[三部七章]異変と異変
『それ、他の人と共有した方が良いと思う。』
僕がそう言うと、言いづらそうにする葵。
「う‥‥‥‥どうしても?」
『うん。内亜とノワールには言っといた方が良いと思う。』
「わか‥‥‥‥‥っっ!?」
素直に頷こうとした瞬間、頭痛を訴えかけるように頭を押さえる葵。
『頭、痛い‥‥‥‥‥‥‥っ』
痛みの故か涙をこぼす葵。瞬時に内亜が出てきて僕の方を見る。
「どういうこと?」
『僕の方も分からない、急に苦しみだして‥‥‥‥‥っ』
苦しそうな葵の事が心配で、葵に問いかける。
『葵、どうしたの?頭痛いの?』
コク、コクと頷く葵。つい気になって左手を見ると、真っ赤な悍ましい紋様が現れていた。
「痛い、痛いよぉっ」
そう言って泣きじゃくりながら僕に抱き着いてくる葵。なだめるように髪を撫でながら手を取って内亜に見せる。
すぐに眉を顰めて紋様に触れないように確認してから、僕の方を見る内亜。
「文人、すぐさまその悍ましいのに触れてみて。」
『こ、こう?』
そう言って触れてみると、火傷しそうなほど熱くて手を放しそうになる。けど葵の為ならと何か考えた結果、自分の魔力を流してみることを思いついた。
『痛っ』
すると自分の方に頭痛が流れ込んでくる。けれど今は堪えないと。