僕は無能でした
第六話です。
楽しんで行ってください。
僕のステータスはこうなっていた。
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「戸板 滝」 17歳 男 レベル:1 職業:クラウン
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:全属性適性・全属性耐性・永続付与可能・魔法生成・全魔法行使可能・全武器使用可能・言語理解
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クラウンはこの世界では十万人に一人という確率で出てくる職業だそうだ。
だが、ステータス値がこの世界の一般人よりも低いというのは確かに後衛しか出来なそうだった。(何このステータス…下手したらそこら辺の子供にも負けるんじゃね?)
「全ての魔法・武器が扱えるのに全ての値が10とは……これは、宝の持ち腐れというやつかな?」
こんな言われかたをしたら
「そんなことはわかってますよ~…うぅ」
という泣き言のように答えてしまうのも当然のことだ。(実際に涙目になっているが)
「これは戦い方を考えるしかないな。おまえだけは俺がマンツーマンで指導してやる。」
妙にこいつを強くしてやるという熱気を帯びた目をしてそんなことを言われた。
「はぁ…よろしくお願いします…」
いや勇者を指導したらどうだ?という言葉はあいにく僕の口からは出てこなかった。
そんなことを考えているうちにクラスメイト達全てのステータスを見終わったようだ。さすがに僕のように全ステータス10というやつはいなかったようで皆一様に哀れむような眼差しを向けてきた。(すごいうっとうしい)
「さぁ訓練を始めるぞ!みんな俺の後ろにいる騎士達に従ってそれぞれやってくれ。あぁ、おまえは俺とな」
どうやらマンツーマンで訓練するのは決定事項らしい。
「はい。わかりましたぁ。……どこでやるんですか?」
「うん?あぁ訓練方法も考えなきゃな。……とりあえずおまえは今日は自室に戻っていろいろな事をしているといいぞ。……おい、こいつを自室に案内してやれ。」
近くの手が空いている騎士に声をかけて僕を自室へいかせるよういった。
「じゃぁいこうか。」
「は…はい。」
僕は黙ってついて行くことに。
(とりあえずこの世界についてもっと知っておくべきだなぁ)
と思った僕は自室に案内してもらった後に書斎の場所を聞くことにした。