中級魔法(槍系)
第五八話です。
楽しんでいってください。
訓練場に戻った僕は早速中級の魔方陣を取り出した。先ほどの初級の魔方陣よりも魔力を使うので泉の水は少し多めに持ってきている。回復する回数が増えてお腹がちゃぽちゃぽとなるだろうが、それはもうあきらめることにした。もう一回魔力増強すればいいのではと思うかもしれないが、あの気持ち悪さを何度も繰り返しで体験するのはごめんだ。そんなことを思いながら試し打ちの準備をする。
先ほど初級の魔方陣の試し打ちに思ったことなのだが、魔方陣に描かれている文字を1単語ずつ変えてやった方が変化がはっきり分かるのでは?と思ってしまったので、それは次の試し打ちの時からやることにした。
程なくして準備が終わったので、分かった事をメモする用紙とペンを片手に魔方陣を発動する。最初に撃ったのは『炎槍』だ。中級攻撃魔法で一番有名なのがこの魔法らしい。汎用性と攻撃力が優秀で、戦争の時は一番最初に一斉に放たれるそうだ。
そんな魔法を壁に向かって何度も撃ち続ける。結構魔力を抑えて撃ったのだが、十発も撃ったら壁に人が一人入れそうな程の穴が空いた。それなりに頑丈に創ったつもりだったがもう少し補強が必要かもしれない。
その穴がそれなりに広がったところで結果が出きったので次の魔方陣へと移行する。次の魔方陣は『水槍』だ。これは『炎槍』の対となる魔法で、『炎槍』に対抗するために創られた魔法らしい。相殺するために創られたものなので攻撃力はいまいちだが構築の早さは『炎槍』よりも早い。攻撃力はいまいちと言ったが『炎槍』に比べるとという意味なので、薄い壁や柔らかい部分は普通に貫通する。
さすがに壁を破壊するとこまではいかないが一発ごとに壁を削っていっていることからもその攻撃力がうかがえる。ある程度壁がくぼんだところで収穫もなくなったので次に移行する。
次々と撃っては分かった事を書き、撃っては分かった事を書き、とやっているとすぐに魔法陣も最後になった。
「お、もう最後か。集中してるとすぐ終わるな。そんで初級の魔法陣を元に創られてるから結構理解もしやすかったな。……さて、最後の魔法陣も終わらせて今日は休もう。」
もう最後の魔法陣なのかと思いながら『石槍』を発動する。これは十分な貫通力と物理の魔法で魔力制御がちゃんと出来ているなら相手の急所を狙って一撃必殺をすることが出来る魔法だ。壁に撃ったら普通に刺さったのでそのままどんどん撃っていく。槍系の魔法はこれでおしまいなので今までの槍系で分かっていたことが多かったのですぐに終わった。
「よし。終わった~。…………寝よう。」
そう言って毛布にくるまって眠りに落ちた。




