一人目の仲間
第七八話です。
楽しんでいってください。
「………え?仲間?もうなってんじゃん。パーティとして。ていうかそれ以外の仲間ってなんだ?」
「あぁ、いきなりごめんな。…その仲間ってのはな、端的に言うと、滝を探し出すのに協力してくれるようなやつかどうかって感じの意味だな。」
「へぇ……。で、お前は滝を見つけ出したいと思ってるんだな?」
「ああ。……今お前に聞いたのは、それに協力してくれないかって聞きたかったからなんだ。」
「そうか……。…………まだ質問したいことはたくさんあるが……協力してやるよ。」
「お、おお!やった!ありがとな!聞きたいことは知ってる限り教えるから……よろしくな!」
「ああ、よろしくな。」
といった感じで伸は協力してくれることになった。もともと仲間にはなってくれることは確信していたが、こんな二つ返事のようなあっさりとした快諾には驚いた。が、協力してくれるのは素直にありがたい。なので改めて心の中で感謝を述べた。そこで伸が言った。
「てか、もうすぐ集合だからもう行った方がいいんじゃねぇか?」
「あ。そうだな。準備したもの持ってくるわ。……じゃ、また後でな。」
そういって俺は手を振って自室へと向かった。そしてすぐに準備したものをもって集合場所まで急ぐ。そして集合場所についたのだが、もうすでに先ほどのほとんどみんなが集合し終わって整列していてまたもや焦ってしまった。
急いで列の中へ入っていってすぐに着座する。すると横から声がかけられた。
「また最後の方に焦ってきてんじゃねぇか。もうちょい余裕持ったらどうだ?」
そんなちょっと心配するような声音で話しかけた人物は、今回ダンジョンに行くパーティの一員である『渡辺 宗谷』だった。こいつの職業は『魔術師』で、詠唱速度が速く、遠距離からぽんぽんと魔法を撃ってくるので相手に回したら非常に厄介な人物である。こいつは俺の『仲間』に是非にでも引き入れておきたい人物でもある。
そんな奴からの言葉を、力ない声音で返す。
「はは…。まぁ、今度からは気を付けるよ。」
「おう。そうしとけ。」
そこで話が途切れ、周囲のざわざわとした空気が充満する。そこで団長が台の上に立つ。すると、すぐにざわざわとした空気がしん、と静まり返った。
「よし!お前ら!これからダンジョンへと向かう!ダンジョンまでは気を抜いていてもいいが、入ってからは気を引き締めておけ!馬車に乗り込め!」
「「「「「はい!」」」」」




