魔方陣作成・試用
第九十七話です。
楽しんでいってください。
「ふわーぁ。よく寝た。………よし、頑張るか!」
睡眠を十分にとった俺は、簡易敵な食事を終えてからすぐに『空間把握』の魔方陣作成に取りかかった。
寝る前に試した文字を使っても『空間把握』を創るには相当な試行錯誤が必要だと思われる。可能性としてはかなり低いだろうが、『空間把握』自体創れないかもしれない。でも、それが創れなかったとしても違う空間属性の魔方陣は出来上がるだろう。とりあえず効率は無視して、空間属性の魔方陣を創ることに専念しよう。
机に向かって寝る前出した空間属性の魔法文字結果から、どのような魔方陣を創るり出そうか試行錯誤を繰り返す。構成を考えて、その構想から結果としてどのような成果が得られるのか、思考実験をしてから本格的に魔方陣作成に挑む。思考実験と言っても、自分のやっていることは残念ながら確実性が一〇〇%では無く、だいたい七〇%くらいのものなのでこれでできたらいいな程度の構想でしかない。その構想から自分が求めている魔法を創り出せたら運がよかったとでも思っている。
いくら魔方陣に関しての知識があったとしても創ったものからの結果が得られなければ意味無い。だからこれからも魔方陣の知識をため込んでいくことにしている。
そんなことを頭の片隅で考えながら魔方陣の構想を考えて紙に書き写していく。考えられる組み合わせを全て紙に書き写しておいて、考えられなくなった時点で試しにいこうと思う。
構想を考え、紙に書き写していく作業を始めてから体感で三時間が経過したと思われる。書き写しが終わったので、今から試しにいくところだ。だいたい七通り考えることができたので、一個くらいは使える物があるだろう。
訓練場についた俺は早速試してみることにする。まずは最初に創ったもの。これは『異空間収納』の魔方陣を参考に創り出した物だ。構想を練っていた時には出来ていたのだが実際にやってみるとどうなるのか……………できなかった。
そんな感じで二個目、三個目……という風にやって六個目になった。この魔方陣は今まで創ってきた魔方陣のいいとこ取りを集結してみたもので、直径約三メートルというかなりの大きさに仕上がってしまった。これが実行できたときには、絶大な効果をもたらしそうだ。
そんなフラグめいた感想を抱きながら、魔方陣を起動してみる。
「うぐっ!!!う、がぁぁぁぁぁ!!い、いだいいだいいだいいだい!」
起動した途端壮絶な頭痛が押し寄せてきた。とっさに腰に携帯していた泉の水を飲み干す。
「ふぅ……ふぅ……。今のなんだっいだいいだいいだいいだいいだいいだい!!」
飲み干した水の効果もすぐに切れ、再び耐え難い痛みが頭を襲う。すぐに二本目の水を飲み干す。
「なんなんだ!なんなんだyいだいいだいいだいいだい!!!」
またもや一瞬だけ痛みが引いて、更なる痛みが襲いかかってくる。すぐさま三本目を飲み干す。これが最後だ。
「うぅぅっ。て『転い゛』い゛い゛た゛い゛い゛た゛い゛い゛た゛い!!!」
泉の地点にマーカーを置いといてよかった。これがなかったら異常なほどの痛みが発生している頭痛に耐えながら移動しなくてはならなかった。
泉の近くに『転移』した俺は泉に頭を突っ込み、ごくごくと喉を鳴らしながら痛みを和らげようと必死に水を飲む。
だが、人の胃袋には限界がある。だから、すぐに水を飲み込めなくなった。そして痛みが襲ってきた。その痛みに頭を抱えてうずくまる。
「うぐぅぅぅぅぅぅぅぅ。うっ、おぼぼぼぼぼぼ。はぁ、はぁ、うぐぅぅぅぅぅぅ!」
痛みに耐えきれず胃の中の水を吐き出してしまった。口内に苦味が広がり、頭痛が続く。そこで意識が途絶えた。




