[三部七章]隠し事②
「一応互いのプライバシーは守ってるからな。」
『へぇ、なんか意外。』
そう言いつつ葵の様子を確認する。多少痛くて涙をこぼしてはいるが、僕の腕の中で眠っている。可愛い。
「お前は俺を何だと思っているんだ。‥‥‥ところで葵は落ち着いたか?」
『うん。大丈夫そう。』
「そうか、これからどう動く?」
そう言われて考える。‥‥‥‥‥ダメだ、考えても分からない。
『目をつけられたって事はいつ来てもおかしくないって事だよね?結界みたいなの張れないかな。』
そういうと内亜は渋い顔をする。
「そんなのここにいますよって言ってるようなもんだろ。余計にバレやすくなるんじゃねーか?」
『じゃあどうしたらいいんだろう‥‥‥‥‥』
「幸い細かい位置までバレてるわけじゃねぇから何とかなるんじゃねーか。お前の方と違って。」
僕の方、そう言われて肩が反応してしまう。やっぱりあの人は怖い。
「幽鬼の結界があって良かった、本当に‥‥‥‥」
『父さん来てたの?』
それは初耳だ。すると内亜は
「あぁ、ちょっと前にな。」
そう答えた後、僕の方を見て厳しい表情をする。
「つーかお前余りにも無防備すぎるぞ。あの女に喫茶店に呼ばれた時点でお前の仔と連れて行こうとしてたの分かってただろ。」