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[三部七章]談義
「良いも何もそれしかねぇだろ。葵の印の事もあるし、お前ら暫く離れるな。最悪俺の分身だけ図書館においとけば仕事はできるからな。」
『‥‥‥‥分かった。』
「俺がいないからってあんまり葵に手出すんじゃねーぞー」
けしかけた当人に言われてつい言い返す。
『は?言われなくてもしないし、ってかアレは内亜のせいじゃないの?』
内亜は口笛を吹きながら誤魔化す。
「さーてーなー。知らんな。」
それに苛立って弁慶の泣き所を蹴ると、霞のようになって避けられた。
「ふ」
ドヤ顔をされて更に苛立つ。
『チッ』
「そうだ、お前から聞いた話、ノワールには伝達しておく。いいな?」
『ノワールさんは何もしないよね‥‥‥‥‥?』
そう問いかけてみるも、内亜はくすくすと笑って答える。
「あいつは俺と違って変な事はしねぇよ。ま、お前が葵に何かしたら知らねぇけど。」
『は?させたの間違いじゃないの?』
「でも色々楽になったろ。」
葵の方を見て優しげな顔をする内亜。
『まぁ、それはそうかな。』