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振り返り、探索

第九一話です。

楽しんでいってください。

 その場に倒れこんだ俺は先ほどの戦いを振り返る。


「ミュータントは速すぎて移動中に動きが止められなかった。それ以前に気配を察知できなかった。結果的にミュータントを殺せたのは良かったけど、下手したら最初の一撃で死んでた可能性もあるんだよな。」


 そう、先ほどの戦闘では運が良く致命傷を受けず勝てたが、今の相手と同じシチュエーションで戦うならば速攻で殺されているだろう。さっき一度ナイフを取り出してミュータントの皮膚を切り裂いてみようとしたのだが、刃が通らず切り裂くことすらできなかったのだ。運良く『異空間収納』が攻撃にも使えると知らなければ、こちらが殺されていただろう。やはり、運がよかったのだろう。


 今回のようなことを繰り返さないためにもやらなければいけないことは、気配察知ができるようになる魔法陣の作成と、切断力が『異空間収納』に劣らない、空間系の魔法陣の作成だ。


 先ほどの戦闘ではその二要素がなかったから普通の手段では勝つことができなかったのだ。この探索が終わったら真っ先に進めなければいけないことはそれだろう。


「まぁ、先にミュータントが出てきた部屋から探索しなきゃな。」


 振り返りを終えた俺はそう呟きながら立ち上がった。あれほどの強敵が部屋の中にいたのだ。何かしら重要なものがあるのだろう。


 そんなことを思いながらミュータントが破壊した壁をくぐって『ライト』を発動する。その『ライト』が照らした部屋の中は、壁の模様も何もなく白で塗りつぶされていて、それは天井や床も同様であった。

こんな殺風景な場所になぜあのミュータントが配置されていたのだろうか?こんな何もないところに配置する強さじゃ無いだろうに…。何か、何かしらあるはずだ。何もないなんてことは絶対にない。死にかけてまでここまで来たんだ。何かあるはずだ!


 少し、いやかなり自棄(やけ)になりながら部屋の隅々まで隈なく探す。だが、2,3時間探してもこの真っ白で殺風景な部屋には何もなかった。


「なんで?!なんで何もないんだよ!こちとら死にかけてこの部屋にきてやったんだぞ?!何か用意しとけよ!………もういい!こんなとこ出てってやる!!」


 何もない部屋に用はない。何か得られるだろうと思っていた自分が馬鹿みたいだ。すぐにでも『転移』で帰って魔法陣の作成に取り掛かろう。


 そう思った俺はすぐに『転移』を使って拠点へと帰った。もうこの部屋に来ることはないだろう。









 滝が出ていったことによって誰もいなくなった部屋に何か出現した。本人はもう来ることはないと思っているが、それが確実なものになるのかは誰も知らない。


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