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2-4 どこの世界にも就活はあるもので

 改めて御前試合について、おさらいをしておこう。

 春の終わり、生徒たちの気が緩む頃、毎年両陛下が学園へ視察へいらっしゃる。


 その際には御前試合とお茶会が開かれ、御前試合では剣の腕前を披露し、お茶会では刺繍の品評会が行われる。


 御前試合では上位10名に皇帝陛下から栄誉が与えられ、刺繍の品評会では上位10名が皇后陛下主催のお茶会に後日招待される。


 やはり派手なのは御前試合なので、一般的に生徒は御前試合と呼んでいるそうだ。


「ここまでで何か質問はあるか?」


 生徒会専用の会議室で、セド様と二人御前試合の打ち合わせを行なっている。改めて真正面からセド様を見ると、銀髪赤眼の色彩以外はローズ様やセシル様とは似ていない。


 がっちりとした体つきに、高い身長。顔つきも男らしい。辺境伯家のウィルよりもよほど、雰囲気は軍人に近かった。


「運営というのは、通常は男女の副会長がそれぞれ担当するものなのですか?」


「いや、一人が会長の補佐。もう一人が御前試合かお茶会の運営だな。後輩を1人入れて経験を積ませる意図がある。2年生が会長副会長を務めていることがイレギュラーだから、そのしわ寄せがリーチェに来てしまったな。」


 そう答えたセド様は気の毒そうに眉を下げた。

ライオネル様の無茶振りも形上は一応例年通りらしい。

 ローズ様やアーサー様、ジル様も通ってきた道なのだろう。


「今回リーチェが運営をする御前試合は、全学年でランダムにトーナメントを行う。」


「随分時間がかかりそうですけど。」


「ああ、だから予選を行う。私達の仕事は本戦からだ。」


 予選は本戦の1週間前から、各学年上位5名を決める戦いになる。4学年まであわせて20名で、当日は戦うらしい。


「審判の手配、器具の確認、組み合わせ表。会場の手配に見学の方への配慮。当日のタイムスケジュールなど。細々した仕事は多くあるが一番の大仕事は両陛下への挨拶だな。」


「生徒会長がするものでは無いのですか?」


「御前試合の運営が武の神、お茶会の運営が芸術の女神に扮して生徒会長について挨拶に上がるんだ。」


「神が皇帝に膝をおることについて、教会から苦情が来そうですが。」


「そこは、生徒のやることだから、と目を瞑ってもらっている。主神ではないしな。」


 いつかの時代の政治的思惑が、今にまで残っているような話だなぁ。

 教会と対立していたのもそんなに古い話では無さそうだし。


「武の神は男性ですが私でよろしいのですか。」


「ああ。いつも専属のデザイナーに頼んでいるから、衣装デザインは相談して決めてくれ。女性の武の神は初めてだからデザイナーも張り切ることだろう。」


 ローズと並んだらきっと映えるだろう。と笑顔で仰るセド様に、案外これが本音ではないか、と懐疑的な視線を向けてしまった。


 あっさりライオネル様の案に乗っかって、私に無茶振りをするなんてセド様らしく無いと思ったが、常識人に見えて案外1番のシスコンなので、ローズ様のためなら平気で私を使いそうだ。


「もちろん、ローズだけでなく、リーチェの勇姿も楽しみだ。リーチェは可愛らしいから、凛々しい姿が新鮮だろうな。」


 むむ。そう言われてはやる気を出さざるを得ない。

 さすが長男、年下を扱い慣れている。


「わかりました。デザイナーとの日程の手配もしておきます。予選の結果は明後日出るのですよね。」


 王宮勤をしたいと考えている下級貴族の子息は、こういったイベント事の時に率先して手伝ってくれる。

 どのイベントでどのような働きをしたか、就職活動の時に伝えると有利に働くそうだ。

 前世の就職活動を思い出して、どこの世界も大変だと肩をすくめた。


 今回も予選は彼らが仕切っているらしい。本戦も私たちが行うのは指示と管理。確かに大仕事は挨拶になりそうだ。


思ってた方向と違う感じに仕上がってしまい、

書き直していました。。。

火曜日を、飛ばしてしまい。。。

GWに書き溜めたいと思います!!

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