102話 事の真相
目を開くと木目
「うぅ………顔が痛い」
「そりゃ蹴られれば痛い」
ん
エリックは起き上がると目の前にディクス
「すまねぇな余計な事させちまって」
エリックの頬には布が貼られている
「気にすんなよ」
……………
ヒュー
窓から吹く風の音だけが鳴る
天井を見るエリック
「お前達の旅は大変そうだな」
ディクスの一言
「最初に勇者の娘って聞いた時は嘘かと思ったが……」
「ここ数日でその片鱗が見えたよ」
「俺じゃああんな決断は下せねぇな」
はは
笑うエリック
「確かに俺もああは言えないな」
ーーー昨夜 談話室ーーー
「さぁどうする、どちらを捨てる」
「お前が選べリリア」
「私は…………」
トン
「私はそれでも、目の前で苦しんでる人を見捨てられないよ」
指先には北の海域「海帝国家ラティス」
「いいんだな、ミカノツカイ皇国を諦めるってことは旅の目的から大きく外れる」
「もしかしたらこれを機に永久に謎のままになるかもしれねぇんだぞ」
リリアは顔を下に向ける
「言った後に意地悪言わないでよ」
はぁ…
「意地悪じゃねぇよ」
「これは最終警告ってこと」
……
リリアは顔を上げる
「この先どうなるかわかんないけどさ」
「ここで皇国行ってお父さんのこと知れても私がここでグレシャ達の事を見捨てたって後悔すると思う」
「それだけは絶対思うから、助けるよ私は全力で」
「誰にばかって思われてもそれが私だと思うから」
ふっ
「だってよグレシャ」
「決まったからには俺たちは嫌でもお前らを助けるからお前も全力で協力しろよ」
ドン!
グレシャは机に頭を振り下ろす
「すまない!……ありがとう」
「うん、私達も協力するからグレシャも協力してね」
「もちろんだ!」
「男前が台無しだよグレシャ」
ジェルダンはハンカチをグレシャに手渡す
「ゔぅ……すまない」
涙と鼻水でボロボロの顔
「じゃあ……て、話は明日でもいいか」
「さすがに疲れた」
エリックは机に伏す
「あぁもちろんだ、どの道魔海域を抜けてからラティスの道が早いからな」
「改めてよろしくお願い致す」
ーー現在 医務室ーー
「魔海域まで後どれくらいなんだ?」
エリックは壁にある地図を見つめる
「メグリによると追い風の天候は良好のまま行けば明日の早朝に着くそうだ」
「早朝ね…」
「それを遅らせるために今夜ゴイツが結界で進行を遅らせて…………明日の昼くらいに魔海域に入る」
「お前は船の中で王子様と寝とけ」
ごろん
「そうさせてもらうよ」
「正直魔海域がどんな空模様か気になるが…空に気を取られて海に殺されたら笑いものだもんな」
「なぁエリック」
「船長とはどういった関係なんだ?」
…………
「詮索はするなって言われてたと思うが?」
……
「そういうんじゃねぇよ」
「……その……船長の事を異性としての関係をだな……」
?
「なるほど」
笑うエリック
「なんで笑ってんだよお前は」
「安心しろディクス」
「俺とあいつは旧知の中、それ以上でも以下でもない…ただそれだけだ」
………
「そうか……」
重々しい雰囲気の夜
一同は談話室に集まる
各々椅子や箱に座り視線をグレシャに集中させる
ガチャ
「王子様はぐっすり寝たぞ」
ディクスが部屋に入る
「ありがとう」
箱に座るエリック
「王子には聞かせたくねぇ話なのか?」
グレシャは頷く
「あぁ、それと今から話すことは王子には内緒で頼む」
……
「王子に話すにはあまりのも悲惨すぎる」
……
「わかったよ」
「ありがとう、では私が目にしたラティス崩壊の顛末を話す」
「これより話すことは全て事実であり、決して虚偽を述べないと海帝兵の誇りに賭けて誓う」
ーーーーーー
私は陛下の番を変わるために自室で支度をしていた
その時
王城から魔力を感知した魔石が光り音をあげた、そこから話は始まる
ビィービィー
!!
「何事だ!」
ガシ
ダダダ
グレシャは魔石をとり家を飛び出す
「全兵団につぐ、王城より魔術の反応あり!」
「至急!王城へ参上し王をお守りするのだ!」
ビュン!
グレシャは家屋を飛び越え王城への最短ルートを走る
(ここから数分……今日の護衛は副兵長のアンドか……どうか繋いでくれ)
………
「どうなっている」
王城へつくとそこには門兵はいなく閑散としていた
ギィィィ
グレシャは城の扉を開ける
「誰かいないか!」
シーン
返事は帰らずこだまする
!
「これは…」
ぬちゃ
グレシャは壁についた血痕を触る
「新しい…血痕」
通路に張られた水に滲む血
ガシャ!!
音の方へ振り向くグレシャ
「落ち着けグレシャ…俺だネイトだよ」
「お前か」
「他の兵士達は…なるほど外に囲っているのか」
城を取り囲む多数の魔力反応
「俺たちで偵察し合図一つで取り囲む、初手で全員殺される危険性を考慮しての作戦だが」
「どうかな?」
ふっ
「まぁまぁだな、同じ兵団長として言わせるのなら囲むなら等間隔に二人づつ配置をしてほしいがな」
パシャ
歩くネイト
「早いとこ登録外の魔術者を捕えるぞグレシャ」
シャキン
ガキン
グレシャとネイトは腰についていた武器を展開する
グレシャは尖った一本の槍、ネイトは湾曲した剣
ピシャ
ピシャ
慎重に王が眠る階へと進む
「気づいてるかグレシャ」
「あぁ……どんどん近づくな…異様な魔力しかも場所は」
玉座がある王室
王室前
「行くぞ……グレシャ」
扉に手をかけるネイト
「相手は微動だにしていない」
「探るだけ探り、判断次第では即撤退…いいな?」
「了解だ!」
ガチャ
ジャキン!
武器を構える両者
ザァァ
王室は激しい戦闘痕が残り天井が割れ海空が見える
割れた隙間から水が地面へと流れる
目の前には主犯と思わしき二人組の影
「な…………………………王子?」
そこには王と王妃の死体
それを見下ろす王子と謎の人物がいた




