表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
225/246

[三部七章]立ち向かう勇気


『お前は葵が拷問にかけられたことがあるのも、たくさんの人を殺したことも知っている。それらだって立派な穢れだともいえる。けれどお前は葵を醜いと思うか?』


「‥‥‥‥いや、思えない、だって、葵は葵じゃん。」


『そういうこった。ならその悪い記憶、出来事はお前の捉え方次第で幻想と変わらなくなる。お前のそれもな。』


そう言ってもこいつの顔は沈んだままだ。‥‥‥‥確かにされたこと‥‥‥それ自体は心に深い傷を残す。けれど、それは本人の捉え方次第でどうだって出来る筈なんだ。俺だって天使の頃の記憶は曖昧だけれど、何とか気にしないようにして生活できている。


『だから、気にすることなく吐けばいい。今回だけ、葵には知らせずにいてやるからよ。今回だけな。』


「そうしてくれると助かる。」


『んで?事情は?』


「‥‥‥‥やっぱり言えないよ、吐きそうになる。」


段々とコイツの態度にイライラしてきた。


『吐け。吐けねえと幻想は幻想にすらなりゃしねえ。』


畳みかけるようにそのまま続ける。


『辛く苦しい事は分かってる。が、あの女はこの街にいるんだ、あいつを避け続けていても、いつかはまたこの街にいる限り出会うことになるんだ。それまでに過去の記憶を幻想にして立ち向かえるようにしておくべきだ。』


そういうと苦々しい顔で文人は言う。


「あの人については父さんの方が詳しいと思う‥‥‥‥‥されたことも。」


『俺はお前から聞きたい。でないと話が始まらねえし終わらねぇんだ。それに、俺はそんな弱い奴に葵を任せたくねぇ。だから吐け。立ち向かえ、負けんじゃねぇ。』


すると文人の表情が変わる。


「立ち向かってるよ!だけどどうしても口にできないんだ!!」









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ