[三部七章]会議②
『もういっそ変装するしかない‥‥‥‥‥??』
「聞いた話では変装も意味なさそうですが‥‥‥」
確かにそうだ。あの人の目をかいくぐるなら変装だけじゃ足りない、けどそれ以上にどうしたらいいのか分からない。
「大学の方は八代様に協力を仰いで名前などの変更をすれば問題なさそうですが‥‥‥‥」
『お、すごい良い提案じゃん』
そう褒めてもノワールの顔色はあまり良くない。
「それでも大学しかどうにもなりませんがね‥‥‥‥‥」
もういっそ大学に引きこもるしかないかと思ったけれど、大学も一般人が入れる場所だ。どうしようもない。
『それでもなぁ‥‥‥‥‥一般人が入れるって事を考えたら‥‥‥‥‥参ったなぁ』
「たかが人間に手詰まりにされるだなんて‥‥‥‥‥本当に化け物ですねぇ」
そう言いつつドリンクを出してくれるノワール。
『自分の母親ながら、本当にねぇ‥‥‥』
「全く、留学でもしますか?」
‥‥‥ん?
「大学側に新制度として留学制度を作って‥‥‥‥留学先はマスターのゆかりのある土地のイタリアで‥‥如何でしょう」
『如何でしょうって‥‥‥‥‥それ永遠に帰ってこられないしそんなに新制度ポンポン作っていいの?』
「マスターなら造作もないことかと。幸いにも貴方頭は良いようですし」