[三部七章]日常
『まぁ、それはそうかな。』
「じゃないとやらねーっての。俺は汚れ役が仕事なんでね」
『何カッコつけてんのさ』
「はぁ!?カッコつけてねぇっての!」
何となく気になって突っ込んでみたら慌てる内亜。
『うっそだ〜』
「はぁ!?いや、マジで…」
珍しくペースを崩される内亜に笑いが堪え切れない。
『マジで…何?』
「だー!うるせぇ!図書館の仕事くらい覚えてるから行ってくる!時間厳守だろ!」
そう言って顔を赤くして席を立つ内亜。ついつい微笑ましくなってしまう。
『あはーそうだね、うん』
そう言って内亜を見送ると、葵が目を覚ます。けれど腰のあたりをさすっている。無理させすぎたかな。
「これ、怖い痛いじゃない?」
そう言って涙目で訴えかけてくる。可愛い。
『大丈夫な痛みだよー』
そう伝えて葵の腰をさすってあげる。
「うー…起きるの痛い、抱っこ」
そう言って甘えるように両手を伸ばしてくる葵。自制心が試される気がして少しだけ堪える。
『はいはい。』
羽根のように軽い葵を抱き上げる。
「んぅ。文人私の」
この子は分かってて言っているのか?と思うくらい可愛い事を言ってくる。
『可愛い〜!!』
そう言ってスリスリ頬擦りをすれば、むふー、と満足げな顔をする葵。可愛い。