[三部七章]隠し事①
流れ込んでくる痛みを堪えつつ葵に声をかける。
『‥‥‥‥葵、大丈夫?』
「うん、少し痛いの無くなった‥‥‥‥」
『それは良かった。』
不思議そうな顔をする葵に笑いかける。
それに対して厳しい表情の内亜に疑問を投げかける。
『どうしたのさ、内亜』
「ったく、俺の契約者は隠し事が多い‥‥‥‥」
『?』
首をかしげていると、内亜がすごく渋そうな顔をして言った。
「多分だけど見つかったねぇ、これ。そっちもこっちも見つかるとは運が悪い。」
『見つかるって何にさ』
「天上のカミサマにだよ。」
そういえばそんな話をしていたような気がする。
「んで、自分の物だと思ってる神様が、自分の物に手つけられたらどうすると思う。」
『どうって‥‥‥‥そんなことするなー、とか?』
「ご名答。葵の頭痛はペットへの躾と大差ない何かだと思う。‥‥‥‥‥葵の馬鹿、早く教えればいいのに。」
(葵は、何で教えてくれなかったんだろう‥‥‥‥‥)
思っていることが顔に出ていたのか、内亜が言う。
「お前とかと一緒だろ。心配かけたくなかったからー。とか。ま、俺の場合気が付いてたら即刻対応してたけどな。」
意外だ。この二人、感情とかは全部共有してるものだと思ってた。
「まぁ一応プライバシーとかは守ってるからな。」