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[三部一章]異形課 蒼江 緋炎

序章とちょっと説明が被りますがご了承くださいな。


これは、警察官の中でも特殊と言われる、異形課と呼ばれる部署の話である。

彼らは人ならざる者、異形が関係している事件の専門の課で、平時は他の課を手伝ったり、さぼったり、胃薬を飲んだりするのが日常と化している。

その中でも一人、胃薬をまるでラムネを齧るかのように飲み干しまくっているのが俺、蒼江 緋炎である。

分かっている、いくら胃薬だとは言え、薬を飲み続けるのがよくないことであることくらい。

薬局へ行くと、またこいつかとでも言うような顔で見られるため何か所も薬局を巡り、顔を覚えられないようにする秘かな努力も無駄であることくらい。

だが、まず間違いなく、医者にかかったら胃潰瘍だと言われて入院させられるだろう。

しかし。それが良い方向へ行くかと問われればそうではない。

何故なら、胃潰瘍の原因となった部下共がその間に何をしでかすか分かったものじゃないからだ。

まず間違いなく仕事はありえない量になっているだろうし、お見舞いと称して俺のところへ来るのを理由にサボるに違いない。


『‥‥‥‥‥お前らさえまともならなぁ。』


つい零れた愚痴に、黒依が反応する。


「あら?緋炎、私達がまともならそもそもここの課に配属なんてされないと思うのだけれど。」


「どうしました?緋炎さん。相談なら乗りますよ?」


『お前らが問題児だから困っているだけだ。安心しろ、お前に相談しても解決することは無い。』


とはいえ、黒依の言うことも一理あるのだ。

選定基準は不明。けれど、一度だけ、昔の大火災があった後にここを訪れた少女、葵から聞いた話によると、ここに配属されるためには一定以上の精神力を持った奴でないといけないらしい。

出ないと異形と遭遇した時に発狂してしまって事件解決どころかその人物が下手したら討伐対象になりかねないとか、何とか。


(とはいえ、ここまで個性的すぎる連中を配属するメリットも少ないだろうに。)


恐らくは自分は割と常識人である (はず)なので、正直ここに配属された理由が分からず、当時彼女に尋ねたことがある。すると、


「緋炎はね、ちゃんと自分がやるべきことを決めたらそこに真っすぐに向かっていける精神をちゃんと持っているよ。大丈夫。君は異形と対峙しても発狂なんかしない。」


そう言い切られたのである。

‥‥‥‥‥‥‥‥買いかぶりすぎだろう。そう当時は思ったけれど、その後何件かの事件と対面していくうちに、その言葉の意味が分かってくるようになった。

多少話は端折るが、生ける死人が出たと言われて現場に向かったら本当に生ける屍が喋って動いて、しかもこちらが声を掛けたら自分たちがいる場所がなくって困っていると割と真面目な相談をされて、街の中でも人通りの少ない地区への移動を勧めたり。

本屋にて人が消えるという事件があって向かってみれば、その本屋の中のとある本が読む者を引きずり込もうとしているということが発覚して、それをやめさせるために本と力比べ(?)をすることになったり。

時に、直近では神社に出た化け物を一人で退治した、教師を名乗る女と話をしてその事件のあった神社を調べ、実際どんな様子だったのかを確認したり。


(そういや最近葵からの連絡ねぇな。)


なんだかんだで一年に一度くらいは彼女からの連絡があったはずだが、それが最近では途絶えている。

‥‥‥‥‥まぁ、あの少女に憑いているらしい影の男、内亜に任せておけば大体は大丈夫だと当人から聞いたのでそこまで心配はしていないが‥‥‥‥‥


(この人材をどうにかしたいって、こっちから連絡したいくらいではあるが‥‥‥向こうも忙しいだろうし、少々気が引けるな。)


そう思っていたところに、業務用の携帯が着信音を奏でる。


『ん?』


珍しいこともあるものだとその電話をかけてきた人物の名前を見ると、ちょっと驚いた。

今丁度連絡しようか迷っていた葵からの連絡だった。


『もしもし。こちら緋炎。どうした、久しぶりじゃないか。』


「あ、うん。いろいろあって連絡を忘れててね。ちょっと話したい事があるから、今から言う喫茶店で話したい。今抱えてる仕事は私が上に言って別の課にやらせるから、安心して。休暇みたいなものだと思っておいでよ。おいしい物ご馳走するし。」


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥これは天からの天啓だろうかとでも言うべき内容に思わず絶句する。


「んぁ、緋炎さん、誰ですかー?その電話。なんかやけに嬉しそうですけどー。」


『ん?あぁ、仕事の事で電話だ。今日はもう休暇にして良いそうだ。とはいえ、お前らは毎日が休暇だろうがな。』


白葉の言うことも気にならないくらいには気分が高揚している。

ここ最近、というかこの二人がここに配属されてから休みという物を取ったことがあったかどうか定かではないくらいにずっと追い詰められ続けてきたのだ。

それからようやく解放される日が来た。

‥‥‥‥それにしても、葵の情報網は一体どうなっているのだろうか。普通なら、俺の抱えている仕事量なんか知らないはずだし、そうなれば自然と俺が葵と話をしに行く際に残っている仕事の事を気にせざるを得なくなってくる。


(ま、葵の事だしな。‥‥‥‥政府のもっと上とつながっていてもおかしくないか。)


そう考えることを放棄して、上着を羽織り、書類の束をまとめて指定された課へと送り届け、指定の喫茶店へと向かう。





そういえば最近色々な病院に行ってるのですが(花粉症とかとかのせいで)、何処へ行っても「水を飲め」と言われます。‥‥‥‥‥そういえばって感じで普通に水飲むの忘れそうになるんですよね。

白湯の話をした日辺りから、沸かした湯を貯蔵しておいて、白湯をそれこそ湯水の如く飲んでます。

人間の生きるために必要な最低限の水分量は3L。‥‥‥‥‥ちょっと前まで一日に500mL飲むかどうかだったのでやっばいなぁと思いつつ飲んでます。水分大事。

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