[三部七章]心の中の本音②
「だからこそ話したくないってのもあるんじゃない?」
‥‥‥‥あぁ、そうか。なら“理解させればいい”。
『へぇ、ふぅん。そっか。』
「なんとかなりそ?」
そう問われて思いついた悪事を吐露する。
『葵が無垢すぎるのが問題なら、いい加減精神年齢的にも経験させればいいんじゃねーかと思ったわけで‥‥‥‥』
「それはやりたがらないんだろうよ。」
『そうなんだよなぁ‥‥‥‥‥‥どうにか無理やりこう、環境を‥‥‥‥あ。』
ふと思いついた。黒人が不思議そうにこちらを見る。
「なーに?」
『や、ちなみに文人の方はそーいう気持ちはあんの?』
問われたことに不思議そうにする黒人。
それからなんとなくの意味を汲み取って頷く。
「まぁ下心はあるだろうねぇ。」
『なら同意得てヤれば良いんじゃねぇかと思う。』
「そんな簡単な話でもないと思うけど‥‥‥‥‥」
俺だってそんな簡単な話で済むとは思ってはいない。
『同委のある行為か否かの違いくらいは分かるだろうし、その違いはでけぇんじゃねぇかって。』
「それは僕もそう思うねぇ。」
『その辺うまくコントロールできねぇの?』
「うーん。今えぐいくらい落ち込んでるからさ。難しいかもねぇ。時間置かないと。」
時間を置いたら別の問題が発生するんだよなぁ。
それを口に出さずに頭を抱える。
『そーかよ‥‥‥‥‥あぁ疲れた。どうしようねぇ、黒い文人。』
「お疲れ~僕に聞いても何の案も出て来ないよ?」
『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥分かった。強硬手段で行く。』
唐突に立ち上がった俺に対して少しの戸惑いを見せる黒人。
「え?え?‥‥‥‥何なんだ??」
そう言って不思議そうにする黒人を置いて、俺は文人の内面深層世界から出る。