[三部四章]アカイム街の裏の顔③
ちなみに切った指は一針麻酔無しで縫いました。叫びました。すみません抜糸するまで痛いです指
「いや、それにしても驚いたっす。まさかこんな少女が神だったとは。‥‥‥国家予算とかから引っ張ってきてないっすよね?」
『私の懐から出してるから問題ないよ。国家予算からじゃ名目が不明すぎるからね。』
「そうだな。異形に関連する事件を扱う部署ですなんて言っても信じられないだろうからな。」
「ん?偉業に関係して何が悪いんすか?」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ちらり、と緋炎を見やる。
目を逸らされる。
『異形の意味わかってる?』
そう風月に問いかける。
風月はなんてことないように軽く笑みを浮かべる。
「いやいや、すごい事とかって意味っすよね?それくらい小学生でもわか‥‥‥‥もしかして違うっすか?」
思わずため息をつく。そして緋炎の方を見やると、だらだらと冷や汗をかきつつ胃薬を羅亜胸菓子か何かのように胃へと運んでいる。
『うん。‥‥‥‥‥本来なら直属の上司である緋炎が教えないといけないんだけどね。異形課の異形、って言うのはその漢字の通り、人間でない者達の事を示すんだ。今まで君が仕訳けてきたおかしな事件って言うのは総じてその異形が関係しているものだった。‥‥だからこそもう知っているものだと思っていたんだけれど‥‥‥』
「あー、だから緋炎さん今冷汗とラムネ菓子‥‥‥‥‥‥それ胃薬じゃないっすか?!??!そんなことしてたら体壊すっすよ!!」
「いや、問題ない。今までも問題なかったからな。」
「いやいやいや、今までって‥‥‥‥いや、良いっす。苦労してることも分かりましたし、異形課の実態が分かればもっと仕事しやすいっすからね。」
そう言ってため息をつく風月。
実は支給している胃薬のほとんどは本当にラムネ菓子であることは黙っておこう。
流石に体を壊しかねないからね。
『そう言ってもらえると助かるよ風月。ちなみに私も一応天使とかそういうものではあるから、異形について分からないことがあれば聞いてくれて構わないからね。』
そう言うとぱちくりと瞳を瞬かせる風月
「‥‥‥‥‥‥神が本当に天使だった‥‥‥」
‥‥‥‥‥‥天使、とは咄嗟に出たけれど、私は自分が何者かは未だ分かっていない。
少しだけ、罪悪感が心を満たす。
火曜日に抜糸予定なんでその時に治ってればいいなぁ‥‥‥‥‥