空間属性
第九二話です。
楽しんでいってください。
苦労して探索したのに何もなかったことに憤慨しながらも拠点へと帰った俺は、『異空間収納』から毛布を取り出して不貞寝することにした。
「は~あ。結局得たものは自分が弱いとわかったってことだけか。くそが。危険を冒して探索したのに得たものがそれだけとは……。なんとも笑える話だな。……まぁ、どうでもいい寝よう。」
そう思って寝ようと思ったのだがふと、思い出したことがあった。
「そういえば新しい魔法創るんだったな。忘れてた忘れてた。…………それもあのミュータントのおかげだけどな。」
くそ。思い出しただけで腹が立ってくる。何で報酬がないんだ。意味が分からない。……よし、おちつけ。今は魔法陣製作が先決だ。あのミュータントに軽々と勝てるようになるまで試行錯誤を続けてやる。
神を殴るならそれ以上の力が必要になるのだから今やっておいて損はない。
「よし。そうと決まれば早速取り掛かるぞ。」
「ミュータントを倒すのに、今まで最大の攻撃力を持っていると思っていた『バースト系魔法』が通じずに、攻撃魔法でも何でもない『異空間収納』が役立つなんて。『異空間収納』が持っている属性なんて『空間属性』だけだろう。」
「…………あ。そうだ!『空間属性』だ!空間が操作できればどんなことでもできる!『空間属性』なら切断だろうが転移だろうが創りたいものが創り出せる。『転移』もこの属性なのだから他も創り出せないことはあり得ない。それには研究が必要だ。」
そこまで考えてすぐに『空間属性』の研究と試行錯誤を始めることにした。
さすがに休憩をはさみながらやるつもりだが、泉の水を使ってできるところまではやるつもりだ。
『空間属性』の魔法は完成させてみせる。たとえ、どれだけの時間がかかろうとも、だ。後々神を殴ることができるのならばどんなことだってやってやる。それだけは確かだ。
必ず、やってやる。




