵を作りすぎる」

「振り回されるこっちの身にもなれよ」

デストは構える

「一回お前と本気で殺し合いたいと思ってたんだ」

「グレシャ……お前の魔術{水流すいりゅう}となぁ!」

バシャ

グルグルグル!

グレシャを取り囲む水の渦

槍に水流が巻き付く


バシャ!

渦と共に突進する

ドポドポ

デストの腕には何重にも水の層が形成される


ビュ


ドッパァァァァァァァアアアン!!!

水拳と水槍が激突する

両者引かずに水を撃ち続ける

「どうしたグレシャ!」

「そんなもんじゃねぇだろ!」

ドプドプ

デストの水が侵食していく

ガチ

バシャン!

拳がぶつかった瞬間グレシャの腕が後方に吹き飛ばされる

「乱れてんぞ!はっはぁ!」

間合いを詰めるデスト

デストの拳は胸をめがけて振り抜かれる

ビュ…………


パシャン

…………は?

デストの拳は胸をかすめ空を切る

「乱れているのはお前だデスト」

ドン


王室の床に横たわるデストとネイト

くくく

腹を抱え笑うフード

「さすがだね最強の海兵グレシャ…デスト君じゃ歯が立たないか」

「一応同じ兵団長なんだけどね…ぷぷぷ」

上を見上げるフード

「おっと……邪魔者だね」

バギィン!

上空から巨大な魚が飛来する

がぱ

口が開く

「さぁ早く乗ってくれ!」

「右大臣!」

グレシャは魚の口へ走る

「行かせるわけないでしょ」

左手で空を切る

ガシャ

フードの左手に絡まる湾曲した剣

(魔力が上手く練れない)

「面倒な……」

ニヤけるネイト

「……やらせるわけねぇだろ」


がぷ

グゥン!

魚は上昇し空へと進む

それを見上げるフード

「まぁ……いいか」

てか

「いつまでくっついてんのかな」

舌を出すネイト

「お前が死ぬまでかな」

ザシュ


パシャ

切られたネイトは水へと変わる

「高濃度の水分身………やはり君も兵団長だったわけか」

「それに比べ………はぁ」

「起きろデスト」

バサ

「な……あいつ殺せると思ったんだけどなぁ」

「バカを言うな……君と違い実力も兵団長なんだよあいつは」

バサァ

フードを取ると大きな魚眼にエラ

肌は橙色、耳にかけて少し青く変色している

「彼は君みたいに誰かの助力で兵団長という似合わぬ肩書きをもらった弱者じゃないよデスト」

「ひでぇな、ゾディアさん」

「俺だって兵団長として威厳は保ってたと思うけどな」

………

「てか、王を逃して良かったんですか?」」

ふっ

笑うゾディア

「大丈夫さ…王は我々の前に再びお見えになるさ」

「必ずね」


ラティス郊外 


ゴォン

ガパァ

大魚が着地する


「すまない……兵長」

降り立つ右大臣

「いえいえ、救援感謝します右大臣」

服から尾ひれが出ているカッチリとした右大臣

「早速だが君には王子を連れて国外へ身を潜めてほしい」

!!

「なぜですか!、有事の際こそ海帝兵団の総力を持って……」

「ダメだ!」

………

「いいか…これはもう有事では済まされない異常事態なのだ兵長」

「王は殺され、王子には原始の世界(オリジン・バース)の素質があるという国家機密が外部に漏れていた」

「その上、海民達は真の海神族を取り戻せと各地で暴動が起きている」

「いいか…兵長……王子が誰かの手に渡ったら…この国だけではなく世界が滅ぶ」

「我々に残されたのは一つ数百年の不可侵条約を破り外部の手を借り……」

「この国を変革するしかない……」

言葉を飲むグレシャ

「我々は海にいすぎたのだ……海人族がこの星で最強の種族と謳う団体に浮かされ現状の不可侵を破り陸人に戦争をなどの意見も出てきている」

「ここまできたら……数十年前にこの海の国を救った陸人「ソード」という人物を探し助けを懇願するしかない」

「この件、最早お前に頼るしかない……頼めるかグレシャ兵団長」

「くれぐれも王子の件は口に出すでないぞ」

頷くグレシャ

「右大臣……これからどうするつもりですか」

「王不在の中…国はどうするのですか」

右大臣

「それは心配することではない」

「現状では海民の暴動はまだ表面化していない…」

「王国を乗っ取ると考えても………1月か2月はあると私は思う」

「だから兵長……頼む」

「国を救ってくれ」


そこからは王子を抱え外界へと進みこの船に行き着く

そこの道中で敵には合わずここまで2週間くらいでこれた


……………

黙る一同

「わからなかったことは答えるぞ」

……

手をあげるヒヨル

「あの……知ったら国から追われると聞いていたのですが」

「どれがそれなんですか?」

不思議そうなグレシャ

「話の途中で言っていたと思うのだが……」

「だからなんだよ」

口を挟むディクス

「それは……原始の世界(オリジン・バース)の所だ」

……………

「だから原始の世界(オリジン・バース)ってなんだよ」

………

「皆さんは知らないのか?」

頷く一同

はぁ…………

グレシャは何か言わなくていいことを言ってしまった表情

おほん

「えぇ〜と……まぁ……では」

「国から追われるとは私の軽い冗談で………」

「「「嘘つけ!!!」」


全員の総ツッコミを喰らうグレシャ



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