表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
219/246

幕間⑭うたかたの夢


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ここはどこだろう


何だか荒廃した街のような気がするけれど、こんなところ来たことがない。


『誰か。』


そう言おうとして気が付いた。声が出ない。


ということはここは‥‥‥‥‥


(夢の中‥‥‥‥‥‥?)


辺りを見回してみると苦しそうな誰かの声が聞こえる。


こんな夜中に‥‥‥‥‥?


近寄ってみようとするも足が動かない。


ふむ。ここは傍観者でいろという事か。


苦しそうな声、何だか気持ちの悪い声。それらが聞こえたと思ったら、場面が変わった。


子供の泣き叫ぶ声、妖艶な女性の声。


なんだろう、すごく気持ちが悪い。


『やだなぁ、この夢。』


そう思っているうちに見慣れた天井が目に入ってきた。


「葵様、おはようございます‥‥‥‥‥‥‥どうかされましたか?」


宮叉が入ってきて不思議そうな顔をする。


何だろうと思って頬に触れてみたら濡れていた。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥夢に、感化されたんだろう。


『問題ないよ。欠伸しただけ。でも文人には言わないでね、なんか変な誤解生みそうだから。』


「かしこまりました。」


そう言って差し出された水と紅茶を飲む。


『ん。宮叉秘蔵の紅茶じゃん。どうしたの。』


「昨日のお礼です。‥‥‥‥‥‥主様には内緒ですよ?」


『じゃあ、お互い内緒話って事で。』


そう言って微笑み合う。


けれど。


(あの夢は、何だったんだろうか。)


二人分だろうあの不快な夢。きっと私とかかわりのある存在の過去‥‥‥じゃないかな。


けれど‥‥‥‥‥‥全く見当がつかない。


宮叉が去った後にぽつりと呟く。


『誰の、苦しみだったんだろうか。』







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ